編集部の「いい1日」リポート VOL.008
この連載では、編集部員が見つけた「いい1日」のヒントをご紹介していきます。特集のためのリサーチから、個人的な趣味の散歩、その他もろもろ、よりみちで出会ったことや感じたことをつづります。こちらのリポートも2周目。編集部員スドウは前回に続き都内のアートスポットについてつづります。
更新日：2017/08/04
今日も今日とてスロースタート。
18時からのアートなお出かけ
こんにちは。休日はお昼頃まで寝てしまいがちな、スドウです。前回15時スタートのアートなお出かけをリポートしたところ、皆さんいろいろなコメントをくださって、見ていてとても楽しかったです。
朝早くから行動できる派の方（見習いたいです・・・）、同じく休日スロースターターな方（同志！）、ずっと眠れるのは体力がある証拠と励ましてくださった方。皆さんいろいろな休日の過ごし方をしているのだなぁと参考になりました。
第2回目の今回は、前回よりもさらに遅い、18時からのスタートです。（次回こそ、ちょっと早起きをがんばった日のリポートができるようにしたいと思います！)
お昼過ぎに起きた土曜日。買い物などの用事を済ませているうち、あっという間に17時半。ですが、今日の私は余裕です。なぜなら、お目当ての「アルチンボルド展」は、金・土曜は夜間開館デーとして21時まで開館しているのです！
18時過ぎ、上野の国立西洋美術館へと到着。少しずつ暗くなり始めた空の下、昨年世界遺産に登録されたル･コルビュジエの建物が迎えてくれました。美術館へ向かう人はまばらで、皆どこかのんびりとした足取りです。
思わず自慢したくなる似顔絵メーカーに一喜一憂
ジュゼッペ・アルチンボルドは、16世紀後半にウィーンとプラハで活躍した一風変わった画家。彼は、野菜や花、魚など、さまざまな「モノ」を組み合わせて描く斬新な肖像画で知られています。
作品ももちろんですが、今回楽しみにしていたのが、この「アルチンボルドメーカー」！ カメラが顔を認識して、アルチンボルド風に似顔絵を作ってくれる記念撮影コーナーです。5分ほど列に並んで、いよいよ私の番！ ワクワクしながらカメラの前に立つと、あれ、なんか思ったのと違う・・・。隣のお姉さんは、ロングヘアが葉っぱで再現されていたりと華やかなのに！ どうやら、ポニーテールは正面から見るとただの短髪と認識されたよう。まるで男子のような似顔絵ですが、私、一応女子です。
女子の皆さん、アルチンボルドメーカーをされる際は髪をおろしていくことを強くオススメします。
画家の想像力に脱帽する奇妙で楽しい展覧会
夜の会場内はそこまで混雑しておらず、のんびり鑑賞することができました。
クリアファイルも購入したお気に入りの作品≪春≫は、80種もの花で描かれた肖像画。歯がスズランのような花で描かれています。
ほかにも、ロブスターやエイなど海の生物で顔を描いた≪水≫や、ウィーン宮廷の財政を仕切っていた人物を鶏肉（！）で描いた≪法律家≫など、奇妙でおもしろい作品がずらり。ちなみに、鶏肉で描かれた≪法律家≫は実物とソックリで、ひと目で誰のことかわかるレベルだったとか。鶏肉で似顔絵を描かれたら泣きますよね。アルチンボルド、その人のこと心底嫌いだったんだろうなぁ・・・。
パッと見のおもしろさやインパクトに対し、絵を構成しているひとつひとつの「モノ」はとても写実的で精密。少し離れて観るのと、近寄ってじっくり観るのではまったく印象が異なるのが、アルチンボルドのおもしろさなのだと実感します。
眺めるほどに発見がある「1枚で2度楽しい絵」たちに、時間を忘れて見入ってしまいました。
約2時間たっぷり鑑賞し、グッズコーナーを物色です。今回のヒットアイテムは、アルチンボルド デザインフェイスパック。これを企画した人に拍手を送りたい！ アルチンボルドの野菜風フェイスになりきれるパックです。自分用と友人へのおみやげ用を購入し、ホクホクで家路に着いたのでした。
ちなみに、企画展のチケットがあれば常設展も観ることができるので、体力がある方はそちらもぜひ。巨匠たちの素晴らしい作品が待っています。
落ち着いた雰囲気の中ゆっくりアート鑑賞を楽しめた夜間開館。多くの美術館が導入しているので、また寝坊してしまった休日に訪れてみたいと思いました。
今回もここまで読んでいただきありがとうございます。
次回は編集部員クマダがいい1日をお届けします。
アルチンボルド展
会期／開催中～9/24 会場／国立西洋美術館（台東区上野公園7−7） 開館時間／9:30～17:30 金･土～21:00（入館は閉館30分前まで） 休館日／月※8/14、9/18は開館
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