確定申告をやるべき人、やった方が得するのはこんな人
まず、必ず確定申告をしなくてはいけないのはどんな人?
「このような所得がある人は、確定申告を行う義務があります。
・事業所得がある人(個人事業主やフリーランスなど)
・不動産所得がある人(大家さん、地主さんなど)
・雑所得がある人(副業による収入がある人、一定額以上の年金収入がある人)
・一時所得があった人(保険の満期金や懸賞などで50万円以上の利益を得た人)
・給与所得がある人(給与収入が2000万円を超える人など)」(氏家さん)
では、会社員の人は確定申告をしても意味がないの?
「会社員の人は、通常、給与からの源泉徴収で税金を納めていますし、過不足についても年末調整で調整しているので、確定申告をする必要はありません。しかし、以下のような人は、自分で確定申告をすると税金の払い戻しを受けられる可能性があります。
・年度途中で退職をした人
・年間10万円以上の医療費を支払った人
・昨年住宅を購入して住宅ローンの返済を始めた人
・台風や洪水、空き巣などの被害に遭った人
・ふるさと納税を6自治体以上にした人
当てはまる場合は、確定申告を検討してみてください」(氏家さん)
まずは書類の準備を。3パターンの申告法がある
確定申告をするために必要なものは?
「まずは、確定申告の必要書類を集めましょう。領収書や源泉徴収票、支払調書などのほか、受けたい控除の種類ごとの必要書類を確認して集めます。証明書類は種類ごとにわかりやすく分類してまとめておきます」と氏家さん。
必要書類を集めたら、どうすればいいの?
「確定申告書類は3つの方法で作成できます。やりやすい方法を選びましょう。
(1)「手書き」の場合には、最寄りの税務署で申告書類をもらってくるか、国税庁のサイトから書類をダウンロードするといいでしょう。記入した書類は、最寄りの税務署に持参するか郵送します。
(2)「確定申告書作成コーナー」は国税庁のサイトからアクセスできます。入力した内容が自動計算できることと、マイナンバーカードがあればここからe-taxというオンライン申請が利用できるメリットがあります。
(3)「確定申告ソフト」は、個人事業主やフリーランスなど事業を行っている人にお勧めです。事業のこまごまとした入出金を入力すると自動計算ができ、そのまま確定申告書類の作成まで行えます。確定申告ソフトは年間1万円程度で利用できます」(氏家さん)
フリーランスは持続化給付金も忘れずに申告を。e-Taxがおすすめ
確定申告をする際の注意点はある?
「フリーランスや個人事業主をしている人で、昨年持続化給付金を受け取った人もいることでしょう。持続化給付金は、コロナの影響で収入が50%以上減少した事業主が申請すると受け取れた給付金です。この持続化給付金は収入の補填となるため、収益扱いになります。忘れずに計上しましょう」と氏家さん。
また今年からの変更点もあるのだとか。
「事業所得や不動産所得がある人は、最大65万円まで認められていた『青色申告特別控除』が、令和2年度より最大55万円に引き下げになった点にも注意が必要です。
確定申告書を税務署に持参・郵送するやり方だと、控除額は最大55万円になりますが、期限内にe-Taxで電子申告をした人は、これまで同様に最大65万円の控除が受けられます。
青色申告は、確定申告ソフトを使えばわりと簡単にできますし、e-Taxもマイナンバーカードがあればスマホからも申告できます。家に居ながら申告が完了でき、控除額も大きくなるので、まだやったことがない人も試してみてはいかがでしょうか」(氏家さん)
教えてくれた人
氏家祥美(うじいえよしみ)さん
ハートマネー代表。
ファイナンシャルプランナー・キャリアコンサルタント。家計の見直し相談や講演活動を通じて、お金の基礎知識を伝えている。お金だけじゃない『幸福度の高い家計づくり』を総合的にサポートしている。zoomなどを使ったオンラインでの家計相談も受付中。
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