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最近話題のポイント投資って?普通の投資との違いやメリット・デメリットについてFPがわかりやすく解説

更新日:2021/07/04

ときどき耳にする、ポイント投資。お金を減らさず投資ができるのはちょっと安心な気がするけれど、どういう仕組みなの? 普通の投資と違う点やメリット・デメリットは? そんなポイント投資に関する疑問を、ファイナンシャルプランナーの佐藤さんに聞いてみました。

現金がなくても買い物などでたまったポイントで投資できる

現金がなくても買い物などでたまったポイントで投資できる

そもそもポイント投資とはどんなもの?
「ポイント投資とは、生活に身近なさまざまなポイントを使って投資ができるサービスです。投資のハードルが高いと感じる人にも、気軽に投資を実践してもらおうと、投資初心者向けのサービスとして作られ、近年とても増えています」と佐藤さん。

ポイント投資にはどんなサービスがあるの?
「ポイント投資には大きくわけて3つあります。
ひとつはポイントそのものを運用するタイプで、auポイント、セゾンカードの永久不滅ポイントを利用したサービスなどがあります。
ふたつ目はポイントを現金化して、本物の金融商品に投資するタイプで、Tポイントなどが該当します。
3つ目は運用と現金化の両方を行うもので、d​ポイント、楽天ポイント、LINEポイントなどが挙げられます」(佐藤さん)

ポイントの運用と、現金化しての投資、それぞれの違いは?
「ポイントそのものを運用する場合は、『お金』を運用しているわけではないので、大きな利益にならなければ税金は取られませんが、ポイントを現金化したポイント投資は、本物の投資になるので、利益に対して税金がかかるという違いがあります。ただ、いずれも小額の投資になるケースがほとんどなので、実際には大きな違いは生じないでしょう。

また、ポイントを現金化したポイント投資は、本物の投資になるため、投資を始めるときは一般の投資と同様に、証券口座を作る必要があります」
証券口座は無料で作ることができるから、どちらの場合でもお金をかけずに始められるそう。

現金化するタイプなら、増えたお金は通常の現金として利用できる

現金化するタイプなら、増えたお金は通常の現金として利用できる

実際、運用してみるとどうなるの?
「一例としてdポイントのポイント投資を例にもう少し説明します。
d​ポイントそのものを使ったポイント投資の場合は、ポイント自体を運用する専用サイトにログインし、いくつかの運用コースなどを選択して、運用を開始します。ポイント投資で増えたポイントは、スマートフォン関連の費用やお買い物に利用できます。

また、dポイントを現金化して投資するタイプのポイント投資なら、ポイントを現金化して入金する証券口座を開設し、100ポイント=100円から、株式を購入することができます。また、通常の証券口座と同じなので、現金を入金して株式を購入することも可能です。利益が出たら、それはポイントではなく現金が増えたことになるので、通常の現金として利用できます」と佐藤さん。

ポイント投資にはどんなメリットとデメリットがあるの?

ポイント投資にはどんなメリットとデメリットがあるの?

「運用や現金化など、細かいタイプの違いこそあれ、どのタイプもポイントを投資に利用できる点は、変わりありません。ポイントが減るリスクはあるものの、手持ちの現金を減らすリスクがなく、手軽に投資を体験できるのは大きなメリットになるでしょう」と佐藤さん。

逆にデメリットはあるの?
「ポイント投資は小額の投資になりがちなので、資産形成には向きません。またポイント運用の場合、投資できる商品が限定されているため、本格的な投資の経験まで得られるかというと、必ずしもそうとはいえません。これらはデメリットといえると思います。

また、ポイント自体も減るのが嫌な方にとっては、ポイントが減るリスクがあること自体もデメリットになり得るかもしれません。そういう方は投資のシミュレーションアプリで、ゲームのように投資を体験する方法もあるので、試してみるとよいでしょう」(佐藤さん)

「投資の入門」としてポイント投資をしてみよう

「投資の入門」としてポイント投資をしてみよう

ここまで話を聞いて、ポイント投資を試してみたいと思ったら、どれを選べばいい?
「ポイント投資にはさまざまなタイプがあり、どれを利用するのか迷ってしまいますよね。まずは、ふだんからポイントを貯めているものなど、自分にとって身近なポイントで始めるのがおすすめです。すでに使っているポイントだからこそ始めやすいですし、投資を身近に感じることができると思います。

また運用と現金化で迷ったときは、ポイントを現金化して本物の投資ができるタイプのポイント投資をしてみるのがおすすめです。小さい金額とはいえ、リアルな金融商品(株、投資信託など)を買ってみることで、投資をより肌で感じることができます。
ポイント投資は小額投資なので、資産形成にはなりませんが、投資初心者が投資に触れて慣れる『投資の入門』として始める意義はあるので、興味のある人は試してみてください」

教えてくれた人

佐藤彰(さとうあきら)さん

佐藤彰コーチングFP事務所代表。
ファイナンシャルプランナー。金融機関からの独立を経て情報提供する必要性を実感し、現在は金融商品や保険を販売しない独立系のFPとして活動している。

【マネー特集】働く女性のお金のハナシ

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先行き不透明な時代、多様化するライフスタイル。お金に関して、漠然とした不安は感じるけれど、分からないことだらけ。みんなどうしてるの? 気になるけれど、聞きづらい。情報も多すぎて、どれが私に合っている話なのか、見分けもつかない。そこでOZmallが女性たちに、これから先も“私らしく”過ごしていくために必要なお金の新常識を提案します。

※記事は2021年7月4日(日)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります