コロナ禍でペットを飼う人、かかるお金などどんな変化があった?
コロナ禍でペットを飼いはじめたという声をよく聞くけれど、実際どうなの?
「一般社団法人ペットフード協会の令和2年全国犬猫飼育実態調査によると、コロナ禍の変化として、1年前(1年以内も含む)から犬・猫を飼いはじめた人の割合は、19年から微増しています。犬も猫も飼いはじめた理由のメインは『生活に癒し・安らぎが欲しかったから』『過去に飼育経験があり、また飼いたくなったから』といったものが多いです」(佐藤さん)
かかるお金に変化はあった?
「アニコムホールディングス株式会社のアニコム動物白書2020によると、犬の1年間の飼育費は平均で約31万円(小型犬:約29万年、中型犬:約31万 大型犬:45万円)、猫は約16万円となっており、いずれも前年度を下回っています。
新しく飼う人が増えた結果、ペット費用に敏感になっている人も一部にいるのかもしれません」と佐藤さん。
ペットの一生にはどのくらいお金がかかる?
ペットを飼ったらどれくらいお金がかかるものなの?
「一般社団法人ペットフード協会の調査によると、犬の平均寿命(小型犬の方が寿命が長い)は約14.5歳、飼育費用平均が約207万円で、猫は15.5歳、飼育費用平均が約124万円です。1年では極端に大きな出費にはならなくても、一生涯で考えると安い出費とはいえません。
また、動物愛護法では、飼い主に繁殖防止義務があり、犬や猫を飼う場合に避妊去勢手術などの措置が必要となります。また、犬を飼う場合は、狂犬病予防法の観点から、毎年狂犬病予防注射を受けなければならないとされています(自治体によっては費用の助成あり)」と佐藤さん。
また上記のお金のほかにも気をつけたほうがよいものがあるそう。
「エサ代など新しく発生する費用だけではなく、今払っている費用が増えるものもあるので注意が必要です。
代表的なもので、光熱費があげられます。自身が外出している間もペットのためにエアコンをつけておくなど、小さいペットでも意外と光熱費がかさむことがあるので、注意しましょう。
さらに、意外と忘れがちですが、ペットのための震災対策の費用もあります。例えば、ケージ、キャリーバッグなどのペット用避難用具の準備や、ペットフードの備蓄などが必要でしょう」(佐藤さん)
さらにペットは病気になることも。ペット保険には入ったほうがいいの?
「ペットの治療費の場合、人間と違って公的保険が利用できませんが、計画的に貯蓄をしていれば、事前に用意可能な金額です。
『生活防衛資金が用意できていない』、『万が一高額な治療費が必要になったら心配』という方を除けば、必ずしも保険に加入する必要はありません」
自分だけでなく、ペットにも万が一のための費用を事前に用意しておこう。
ペット費用の節約はほどほどに
ペットに関する費用を節約するポイントは?
「まずペットショップ以外で、ペットと出会う方法を検討してみてはいかがでしょうか。知人や保護施設などから譲り受けるという方法もあり、動物愛護の観点はもちろん、費用面でも節約につながります。
また、エサの管理には注意しましょう。自宅で過ごす時間が長くなり、それに伴いエサを与える頻度が多くなる人もいるようです。『かわいいから』とエサを与えすぎてしまうと、飼育費が上がってしまうだけでなく、病気の元にもなりかねないので、注意しましょう。
また、ペット費用の節約を意識することも重要ではありますが、それがペットにとってストレスになっては元も子もありません。ペット費用以外での節約も検討するなど、全体のバランスも大事にするとよいと思います」(佐藤さん)
教えてくれた人
佐藤彰(さとうあきら)さん
佐藤彰コーチングFP事務所代表。
ファイナンシャルプランナー。金融機関からの独立を経て情報提供する必要性を実感し、現在は金融商品や保険を販売しない独立系のFPとして活動している。
【マネー特集】働く女性のお金のハナシ
先行き不透明な時代、多様化するライフスタイル。お金に関して、漠然とした不安は感じるけれど、分からないことだらけ。みんなどうしてるの? 気になるけれど、聞きづらい。情報も多すぎて、どれが私に合っている話なのか、見分けもつかない。そこでOZmallが女性たちに、これから先も“私らしく”過ごしていくために必要なお金の新常識を提案します。