固定費の節約のコツは「通信」「保険」「サブスク」の3つ
これからも値上げの傾向は続くのでしょうか?
「データバンクの調査によると、2023年の食品値上げは4月までに1万5000品目を突破する見込みで、8月にも2万品目を超える可能性があることがわかっています。景気の先行きも不透明で、食品以外もまだしばらく値上がりが続きそうな状況です」と、佐藤さん。
「出費には大きく分けて固定費と変動費があります。それぞれの節約の工夫ポイントをお話ししましょう。
まず、固定費で一般的に大きな出費になりがちなのは、通信費や保険費です。
通信費であれば、格安SIM活用、セット割活用(家族で同じ通信会社にする、関連サービスを同じ通信会社にするなど)を活用できれば、大きな節約になります。また、通信費には“隠れ通信費”もあり得ます。それは通信費のオプション契約です。使っていないのに契約したままになっているオプションがないかも、チェックしてみましょう。
保険の場合、複数の保険に加入している際に、保障内容が被っていないかはチェックポイントです。また保険でリスクに備えることは大事なことではありますが、全てを完璧に保険で賄うことは現実的ではありません。必要性が薄く家計を圧迫している保険があれば、解約するのも1つの方法。
さらに、盲点になりがちなのは、サブスクリプションの固定費です。動画などのエンタメサービス、スポーツジムや定期購入サービスなどで使用していない、もしくは使用頻度が低いものがあれば、解約を検討してみましょう」(佐藤さん)
変動費の節約は楽しみながら食費を節約するのがおすすめ
変動費として、まず思いつくのが食費。食費を抑えるチェックポイントは?
「食費の場合、楽しみながら節約する方法が意外とありますので、興味を感じるものがあればやってみるといいでしょう」と、佐藤さん。
「まずは、お買い物する前のチラシやクーポンのチェックです。最近はアプリなどを活用すればで、チラシやクーポンも確認しやすくなっていますので、興味を持ったものがあれば使ってみてもいいでしょう。また、お友達と協力できる方がいれば、共同購入で節約する方法もあります。リアル店舗で会員制のスーパーを利用する方法以外に、最近はネットで共同購入できるアプリもあります。
次に、買った食材の工夫です。ネットでは節約レシピもたくさん探せるので、料理がお好きな方は、楽しみながら作ってみてはいかがでしょう。また、食材の無駄をなくしていくことも大切です。それを、捨てた食材の値段をチェックしてそれをどれだけ減らせるか、ゲーム感覚で楽しむのも1つの方法です。食材の無駄をなくすには、スーパーに行く曜日や時間を固定にしたり、冷蔵庫の中を把握しやすいように工夫したりする方法があります」(佐藤さん)
食費以外に、あまり自覚はないけど、気づいたら使っているということも。
「盲点になりやすいのが、コンビニなど小さい金額の買い物です。私自身、家計簿をつけるとき、こういった買い物の金額を付け忘れていたことがあり、後で気がついたら大きな出費になっていたことが過去にありました。毎日利用すれば、散りも積もって大きな金額になりますので、こういった出費で散財していないかは特にチェックポイントです。
あとは日用品を買うときの100均の利用もあなどれません。最近は品質も上がっていますし、意外なものが手に入ることもあります。服もフリマアプリを活用すれば、思わぬ掘り出し物を安く購入できることもあります。さらに、買った後に売ることで収入を得ることもできるかもしれません」(佐藤さん)
ポイ活や推し活は節約で疲れた気持ちを救う?
とはいえ、節約のことばかり考えていると、ちょっと疲れてしまうかも・・・。
「ここまでは出費を減らす節約方法でした。おっしゃるとおり、減らす事ばかり考えていたら苦しくなりますよね。
そう感じる方におすすめしたいことの1つが、ポイント活用です。特に新しいクレジットカードは、利用者を増やしたいという思惑から他社よりもお得なポイントをつけることがあります。また、QR決済サービスではPayPayなど、数10%のキャンペーンを実施することもあります。こういったポイントの活用をすれば、実質的に節約になります。もちろん、ポイントを稼ぐために時間や手間をかけ過ぎてしまえばストレスになりますので、無理のない範囲内でやってみてください。
あとは、使うお金の効果を高めるのもおすすめです。例えば、好きなアーティストのコンサートに行ければ『1カ月間仕事が大変でもがんばれる!』などと感じるかもしれません。この場合なら、好きなアーティストのコンサート代金は、その代金以上の価値のある使い方だといえます。このように、金額以上の価値を感じられるお金の使い方をすれば、それも広い意味での節約です」(佐藤さん)
節約もメリハリをつけてチャレンジしたいもの。ストレスをためずに楽しみを見つけながら工夫してみることが大切!
教えてくれた人
佐藤彰(さとうあきら)さん
佐藤彰コーチングFP事務所代表。
ファイナンシャルプランナー。証券会社の人材育成部門を経て独立。金融商品や保険を販売しない独立系FPとして活動。FP以外に米国のコーチ資格を持っており、お金だけでなく、こころにも配慮した対応を大事にしている。個人の方向けの相談業務に加え企業研修にも取り組む。2023年1月に『“こわい”がなくなる投資1年生の教科書――マネトレ投資法で始める資産形成』を出版。
【マネー特集】新・ライフスタイルのお金と暮らし
先行き不透明な時代、多様化するライフスタイル。お金に関して、漠然とした不安は感じるけれど、分からないことだらけ。みんなどうしてるの? 気になるけれど、聞きづらい。情報も多すぎて、どれが私に合っている話なのか、見分けもつかない。そこでOZmallが女性たちに、これから先も“私らしく”過ごしていくために必要なお金の新常識を提案します。