改めておさらい。NISAとはどんな制度?
まず改めてNISAとはどんな制度なの?
「NISA(ニーサ)は、個人投資家のための非課税優遇制度です。NISAには大きく分けて3つの種類があり、一般NISA、つみたてNISA、ジュニアNISAに分けられます。この3つの中から、どれかひとつの口座を選ぶことになります。
このうち、一般NISAは、1年あたり120万円の非課税投資枠が設けられ、最大5年間拠出が可能。そのため最大600万円まで非課税で投資できることになります。投資対象は、株式、投資信託、ETF、REITなど。値上がり益や配当金を得た場合、一般の証券口座では利益に対して20%の税金がかかりますが、NISA口座の場合にはこれらの税金が非課税となります」と氏家さん。
では一般NISAとつみたてNISAの違いは?
「つみたてNISAは1年あたり40万円まで、最長20年間拠出できる制度で、これから資産形成をしていく人に向いている制度です。それに対して、一般NISAは、すでに一定以上のまとまった預貯金がある人や、年間の新規貯蓄額が120万円超ある家庭に向いていると考えられます。
5年間の非課税投資期間が終了した後は、新たな資金の拠出はできませんが、新たな非課税投資枠へ投資を引き継ぐ『ロールオーバー』が可能です」(氏家さん)
今から動くのが年内ラストチャンスの理由とは?
それでは2020年の非課税枠を利用しようと思うなら、今がラストチャンスの理由とは?
「一般NISAの場合、非課税枠への拠出限度額は年間120万円×5年間となっています。ここでいう『年間』とは、1月1日から12月31日までを1年間としています。そのため、2020年分の非課税枠を使うには、2020年の年末までに買い付けを終える必要があるのです」と氏家さん。
ではどうして年末ではなくて今から動かないといけないの?
「知っておいてほしいのが、NISAで投資信託を買うまでには結構時間がかかるということ。NISAを始めるには、最初に、選んだ金融機関で『証券口座』と『NISA口座』を開きます。すでに証券口座を持っている人も、NISA口座を開く必要があります。『NISA口座は1人1口座しか作れない』というルールがあり、税務署の審査も入ります。証券会社や混雑状況にもよりますが、口座開設には2週間から4週間程度がかかると思っておきましょう」(氏家さん)
開設まで1カ月もかかることがあるということは、頭に入れておきたい。では、開設後はどんな手続きが必要なの?
「NISA口座が無事に開設できたら、続いて口座にお金を振込みます。口座にお金が入っていないと、注文ができないので気をつけましょう。
投資信託を買う場合、まず購入の申込みをします。基準価額を参考に申込をしますが、正式な購入価格は、申込みの翌日以降に決まります。その後、代金の決済をして投資信託の受け渡しが行われますが、申込み日から受け渡し日まで4営業日から9営業日程度かかります。この日数は選んだ投資信託ごとに異なります」(氏家さん)
2024年からの制度改正でNISAは2階建てに
そのほかNISAに関して知っておいたほうがよいことは?
「NISAは令和2年の税制改正により制度改正が行われ、新規の口座開設が2023年までのところ5年間の延長が決まりました。
2024年からの新制度では、NISAが2段階に生まれ変わります。1階部分の投資枠は年間20万円で、リスクを抑えた積立投資専用の枠となります。投資対象としては、つみたてNISAと同様です。2階部分の投資枠は年間102万円で、こちらは上場株式などへも投資可能です。原則として1階部分の積立投資を行った人だけが、2階部分の非課税枠も利用できることになります。
なお、2023年までにNISA口座を開いた人は、1階の積立部分は不要になります。
5年間の非課税投資期間が終わった後は、一定要件を満たした場合、1階部分についてはつみたてNISAに移管できるようになります」(氏家さん)
教えてくれた人
氏家祥美(うじいえよしみ)さん
ハートマネー代表。
ファイナンシャルプランナー・キャリアコンサルタント。家計の見直し相談や講演活動を通じて、お金の基礎知識を伝えている。お金だけじゃない『幸福度の高い家計づくり』を総合的にサポートしている。zoomなどを使ったオンラインでの家計相談も受付中。
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