今年のふるさと納税は今年のうちに
ふるさと納税は、本来自分の住んでいる自治体に納める税金を、自分で選んだ他の自治体に代わりに納める制度のこと。自治体によっては、納税のお礼に「返戻品」を送ってくれることもあり、ネットショッピング感覚でふるさと納税を楽しむ人が増えているそう。
ふるさと納税は今、手続きをしたほうがいいの?
「税金は、暦年(1月1日~12月31日)を1年として考えます。ふるさと納税で得するためのふるさと納税上限額は、その人の年収や家族構成によって異なりますが、その上限額を左右するのが、12月31日までの年収です。年収が確定する12月の段階で、まだふるさと納税の枠が残っているようであれば、駆け込みで手続きをしてしまいましょう」(氏家さん)
生産者を支援する「緊急支援品」が狙い目
ふるさと納税をする際におすすめの自治体や品物はある?
「よりお得を目指すなら『緊急支援品』が狙い目です。自治体ごとの返戻品競争を避けるため、総務省の指導で返戻品は『寄付額の3割以下』となっていましたが、農林水産省が新型コロナウイルス対策で補助事業を行っていることを受け、一時的に返戻品を通常よりも増量したり、寄付額を通常よりも低価格に設定したりしています」(氏家さん)
家族が少ないと、大量に食品をもらっても困ってしまうけれど、どうすればいい?
「『食品を一気にもらっても食べきれない』と心配する必要はありません。納税してすぐに届く返戻品もありますが、野菜や果物など旬がある食べ物の多くは、その収穫時期にあわせて送られてきます。つまり、今年納税しても、返戻品が届くのは来年の収穫時期ということに。そのほか、お米やお酒、旅行券など日持ちのする返戻品もあります」と氏家さん。
ふるさと納税の注意点
ふるさと納税の注意点はある?
「ふるさと納税は、寄付をして返戻品をもらって終わりではありません。税金の還付を受ける手続きをすることで自己負担を2000円に抑えられますが、手続きを忘れてしまうと、得するどころか『単なる寄付』になってしまいます」と氏家さん。
ではどんな手続きが必要なの?
「税金の還付を受ける方法は『確定申告』か『ワンストップ特例制度』のふたつです。納税先を5つ以内に絞って『ワンストップ特例制度』を選択した人は、自治体から送られてきた『寄附金税額控除に係る申告特例申請書』に必要事項を記入して、マイナンバーカードのコピー等と一緒に寄付先の自治体に返送しましょう。この書類の受付は年明けの1月10日頃までが締め切りとなっています。年内に忘れずに送付しましょう。
なお、ワンストップ特例制度を選択していたにもかかわらず、寄付先が5つ以上に増えた、医療費控除を受ける、住宅ローン控除を受けるなどさまざまな理由で確定申告が必要になった場合には、ふるさと納税についても確定申告を行います。確定申告をすれば、それまでに行っていたワンストップ特例制度の手続きは自動的に取り消されます」(氏家さん)
教えてくれた人
氏家祥美(うじいえよしみ)さん
ハートマネー代表。
ファイナンシャルプランナー・キャリアコンサルタント。家計の見直し相談や講演活動を通じて、お金の基礎知識を伝えている。お金だけじゃない『幸福度の高い家計づくり』を総合的にサポートしている。zoomなどを使ったオンラインでの家計相談も受付中。
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