「アートな町へ」特集のサイドストーリーその4
このページでは、毎号のオズマガジン制作の編集後記のような、こぼれ話のような、誌面に載せきれなかったサイドストーリーを編集部員が少しずつご紹介しています。今回はクマダがお届けします。
更新日:2017/09/06
アートを通してその町を感じて
8月10日に発売されたオズマガジン最新号「アートな町へ」。発売から約1カ月、書店で目にしていただいた方もいらっしゃるかもしれません。今日は今号のアート特集について、少しご紹介できればと思います。
いきなり余談ですが、関西出身の私にとってオズマガジンのアート特集は特別なものでした。というのも、オズマガジンは首都圏を中心に発売しているので関西ではなかなか出会う機会が少なく、唯一書店で見かけるのが「アート特集」や「京都特集」を発売したときなのです。
そして、私がオズマガジンを初めて目にしたのが、瀬戸内芸術祭で訪れた豊島の船着場でした。ボロボロのオズマガジンを持つ島民、アート作品の説明をするおじいさんの笑顔、島のみなさんに次第にアートが受け入れられているのだなあと思ったその光景を、10年近く経った今でも覚えています。オズマガジンのアート特集も今年で11回目。初めての出会いから、いつのまにかアート特集をみなさんへお届けする立場になっていることに驚きます。
私自身、瀬戸内の各島、新潟の越後妻有、北海道の札幌…とアートを目的にさまざまな旅に出ましたが、アートはその町に根付いていたり、その町の自然や風景を舞台にしていることも多いですよね。広大な自然の中にあるからこそ存在感を放つアート作品や、出身地に作品を置くアーティストも少なくありません。アートを感じることでその町をも感じられる、アートを知ることでその町の違った一面が見える、そんな風に思います。今回の特集では、そんなアートを目的に旅に出ていい1日を過ごして欲しい、そう思って作りました。私が担当したのは、なじみ深い「京都」と「神戸」です。
京都の歴史と和、アートとの融合に注目
京都には、アートなニュースがたくさん。なんと祇園にある祇園甲部歌舞練場に、草間彌生さんの作品を常設する「フォーエバー美術館」が開館。二条城では、「アジア回廊 現代美術展」を開催中です(~10/15)。京都はいつの時代も若手の画家に作品発表の機会を与え育ててきた歴史があり、新旧のアート作品をお寺や歴史的建造物に多々見ることができます。過去にオズマガジンでもご紹介したことがありますが、随心院にある絵描きユニット「だるま商店」が奉納した襖絵も素敵。歴史的建造物とアートが一緒になることで、より一層それぞれが際立ち心を揺さぶるモノになると思います。100年の歴史ある祇園甲部歌舞練場に負けない草間彌生さんの作品の存在感は、圧倒的ですよ。
自然とアートのハーモニーを楽しんで
一方神戸では、自然と調和する芸術祭がこの秋ふたつ開催。山を舞台とした今年8回目を迎える「六甲ミーツ・アート芸術散歩」(9/9~11/23)と、海を舞台とした「港都KOBE芸術祭」(9/16~10/15)です。両方とも神戸の自然とアートを同時に感じられるもので、山を歩きながら作品を通して季節の移ろいに気付けたり、神戸の町を見ることをテーマにした作品を船上で楽しんだり。神戸を訪れたことがない人はもちろん、訪れたことがある人も、アートがあることで新たな神戸に会えるのではないでしょうか。
アートな町歩きも旅の醍醐味
そして、今回の特集では「アートな町」の歩き方のヒントをたくさんご紹介しています。思わず写真を撮りたくなるカワイイおやつや、アートを感じられるカフェ&ギャラリー、続々と登場している素敵な新店、そんなスポットをぎゅぎゅっとまとめましたので、ぜひ町歩きにご活用ください。ちなみに、京都の綿菓子専門店「JEREMY&JEMIMAH古川町商店街」の箱入り綿菓子や、神戸の「CAKE STAND」のケーキは思わずパシャリのかわいさなので要チェックですよ。京都~神戸間はJRで1時間。まとめて旅するのもオススメです。
さて、「京都」と「神戸」を中心にご紹介しましたが、今回の特集ではそのほかにも注目の「アートな町」がたくさん。私も巻頭の富山&金沢へいつ行こうかとスケジュールとにらめっこしています。みなさんも、「アート」を通してその町を感じ、楽しむ、そんな旅へぜひ出かけてみてくださいね。アートを通じていい1日を過ごせますように。
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