SNSアカウントの乗っ取りはなぜ起きる?
LINEやInstagram、TwitterなどのSNSは自分と友人を結ぶ大切なツール。乗っ取り被害にあってしまったら、知り合いに迷惑が掛かってしまうかも。でも、狙われることなんてそうそうないはず・・・?
「SNSの乗っ取りに関係するサイバー犯罪を受けたことがある人は、実は14.7%もいます。世代別では20~30代に多く、2割を超えているんです。ノートンライフロックが2021年10月に発表した『SNSの利用実態に関する調査』によると、特に20代女性に被害が多いようです」と、鈴木さん。
そもそも、SNSアカウントはなぜ乗っ取られるの?
「メールアドレスやパスワードが流出することで、不正ログインされるケースがあります。ログインの際、IDでログインできるサービスであれば、アカウントの情報からIDがわかるため、パスワードだけでログインされてしまいます」(鈴木さん)
また、フィッシングサイト(詐欺のために作られたサイト)を使った乗っ取りも。
「DMで送られてきたメッセージのリンク先にアクセスし、フィッシングサイトとは気づかずにログイン情報を入力してしまうと、情報を抜き取られます。フィッシングサイトからアプリ連携を求められ、アカウントを乗っ取られることもあります」(鈴木さん)
フィッシングサイトは、公式サイトにそっくりなデザインで作られているので、一見したところでは見抜けないことも。
「ログインするときにスマホに送られる認証コードがなければログインできない二段階認証も、フィッシングサイトを経由して認証コードを入手しようとするケースも出てきています。自分の投稿やDMを見返して、不審な動作をしていたら乗っ取られている可能性も。すぐにパスワードを変更して、アプリ連携の解除をしてください。ログインできないときはサービス事業者に連絡を取りましょう」(鈴木さん)
乗っ取り被害を防ぐにはどうしたらいいの?
巧妙になっていく乗っ取りの手口。私たちはどうしたらいい?
「パスワードの管理はとても重要です。投稿などの情報から推測されやすいもの、他のサービスとの使いまわしなどは避けましょう。また、DMなどで送られてくるURLは、たとえ知り合いからだとしても用心しましょう」(鈴木さん)
URLが送られてくるとき、相手の文章がいつものノリではなかったり、日本語が正しくないといった違和感があるかも。少しでも疑わしい場合は、リンク先に飛ぶ前に確認を。
「フィッシングサイトも、よく見るとおかしな箇所が見つかることがあります。日本語の表現がおかしい、URLが不自然、デザインが崩れている、などです。こうした場合は何も入力しないようにします。
また、二段階認証もかなり有効な手段です。サービスからの認証であることを確認し、認証コードを入力して。自分がログインしていないときに認証コードが届いたら、誰かがログインを試みている証拠。もし他人から認証コードを尋ねられても答えてはだめ。すぐにパスワードを変更しましょう」(鈴木さん)
企業の公式アカウントのなりすましにも注意
乗っ取り被害に似た事例に、なりすましアカウントによるトラブルも。企業の公式アカウントなどにそっくりのアカウントを作り、DMを送ってくるケース。
「企業にそっくりのアカウントから、懸賞やプレゼントに当選しましたといったDMが来ます。受け取りのために個人情報を入力してしまうと、何に使われるかわかりません。やたら詳しく個人情報を入れさせる場合は疑うことも大切。特にクレジットカードなどの決済情報は注意が必要です」(鈴木さん)
応募していないキャンペーンから突然当選通知が来た場合は、相手のアカウントをしっかり見直して。IDのスペルが微妙に違う、非公開になっている、フォロワー数が少ない、認証マークがないなどの特徴からなりすましとわかることも。
「なりすましアカウントによる被害を広げないために、そのアカウントのプロフィール画面にある報告機能からサービス事業者に通報しましょう。自分がなりすましアカウントを作られた場合でも、同様に通報すると対応してくれます」(鈴木さん)
悪質な人たちは次々と新たな手段で私たちを罠に陥れようとしているこの時代。情報を入力するときは、いったん手を止めることも必要と心得て。
教えてくれた人
鈴木朋子さん
ITジャーナリスト・スマホ安全アドバイザー。システムエンジニアを経てフリーライターに。SNS、スマホ、パソコン、Webサービスなど、初心者向けのわかりやすい解説に定評があり、テレビや雑誌など各メディアで活躍中。また、2人の娘の子育て経験を生かして「スマホ安全アドバイザー」としても活動。
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