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投資初心者がやりがちな注意点とは?失敗しないためのポイントについてFPが解説

更新日:2021/04/18

日経平均株価が3万円台を記録し、約30年ぶりに株式市場が沸き立っている。最近、株式投資や投信積立を始めて、含み益(=購入時よりも値上がりして、今売却すれば利益が出る状態)を出しているという人もいるのでは? 一方で失敗が怖くて一歩踏み出せずにいる人も多いはず。そこで、投資初心者がやりがちな注意点や、失敗しないためのポイントについて、ファイナンシャルプランナーの氏家祥美さんに、解説してもらいました。

投資ブームに翻弄されないように注意

投資ブームに翻弄されないように注意

投資初心者がやりがちな投資の失敗と言えばどんなことがあるの?
「まずは、投資ブームに乗っかって投資を始めた結果、高値で購入してしまうこと。また、大きく値下がりをしたときに、慌てて安値で売却し損をしてしまうことです。その結果、損失のショックを引きずり、その後は投資をしなくなってしまうことも」と氏家さん。

では失敗しないためにはどうすればいいの?
「初心者が投資で利益を上げるコツは、長期保有をして配当金などを手堅く積み重ねていくなど、コツコツ投資を続けることです。
2008年からのリーマンショックでは、世界の株価が暴落しましたが、その間も投資を辞めずにコツコツ買い続けていた人は、相場が回復し始めたときに早い段階で利益を取り戻していました。投資を辞めずに、株価が下がったときにも買い続けることに、大きな意味があるのです。
今後どこかのタイミングで、株価が値下がりしていくこともあると思いますが、慌てて売ったりせず、株価が下がった後も無理ない範囲で投資を続けることが次のチャンスにつながります」(氏家さん)

投資可能な上限額を決めておき、追加投資しすぎない

投資可能な上限額を決めておき、追加投資しすぎない

さらに氏家さんが気を付けたほうがよいと話すのが、追加投資に関すること。
「保有銘柄が値上がりすると、『もっと上がるのでは?』と追加購入したくなり、保有銘柄が値下がりすると『買い増しのチャンス』と感じて追加購入したくなることも。また、ほかの銘柄も気になりだして新たな銘柄も買いたくなってしまいます。
このように、投資可能予算を決めずに株式投資を始めると、あれよあれよという間に投資金額が増えてしまうことがあります。株価が上がっているときには調子よく感じるこうした行為は、株価が下がり始めると大きく後悔することに」(氏家さん)

そんなことを避けるにはどうすればよい?
「預貯金から新たに個別株を購入する場合には、投資可能な上限額をあらかじめ決めておきましょう。また、株価が上がったときの利益確定売り、株価が下がったときの損切りのルールもあらかじめ決めておくと、ずるずると塩漬け状態(=売るに売れず、そのままずっと持ち続けるしかない状態)にならずに済むでしょう」と氏家さん。

値動きから目が離せずドキドキの毎日!?

値動きから目が離せずドキドキの毎日!?

「投資初心者によくありがちな失敗はもうひとつあり、値動きから目が離せなくなってしまうことです。株価が上がれば喜び、値下がりすれば落胆し、1日中ドキドキしながら株価に翻弄されて時が過ぎてしまいます。
投資は本来、余裕資金を運用してより豊かになるためのものですが、投資を始めたために、目の前の暮らしや仕事に集中できなくなるのでは、本末転倒です」と氏家さん。

ついうい気になってしまいそうだけれど、どうすればいいの?
「資産形成目的の投資なら、価格が上がっても下がって気にしないで、投資信託をコツコツと積み立てていきましょう。上がっても買いすぎない、下がったときに慌てて売らない、むしろ、下がったときこそ買いどきと割り切って次の値上がりをのんびり待つのが、投資で失敗しないためのポイントです」(氏家さん)

教えてくれた人

氏家祥美(うじいえよしみ)さん

ハートマネー代表。
ファイナンシャルプランナー・キャリアコンサルタント。家計の見直し相談や講演活動を通じて、お金の基礎知識を伝えている。お金だけじゃない『幸福度の高い家計づくり』を総合的にサポートしている。zoomなどを使ったオンラインでの家計相談も受付中。

【マネー特集】働く女性のお金のハナシ

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※記事は2021年4月18日(日)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります