まずは初心を思い出して!相場が下がっても慌てない
コロナショックの影響で、日本の株価は2019年末から2020年3月末までの間に20%下落しました。東京オリンピックの延期も決まり、世界的な疫病がいつ収束するのかわからない、そんな状況では投資の継続にも不安を感じている人も多いのでは。
こんなときどうすればいいの?
「まずは、つみたて投資を始めた時の初心を思い出しましょう。みなさんの多くは、リタイアまで10年、20年、30年と長い時間が残されていると思います。投資信託を始めた目的が、老後資金や余裕資金の運用ならば、相場が下がってもあわてず騒がずたんたんと、いままで通り積み立てていきましょう」(氏家さん)
基本はたんたんと買い続ける
「相場が下がったときには、安く買うチャンスです。毎月同じ金額ずつ積み立て購入すると、相場下落時にはいつもより多く買えることになり、平均購入価格を下げることができます。バーゲンセールで、洋服や食料品をまとめ買いしやすいのと似ていますね」と氏家さん。
投資信託はつねに値動きしていくもの。いまは値下がりしていても、時が過ぎれば各国の政府や企業努力が功を奏して、いつかは相場が回復していく。2008年から起きたリーマンショック時も、世界の金融が大きく混乱したが、数年で相場は回復した。
「相場の回復を信じて、今までどおり積み立て購入を続ければ、結果として安く買えたことになり、相場が戻ってきたときに早く利益を出しやすくなります。老後資金としてお金を使うのはまだ先、という方は、今までどおりのスタンスで行きましょう」(氏家さん)
氏家さんによると、NISAや確定拠出年金の積み立て枠がまだ残っていて、手元資金にも余裕があるという人であれば、将来的なリターンを積極的に狙った積み増しを検討してもよいそう。
「相場が下がったときにより多く買っておくと、上昇時に得られる利益が大きくなります。ただし、その上昇がいつごろになるかはわかりませんので、リスクはその分大きくなることも覚えていてください。ぶれないマインドが求められます」(氏家さん)
収入が減った人は減額や積立停止を検討して
コロナショックの影響で、収入が減っている人や積立を負担に感じ始めた人はどうすればいいの?
「つみたてNISAは減額や積立停止ができるので、当面の生活費に不安を感じ始めたら、減額や積立停止も検討しましょう。
また、つみたてNISAを解約したい場合は、口座にログインして、金額を指定すれば一部解約ができます。投資信託は相場を見ながら即日売却をすることができないため、手続きをしてから入金までには数営業日がかかります。なお、口座に残した投資信託はそのまま運用が続きます」と氏家さん。
ではiDeCoの場合はどうすればいいの?
「iDeCoは減額や積立停止はできますが、老後資金目的の税制優遇制度のため、原則として解約は60歳になるまでできません。
また、相場が下がったときの売却は損になります。暮らしに困っているわけではないけれど、投資の継続がとても不安になったという場合には、減額や積立停止で様子を見ることにしても、解約などはなるべくしないほうがいいでしょう」(氏家さん)
教えてくれた人
氏家祥美(うじいえよしみ)さん
ハートマネー代表。
ファイナンシャルプランナー・キャリアコンサルタント。家計の見直し相談や講演活動を通じて、お金の基礎知識を伝えている。お金だけじゃない『幸福度の高い家計づくり』を総合的にサポートしている。zoomなどを使ったオンラインでの家計相談も受付中。
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