初めての株式投資入門:初心者向け株式投資の始め方や失敗しないポイントをわかりやすく解説【FP監修】

投資初心者におすすめの資産運用とは?投資の始め方や失敗しないポイントをわかりやすく解説【FP監修】

株式投資って難しそう、というイメージがあるけれど、実際に始めている人もたくさん。上手に株式投資をすれば将来の資産が形成できたり、株主優待を受けられるなどのメリットも。初心者向けに、株式投資を成功するためのポイントや初心者が失敗しがちなポイント、株式投資の専門用語や初心者の素朴な疑問などについて、ファイナンシャルプランナーがわかりやすく解説。

更新日:2021/08/30

1.株式投資とは?

株式・株式投資とは?株を買うってどういうこと?

株式・株式投資とは?株を買うってどういうこと?

株式は、株式会社が事業に必要な資金を投資家から集めたいときに発行される有価証券のこと。以前なら株式は株券という紙の証券だったけれど、現在では上場会社の株券は廃止され、電子的に管理されている。

株式を保有することは、その企業にお金を貸しているだけでなく、その会社のオーナーの1人になること。そのため、配当、売買益、株主優待といった経済的な利益だけでなく、株主総会への出席による経営参加権を持つことも意味している。

一般の投資家は、証券取引所にて株式を売買することが可能。株式を発行して証券取引所で売買できる企業は、一定の条件をクリアした会社で、上場会社と呼ばれている。この証券取引所での株価には定価はなく、株を買いたい人、売りたい人の需要と供給で上下する。

2.株式投資の3つのメリット

2.1 値上がり益がある(キャピタルゲイン)

2.1 値上がり益がある(キャピタルゲイン)

株式投資の経済的利益で、最も大きいのが、この値上がり益。株価が値上がりしたとき、その株式を売却することで利益を得ることができる。
例えば、1000円の株式を100株買ったときは10万円だけど、その株式の株価が1500円まで上昇すれば15万円になるので、売却すれば5万円の利益に。株式の利益には20%程度の税金がかかるので、投資家の元には、およそ4万円程度が利益として返ってくる形になる。一般的に、成長性の高い企業に投資した方が、長期的に大きな値上がり益を期待できる。

2.2 株主優待がもらえる

2.2 株主優待がもらえる

株主優待は、企業が自社の株を購入してくれた株主に、優待品を贈る制度。自社商品やサービスが多いけれど、地域名産品、株主限定イベント、寄付などユニークなものも。また、保有株数により、優待内容や量が変わるケースも。
長期的に株式を保有する株主を増やし経営を安定させるため、株主優待を実施する企業は増えていて、優待内容も長い期間保有している株主を優遇する企業が増える傾向に。
優待をもらうには、各企業が定めた権利確定日に株主である必要があり、そのために、一般的に権利確定日の2営業日前までに購入が必要。

2.3 配当金がもらえる(インカムゲイン)

2.3 配当金がもらえる(インカムゲイン)

配当金は、株主に分配される現金配当のこと。株主は持ち株数に応じて、配当金をもらうことができる。
配当金は、会社の利益の状況によってその有無や増減が決定される。支払いは決算の時期に行われるのが一般的だけど、それ以外の時期に特別配当、記念配当が分配されることも。また、会社によっては、利益があっても配当金を支払わない場合や、利益がなくても支払われる場合も。
配当を減らすことを「減配」、配当を出さないことを「無配」といい、減配や無配転落のニュースは、株価にとってマイナスに作用する可能性がある。

3.株式投資の3つのデメリット

価格変動リスクがある

3.1 価格変動リスクがある

株式に投資しても、必ず利益が出るとは限らない。投資した後に株価が下がることで、投資した金額を下回ることも。また、企業の倒産などがあれば、全額が返ってこないケースも。ただ株主の責任は投資した金額の範囲内にとどまるため、出資した金額以上に損をすることはない。

株価が変動する要因は、社会・経済情勢、企業業績、為替変動など多岐にわたり、プロでも予想するのは難しいもの。また、売りたいときにすぐに売れないがために損失が出てしまうことも。

