おひとりさまは「老後の安心」もポイントに。マンションの資産価値で気を付けたいことって?
オズモールのアンケートによると、単身で不動産を購入した理由は、「家賃がもったいないと感じるようになった」が46.1%と約半数。次に「老後の安心のため住まいを持ちたいと思った」が41.5%、「資産を持ちたいと思った」が38.5%。家賃を払い続けるのがもったいないという考えと、老後などのために資産を用意しておきたいという考えの人が多いよう。では「おひとりさま」でマンションを購入した場合、どういう選び方をすれば資産になるの?
「やはり人気のある街であること、そして駅に近いところは資産価値が下がりにくいですね。理想は駅から5分~10分以内で歩けるところ。徒歩15分以上かかるところや、バスを使う場所などは、人気がいまひとつです。駅から遠い新築よりも、駅から近い中古のほうが評価が高い=価格も高かったりしますので、駅からの利便性が大切といえるでしょう」と植田さん。
もちろん新築物件の人気は依然として高いが、郊外で駅から遠い場所にある新築より、都心部で利便性の高い中古のほうが、資産価値が目減りしないケースも。特に単身者は仕事をもっていたり多忙だったりするケースが多く、単身者向け物件には通勤の便や、近隣の飲食店の多さなども求められることも多いよう。新築・中古だけではなく、生活の利便性とセットにした考え方が、資産として考えるときには大切なようだ。
利便性の高い街が人気。購入後に独身でなくなっても、選択肢はたくさんある
それでは、実際にはどんなエリアや街が、おひとりさまには人気なの?
「麻布十番などは、ひとりでマンション購入する女性にはずっと変わらず人気が高いですね。でもそういったおしゃれなイメージの場所でなくても、最近では蒲田や葛西でマンションを購入された単身女性もご案内したばかりです。葛西は東西線で日本橋まで直通で行けるなど通勤の便はいいですし、蒲田も物価が安くて店舗も多く、暮らしやすい街。足立区なども最近はタワーマンションなどがたくさんでき、イメージアップして選ぶ人も増えています。街や区のイメージや先入観だけで決めず、通勤の便や暮らしやすさを吟味して、選ぶ人が多くなっているようです」と植田さん。
また、ひとりで暮らすつもりで買ったけれど、その後結婚することになる場合も。そんな場合には、みんなどうしてるの?
「1LDKくらいの広さがあればそのまま一緒に住み続け、子どもができたらそのときに買い替えを考えることもできます。そのころになればローンも減っていて、買い替えが可能になることも多いです。でもローンがまだたくさん残っている場合には、人に貸して家賃を返済にあて、自分たちはパートナー名義での物件購入や、賃貸に住むというケースも多いですね。ライフステージにあわせてさまざまな対応は可能ですので、不動産ショップの方もそのときに合った方法をいろいろ提示してくれるはず。もっと気楽に、選択肢のひとつとして考えて大丈夫だと思いますよ」(植田さん)
一生に一度の大事、とガチガチに考えるのではなく、そのときのライフスタイルに合わせて、柔軟に考えることもできそうだ。
住宅ローンを利用するなら、物件の広さにもご注意。女性ひとりでもローンは利用できる傾向に
ひとりで購入するとき、もうひとつ気になるのがお金のこと。そもそもローンって、どのくらい借りられるの?
「一般的には年収の5~7倍を借りる人が多いですが、気を付けたいのは住宅ローンを利用したい場合です。すべてのローンの中で、住宅ローンが一番金利が安く優秀なので、皆さん利用したいもの。しかし住宅ローンが利用できる広さや間取りの制限があります。ひとり用のコンパクトなサイズで30m2以下の物件だと、住宅ローンが利用できないこともあります」(植田さん)。
頭金を用意はできても、実際にはローンで年数をかけて支払う人が多数派。後で後悔しないように、物件の広さなどには注意したい。
また、女性ひとりでもローンを利用できるかも気になるところ。「女性専用の住宅ローンがあったりと、男性よりも女性のほうが、ローンが組みやすいこともあります。最近ではフリーランスの方でもローンが通りやすくなったり、以前よりローンは利用しやすくなってきていますよ」(植田さん)
女性ひとりでも住宅ローンを利用できる可能性は高いようで一安心。いつか家が欲しいと思っている人は、一度WEBなどでシミュレーションをしてみては?
教えてくれた人
植田裕加さん
全国で659店舗展開する、不動産ショップ「ピタットハウス」スタッフ。売買、賃貸と不動産のことならオールマイティに対応してくれる。女性ならではの感性・細やかさを活かした住まい選びへのサポートに定評がある。人それぞれのさまざまなライフスタイルにあわせた提案をしてくれるので、ぜひ相談に訪れてみて。
【マネー特集】働く女性のお金のハナシ
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WRITING/HIROKO KUROKI