配当金とは、利益の一部を株主に還元する仕組み
配当金とは、企業から株主に対して配られる現金のことを言うそう。
「そもそも、株式会社は株主のもの。大勢の投資家から集めたお金を資本金として会社の運営が行われているほか、経営を任せる取締役など経営陣の選任や重要な経営方針については、株主総会で承認を受けて決定されます。
会社が経営方針に従って利益を出すと、株主は持ち株数に応じて配当金を受け取ることができるという仕組みになります。日本の企業では、年に2回配当をしているところが多くなっています」(氏家さん)
株を買うと配当金は必ずもらえるの? どれくらいもらえるか事前にわかるの?
「株を購入しても、配当金は必ずもらえるわけではなく、会社によっては利益があっても配当金を支払わない場合もあります。
また、過去にその企業がいくらの配当をしているかは、株価情報や各企業の投資家向け情報等で調べられますが、将来的な配当金は決算状況を元に株主総会で最終決定されるため、株主総会が終わるまで実際のところはわかりません」と氏家さん。
配当金目当ての投資は「配当利回り」に注目
せっかく投資するなら配当金をもらいたいという人も多いはず。配当金目当てで投資を始める場合、どこに注目すればいい?
「配当金目当てで投資を始める場合、『配当利回り』に注目しましょう。配当利回りは、購入時の株価に対して1年間で何%の配当金を得られるかを示す数値で、以下のように計算します。
配当利回り(%)=1株当たりの年間配当金額÷1株株価×100
配当金額が同じでも、株価が低い時に購入すれば配当利回りが上がりますし、株価が高い時に購入すれば配当利回りは下がります。また、株価が同等程度であれば、1年当たりの配当金額が高い企業を選ぶと配当利回りが上がります」と氏家さん。
配当利回りはどうすればわかるの?
「配当利回りは証券会社のサイトやYahoo!ファイナンスなどのサイトで調べることができます」(氏家さん)
権利付き最終日までに株を買えば配当がもらえる
そのほか配当目当ての投資で気をつけるべきことはある?
「配当金を得るためには、実は1年を通じてその企業の株主でいる必要はありません。『権利確定日』の2営業日前、『権利付き最終日』までに株を保有していれば、株主名簿に記録されて、後日配当金が贈られる仕組みとなっています。
配当をもらいたい場合は、権利付き最終日までに買い、権利確定日までは売らずに持っておきましょう」(氏家さん)
ちなみに、配当金を出さない企業が必ずしも悪いとは言えないのだと氏家さん。
「もちろん、配当金を出さない企業の中には、経営状況が悪化して配当金を出す余裕がないところも含まれますが、一方で、事業で得た収益を新しい設備投資や研究費用などに回して、より積極的に事業拡大で成長を目指す企業もあります。会社が成長すればそれだけ株価上昇も期待できるため、企業の成長で株主の期待に応えようとする企業があることも知っておきましょう」(氏家さん)
教えてくれた人
氏家祥美(うじいえよしみ)さん
ハートマネー代表。
ファイナンシャルプランナー・キャリアコンサルタント。家計の見直し相談や講演活動を通じて、お金の基礎知識を伝えている。お金だけじゃない『幸福度の高い家計づくり』を総合的にサポートしている。zoomなどを使ったオンラインでの家計相談も受付中。
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