3.2 投資額が比較的高い

株式投資の投資金額は、比較的高額。なぜなら、株式は100株単位で売買するのが一般的だから。例えば、1株1000円の株式の場合、最低でも10万円が必要。その分、株価が上がったときは、大きい利益になり得るけれど、下がったときは大きな損失にもつながる。

金額が大きい分、気軽に投資せず、銘柄を選ぶのに時間と手間もかける必要があるときも。価格変動が資産に与える影響が大きいため、投資するときは慎重な判断をしよう。

3.3 売買のタイミングが難しい

株式投資は一般的に売買のタイミングが難しいもの。上記の通り、株価の変動要因は多岐にわたる上に、価格は証券取引所が開いているときは、リアルタイムで変動する。また、近年はコンピューターによる高速取引も増えていて、短時間で株価が大きく変動することも増えている。

プロの投資家でも売買のタイミングを見極めるのは困難で、大きな損失を出すことも。短期間で投資をする場合の売買タイミングは特に難しく、投資初心者はしないほうがベター。

4.知っておきたい株式投資の専門用語9

チャート

株価チャートは、1日、1週間、1カ月といった期間の株価をグラフ化して見やすくしたもの。グラフとして見ることで、今の株価が高いか、安いかの判断材料になる。また、株価のトレンド(上昇傾向か、下降傾向か)や売買動向(買われ過ぎ、売られ過ぎ)を捉えるために活用することもできる。

出来高

出来高とは、売買が成立した株数のこと。証券会社や投資情報サイトのチャートの下に棒グラフで表示されていることが多い。出来高は株式の人気度を示していて、株式を売買する際の1つの判断材料となる。一般的に知名度の高い東証1部上場企業は、出来高が多い傾向にある。

PER(株価収益率)

今の株価が1株当たりの純利益の何倍なのかを示す指標。これは、今の株価が割安かどうかをチェックする指標として用いられるもの。割安株への投資は投資効率がいいという視点から、割安株投資が株式投資の一手法として広く用いられているため、株式投資を行っている人にとって、必ず確認するといっていい指標になる。

PBR(株価純資産倍率)

今の株価が1株当たり純資産の何倍なのかを示す指標。PERと同様に今の株価が割安かどうかをチェックする指標して用いられる。加えて、現在の株価が企業の資産価値に対して割高か割安かを判断する目安にもなるため、M&Aなどの際に参照される指標でもある。一概にはいえないものの、PBR1倍を下回ると割安とされている。

指値注文

希望する価格を指定し株式を発注する方法。例えば、A株式を1000円で100株買い、B株式を1000円で100株売り、などといった注文。買い注文は、指定した値段以下の売り注文が出れば注文が成立し、売り注文は、指定した値段以上の買い注文が出れば注文が成立する。価格を指定するため、売買が成立しない場合もある。

成行注文

値段を指定しないで株式を注文する方法。値段を指定しないため、株価の動きに左右されず買い注文のときには売り注文が、売り注文のときは買い注文があれば、売買が成立する。その反面、注文が成立するまで、いくらで売買されるかがわからないため、出来高が少ない銘柄の場合などで予想外の金額で売買が成立するおそれもある。

IPO株(新規公開株)

株式会社の上場時に少数の株主に限定されている未上場会社の株式が、新規に投資家に売り出される。この株式がIPO株です。IPO株は、上場の幹事になっている証券会社で購入することができるけれど、誰でも買えるわけではなく、申し込みをして抽選に当たることで買うことができる。IPO株は株価の値動きが短期間で激しく変動する傾向にある。

配当

企業が株主に利益を分配するものが配当で、保有株数に比例して分配される。通常は決算時に分配されるけれど、それ以外に特別配当、記念配当が分配されることも。配当は必ず行われるものではなく、赤字のときや企業の方針によって行われないことも。配当金に関するニュースは株価変動の要因になることが多い。

