【クイズ形式でご紹介】揺らめく布の看板・のれんに導かれる日本橋名店さんぽ
日本橋・室町は、歴史ある老舗店や新しい商業施設が共存するエリア。街中を歩いていてふと気が付くのが軒先にかかるのれん。日本特有の“布の看板”が揺らめくのれんに導かれながら、名店さんぽを楽しもう。その特徴的な紋・デザインを切り取り、クイズ形式でご紹介!
更新日:2019/10/07
日本橋室町・本町の期間限定のれんも登場!「NIHONBASHI MEGURU FES」めぐるのれん展
2019年9月27日(金)から11月20日(水)の期間、のれんや舟遊びなど、古くから続く文化をアップデートするイベント「NIHONBASHI MEGURU FES」を開催。Design、Entertainment、Foodの3つをテーマにさまざまなイベントが予定されている。
そのうちのひとつ「めぐるのれん展」では、日本橋に拠点を持つさまざまな企業32社が自社の特色をビジュアル化した「企業を表現するのれん」、著名クリエイターが日本橋の街を独自の視点で投影した「街を表現するのれん」が並ぶ注目のイベント。江戸時代の日本橋のにぎわいを描いた絵巻「熈代勝覧(きだいしょうらん)」のにぎわいの再現をめざす。
日本橋室町・本町(通称ムロホン)エリアの12店舗も自店ののれんを期間限定で刷新! その一部ののれんもピックアップしてご紹介。
のれんクイズの答え一覧
01/三重テラス
藍染めの色と、縞模様の粋な風合いが魅力ののれんが見られるのは、中央通りにある「三重テラス」。エントランスの頭上でふんわり風になびいているのが、江戸時代から続く三重県の伝統綿織物「松阪もめん」ののれん。江戸時代に大流行した「松坂嶋(まつさかじま)」の模様も必見!
伝統綿織物「松阪もめん」ののれん
松阪牛や伊勢えびなど美食の宝庫店
三重県中部に位置し、伊勢湾に面する松坂市が発祥の「松阪もめん」は、天然藍の先染め(糸段階で染色し、生地に織り上げる)糸を使って織り成す縞柄(松坂嶋)が特徴的。染め方しだいで微妙な濃淡を表現できるため、ストライプの太さやチェックなど、デザインは無限にあるとか。「三重テラス」ののれんも含め、遠目には無地に見えるのも特色。江戸時代、倹約令により華美な着物が堂々と着れなくなっていたことから、「身近で見るとさまざまな縞模様が粋でおしゃれ」だとして、日本の中心地、江戸でも大流行に。
「三重テラス」の店内には、伝統織物「松坂嶋」による、バッグ、お財布などの小物入れ、ネクタイ、ランプシェードなど商品の販売も。どれも、使うほどに味わい深くなると好評。
また、海や山の幸に恵まれた三重県ならではのグルメも充実。名産品の松阪牛をはじめ、伊勢うどんや伊勢茶、しおサイダー、伊勢海老のクリームスープなど、手土産にも喜ばれるアイテムをぜひチェックして。
DATA
住所/東京都中央区日本橋室町2-4-1 浮世小路千疋屋ビル「YUITO ANNEX」1・2F
営業時間/ショップ10:00~20:00 レストラン11:00~23:00(フード22:00LO、ドリンク22:30LO)
定休日/無休(年末年始を除く)
02/日本橋とやま館
白~青~藍色のグラデーションが印象的なのれんは、「日本橋とやま館」の2カ所のエントランスとレストラン入り口でも見ることができる。美しいデザインは、富山県の代表的な景勝地「国定公園 雨晴海岸(あまはらしかいがん)」の絶景を想起させる。
美しい青のグラデーションが印象的なのれん
富山の酒器飲み比べができるバーラウンジも
雨晴海岸の浜から望む真っ青な海と、雄大な立山連峰に降り積もる雪を連想させる「日本橋とやま館」ののれん。海底が複雑な地形の富山湾は、浅瀬の青、深海の藍といろんな表情の青色が見られ、立山連峰に積もる白い雪とのコントラスが絶景だ。生地は、富山県の伝統織物「しけ絹」を使用。まれに2頭の蚕の愛の結晶でできる“繭玉”の糸で織りあげた生地は、糸の太さが不均一なことから独特の模様が生まれる。のれん簾以外にも店内の壁に使用されているほか、ストールやふくさなど幅広い商品を取り揃えている。
もうひとつ、窓際に飾られた浮世絵のれんも見逃せない。日本橋地区の粋と活力を蘇らせる「浮世絵のれんプロジェクト」の企画のひとつで、日本橋生まれの浮世絵師・歌川国芳による、富山県ゆかりの浮世絵「山海愛度図会 越中滑川大蛸(さんかいめでたいずえ えっちゅうなめりかわおおだこ)」を題材に制作されたもの。こちらは、江戸のポップアートに魅了されるはず。
店内では、富山名物「ます寿し」や、丸干しいかの一夜干しなどグルメのほか、錫製の器やアクセサリーなど伝統工芸品も見逃せない。「富山の酒器飲み比べ」ができるバーラウンジも併設。
DATA/日本橋とやま館
住所/東京都中央区日本橋室町1-2-6 日本橋大栄ビル1F
営業時間/ショップ10:30~19:30 和食レストラン11:30~14:30、17:00~22:30(日祝~21:00)バーラウンジ11:00~21:00
定休日/無休(年末年始、ビル設備点検日等を除く)
03/にほんばし島根館
大振りの花紋が目を惹きつけるのれんが飾られているのは、中央通り沿いにある「にほんばし島根館」。島根県の花として知られる“ボタン(牡丹)”をあしらったのれんは、2018年2月のリニューアルオープンからエントランスに登場。華麗で存在感のあるボタンの花紋が楽しめる。
ボタンの花びらが多きく咲き誇るのれん
ショップには島根県の物産が2000点以上!