損切り

投資家が損失を抱えている状態で保有している株式を売却して、損失を確定させること。株式投資でルールを決めるときは最低限、損切りルールを決める必要がある。そのうち価格が戻るだろうと考えて損切りを怠り、大損をするケースが株式投資の場合はよく見られる。株式投資を成功させる上で、損切りは特に重要。

5.初心者が株式投資を成功するためのポイント3つ

5.1 目標とルールを決める

目標やルールの主なものは、銘柄の選び方や売買のタイミング。これらを決めないで投資をすると、行き当たりばったりの投資になり、失敗の可能性が高まってしまう。
特に株価が下がったときの売却タイミングを決めることが大切。例えば、「株価が投資金額から20%下がったら売る」と決めておくなど。そうすれば、大損リスクを抑えられて、損失額の最大があらかじめわかり、精神的にゆとりを持つことができる。

5.2 分散投資が原則

株式投資でリスクを抑えたい場合は、分散投資が有効。具体的な方法の1つは、買うタイミングの分散。上記の通り、株式の売買タイミングの見極めは難しいので、そもそも見極めること自体は止めて、同じ銘柄を複数回に分けて買うというというやり方も。
また、買う銘柄を分散する方法も。特にタイプの違う複数の株式を保有すれば、価格変動が異なるため、価格変動のブレを抑えやすくなる。

5.3 株価を毎日チェックする

毎日株価をチェックすることで、上記の投資の目標やルールに沿って投資できているかを確認できて、お金の管理や経済の動きにも関心を持てるように。
毎日は大変かもしれないけれど、少なくとも株価が急落していないかは要チェック。実際に株価が下がっていると、ショックを受けることもあるかも。ただそこで慌てて売却するのではなく、あらかじめ自分の決めたルールに沿って行動することも意識しよう。

6.初心者が株式投資を失敗しがちなポイント3つ

6.1 株価の上下に一喜一憂してしまう

株価は上がるときも下がるときもあるのが一般的。それに伴って、気持ちも浮き沈みしてしまうかも。そんなときこそ冷静になり、自分の決めた投資の目標やルールに反しないよう気をつけることが大切。そういう心構えを事前に持っておけば、実際に株価が大きく変動したときにも落ち着いて対処することができる。

6.2 人やマスコミの情報に惑わされてしまう

不景気になったときや株価が急落したときに、不安をあおるような情報が増えることも。こういった情報に惑わされず、自分の投資のルールを守ることも重要。
経済や株価の予想はプロでも毎回当てることはできないもの。また、株式相場の動きは後付けでさまざまな解説が出るけれど、これは後付けだからいえること。こちらの情報は、参考程度に留めておいた方がベター。

6.3 株の放置、1つの株式に大量投資

一般的に、株価が下がると株価のチェックが怖くなり、確認を怠ってしまう人も。むしろそういうときこそ、自分の決めた目標やルールに沿って投資ができているか確認し、売却するときは売却することが大切。
また、気に入った銘柄があると、その銘柄に大金を投じたくなるときも。この点、小額で特定の銘柄に集中投資ができる信用取引などもあるけれど、リスク分散の観点から妥当ではなく、投資初心者は避けた方が無難。

7.始めてみよう!株式投資の5ステップ

1.口座開設をする

初心者はネット型証券で口座開設するのがおすすめ。ネットなら口座を作りたいときにいつでも手続きできて、手数料も比較的割安。その中でも、投資に関する情報が豊富か、情報収集しやすいかという視点も証券会社の選択基準にすると◎。また、海外に投資したい場合は、外国株式の取扱いをしているかも確認も必要。
口座は特定口座(源泉徴収あり)で開設するのがおすすめ。この形態で開設すれば、税金の計算と納付手続きは証券会社が代行してくれる。

2.株の銘柄・価格・枚数を決める

口座開設が完了したら、買いたい銘柄をセレクト。次に証券会社のホームページから買いたい銘柄の株価を確認。通常の株式の売買は100株単位なので、100株以上で株数を決め、金額を計算する。
そこまで決まったら、買うのに必要なお金を口座に入金する。一般的にATM、ネットバンキング等で入金が可能(クレジットカード決済なら不要)。金額は手数料や金額のブレを考えて、余裕を持って多めに入金しておこう。

3.買い注文を出す

証券口座への入金反映を確認できたら、買い注文を出す。注文方法は上述の通り、大きく分けて成行と指値の2つがあるので、いずれかを選択。確実に買いたい場合は成行注文、特定の株価で買いたい場合は指値注文を選ぼう。指値注文の場合は注文の有効期間(本日中、今週中など)も入力する。この点、成行注文は、買付金額が多少前後する可能性があり、指値注文は、注文が不成立となり、買えない場合がある点に注意が必要。

4.売り注文を出す

株式を売りたいときは、証券口座にログイン後、売り注文から手続きが可能。その後、売りたい銘柄に間違いがないか確認してから、売りたい数量を決める。売る注文方法は2通り。買いたい場合と同様に確実に売りたい場合は成行注文、特定の株価で売りたい場合は指値注文を選ぶ。指値注文の場合は注文の有効期間(本日中、今週中など)も入力する。指値注文は、注文が不成立となり、売れない場合がある。

5.手数料・税金について

株式の売買には手数料がかかるもの。手数料体系は証券会社によって異なるけれそ、ネット型証券会社の方が比較的割安で、金額によっては無料になる場合も。また、株式は利益から20%程度の税金が徴収される。一般口座、特定口座(源泉徴収なし)は確定申告が必要になるけれど、特定口座(源泉徴収あり)の場合は不要。この場合、手数料に加え利益から計算された税金も差し引かれ、口座に入金される。

8.株式投資に関するよくある質問にFPが回答

株は大儲けor大損というイメージがあるけれど本当?

大儲けするということは、それ相応のリスクを負う投資をしているということですので、投資初心者は狙わない方がいいでしょう。また損切りができていれば、大損はしないので、損切りルールは投資を始める前に必ず決めておきましょう。
>そもそも株式投資って初心者向けに解説

株式投資の初心者はどのくらいの予算で始めたらいい?

余裕資金の範囲内から仮に全額失ってもダメージが少ないと思える金額から始めるといいでしょう。人によって株式投資に出せる金額は異なるので、あくまで自分にとって無理のない金額から始めることが正解です。
>初心者が失敗しないためのポイント

株式投資の情報収集や勉強はどうするのがおすすめ?

口座開設した証券会社で日々さまざまな情報が発信されているので、それらの情報から興味関心のあるものを見てみるとよいでしょう。また、身近な生活での変化を意識して過ごしてみることで、ヒントを得られることもあります。
>投資をするメリットについて

教えてくれた人
佐藤彰(さとうあきら)さん

佐藤彰コーチングFP事務所代表。
ファイナンシャルプランナー。金融機関からの独立を経て情報提供する必要性を実感し、現在は金融商品や保険を販売しない独立系のFPとして活動している。

みんなはどうしてる?働く女性の株式投資事情

どんな投資をしてる?
n=1426 実施期間:2019年9月 オズモール調べ

どんな投資をしてる?

投資をしている人の中では株式投資をしている人が1位に。次いで投資信託、貯蓄型保険などで、意外と周りに株式投資をしている人が多いのかも。
投資は、興味はある人も多いものの「していない」と回答した人が約半数。

N=3209 実施期間:2020年5~6月 オズモール調べ 

興味があっても投資をしない理由は?

投資については、仕組みがよくわからず、知識がないから投資を始められないという人が半数近く。今はWEBなどでも気軽に学べる時代なので、株式投資についても積極的に学んで始めてみるチャンスかも。

【マネー特集】働く女性のお金のハナシ

先行き不透明な時代、多様化するライフスタイル。お金に関して、漠然とした不安は感じるけれど、分からないことだらけ。みんなどうしてるの? 気になるけれど、聞きづらい。情報も多すぎて、どれが私に合っている話なのか、見分けもつかない。そこでOZmallが女性たちに、これから先も“私らしく”過ごしていくために必要なお金の新常識を提案します。

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※記事は2021年8月30日(月)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります

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