フリルのように幾重にも重なった妖艶な花びらが特徴的なボタン。「にほんばし島根館」ののれんは、島根県を代表する花、ボタンを花紋にしたもの。島根県東部の中海に浮かぶ大根島が名産地で、約300年前から、現在では300種類以上の栽培が行われている。大輪咲きで一重のものや八重咲きのものがあり、色は白、淡紅、濃い紅から深紅、さらに黒色に近いものあるそう。とくに、4月下旬から5月上旬にかけて数万株の花が咲き乱れ、まさに絢爛豪華!
春に圧巻の花を咲かせる「地ボタン」のほか、秋冬に花をつける二季先の「寒ボタン」も有名。「にほんばし島根館」の店頭では、お正月になるとボタンの生け花が飾られ、たなびくのれんとともに目を楽しませてくれる。
店内には、島根県の物産2000点以上がずらり。トビウオを原料にした名物「あご野焼」や「日本一丈夫な和紙」といわれる伝統工芸品・石州半紙を表紙に用いた御朱印帳など気になるアイテムがいっぱい。
DATA/にほんばし島根館
住所/東京都中央区日本橋室町1-5-3 福島ビル1F
営業時間/10:30~19:00
定休日/無休(年末年始を除く)
04/鶴屋吉信 TOKYO MISE
鶴が優雅に羽を広げるマークが特徴なのれんは、江戸時代の享和3(1803)年に、京都にて創業された「鶴屋吉信」のもの。手書きだったものが、図案化されて今のデザインに至るそう。
優雅に羽を広げる鶴がシンボルののれん
作りたての和菓子と日本茶をいただけるカフェ
「鶴屋吉信 TOKYO MISE」という店名にも入っている鶴が描かれたのれんは、残っている記録によると、大正時代の本店には既にあったという。全体にまるみをおびた鶴が手書きで描かれていたものだとか。昭和初期のパンフレットには、手書きだった鶴が図案化され、昭和52年に現在のマークにリニューアルし、鶴の姿がやや細くスマートにデザインされた。
日本橋・コレド室町3にある「鶴屋吉信 TOKYO MISE」では、お休み処「京茶房」と、和菓子職人が目の前で生菓子を作ってくれる「菓遊茶屋(かゆうぢゃや)」が併設されており、その雅な文化に気軽に触れることができる。生菓子と抹茶でぜいたくなひと時を過ごしては。
DATA/鶴屋吉信 TOKYO MISE
住所/東京都中央区日本橋室町1-5-5 COREDO3室町1F
営業時間/ショップ10:00~21:00、茶房・菓遊茶屋10:30〜20:00(L.O.19:30)
定休日/元旦
05/コレド室町1
結び熨斗をモチーフにした紋を掲げるのは、“日本橋を賑わす、日本橋”をコンセプトにしたコレド室町1。お祝い事に使われる縁起物「栄える」の象徴だそう。「にぎわい・五本の道の交点に集まる人々の往来を、五本の熨斗に例えました」と教えてくれたのは、紋を手掛けた紋章上繪師(もんしょううわえし)の波戸場承龍(はとばしょうりゅう)さん。
06/コレド室町2
縁起物として古くから使われる枡を五つ重ねた紋は、日本橋初のシネマコンプレックスのあるコレド室町2。「歌舞伎や浄瑠璃といった文化の中心だった歓楽街・日本橋をそれに重ねています」と、紋を手掛けた波戸場承龍さん。
07/コレド室町3
古来モチーフの「結び桜」の紋が印象的なのれんが出迎えてくれるのは、コレド室町3。桜は、江戸桜通にもちなみデザインされたそう。施設内には、無印良品や雑貨やインテリアショップが揃う。