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わからないことだらけの家の購入。まず知りたいのは、「新築」がいい?「中古」がお得?

更新日:2020/06/05

オズモールのアンケートによると、不動産購入経験者は約3割。お金や家選びなど、あまり事前に情報がなくて苦労したという人も多いよう。
中古と新築ってどっちが価値が高いの? メンテナンスされているか見極める方法って? そんななかなか不動産屋では聞きづらいけれど、いつか家を買うときのために、知っておくと損しないポイントについて、ピタットハウスで住まい選びをサポートする植田裕加さんに教えてもらいました。

中古より新築のほうが、価値が高いとは言い切れない!? 中古でも駅近は評価が高いことも

中古より新築のほうが、価値が高いとは言い切れない!? 中古でも駅近は評価が高いことも

今回はマンション購入を考えたときにまず最初に迷うこと、「新築にする?中古にする?」というお悩みについて伺った。新築のほうがきれいそうだけど、高そう・・・まず、どれくらいの不動産が自分には買えるの?
「一般的には年収の7倍くらいの価格まで、と言われます。安全を考えると年収の5~7倍の範囲くらいで考える方が多数です」と植田さん。不動産の価格には新築か中古かだけでなく、広さや立地、駅からの距離なども関わってくる。
「みなさん、いきなり知らない街に住もうとは考えませんよね。実家や通勤などで知見のある場所のなかから住みたいエリアを絞っていって、条件に合うものを探していくことが多いです。一般的には新築の価値が高いといわれますが、駅から遠い新築より、駅から近い中古マンションのほうが価値が高いこともあります。また、中古でも人気の駅にあると地価が下がらないので資産価値もキープできる、というようなケースもあります」(植田さん)

中古より新築のほうが資産価値が高い、とは一概には言い切れないよう。
「中古か新築かで絞ってしまうよりも、住みたい街にあるか、街の雰囲気や通勤の便、駅からの近さなどの条件と並べて、欲しい物件を考えたほうがよいと思います」(植田さん)

中古の場合は、メンテナンスの具合や履歴は要チェック。後で後悔しないために、管理会社も確認しておこう

中古の場合は、メンテナンスの具合や履歴は要チェック。後で後悔しないために、管理会社も確認しておこう

中古の場合、気になるのが修繕がしっかりされているかなどメンテナンスの問題。自分でもちゃんと見極められる?
「中古の場合、傷み方は売主様の家の使いかたにもよるので、しっかり家の中を見てリフォーム費用を考える必要があります。マンションでは修繕のための積立をしているので、過去の修繕履歴や今後の修繕計画をチェックすることが大切です」と植田さん。

配管など目に見えないところも、あまり古すぎる物件だと、その後変えなくてはならないケースもあるそう。
「配管は築10~20年くらいなら問題ないですが、それ以上に古い物件では、古くなって取り換えなくてはならなくなることもあります。その場合、壁を取り払って配管を交換するので、数百万円かかることも。築年数や、過去にメンテナンスしているかどうかもチェックしておきたいですね」(植田さん)

また、メンテナンスや修繕等の提案を行うのは管理会社なので、管理会社もチェックしておいたほうがいいとか。
「枯れ葉が散らかったままだとか、ゴミ捨て場が荒れているなど、見た目がダメなところは、管理会社がしっかりしていないことが多いですね。そういうところでは、修繕のための積み立ても計画的にできていないことや、メンテナンスが行われていないことも。どこがどのように管理しているのか、事前に確認しておいたほうがいいでしょう」と植田さん。
しかし、逆に24時間管理など、管理はしっかりしているが、管理費が高いところもあるのがネック。「エリアによっては管理費だけで6万円というところなどもあります。管理の具合と値段とのバランスも、マンション選びのひとつの参考にしたいですね」(植田さん)

税金や諸費用の面でも違いあり。控除を受けるためには、メンテナンスや物件面積の確認をしておこう

税金や諸費用の面でも違いあり。控除を受けるためには、メンテナンスや物件面積の確認をしておこう

住宅の価格以外にも不動産購入でかかってくるのが、税金。税金は、新築と中古で違いがあるの?
「住宅ローン減税といって、マイホームをローンで購入した場合、所得税が控除される制度があります。しかしながら、中古で築25年以上の古い物件だと、この控除が受けられない場合があります」と植田さん。長年にわたるローンの場合、控除も大きくなるので覚えておきたい。ただ、築25年以上の古い物件でも、しっかりとメンテナンスがされており、耐震基準適合証明書が取得できれば、控除を受けることができるんだとか。上の記事で紹介した、修繕を確かめておくことはここでも必要となりそう。

「また新築でも中古でも、控除を受けるには、50m2以上の住宅でないといけません。ここで気を付けたいのは、物件のパンフレットなどでは壁の中心から測った面積で表記しますが、登記書類では、計測方法に違いがあります。50m2以上あると思って決めたのに、登記上では50m2に届かなかったため、控除がうけられなかったというケースもあるのです」(植田さん)
52~3m2など、50m2ギリギリの物件だと、登記上で数値が50m2以下となることもあるため、控除をしっかり受けるなら、確認しておきたい。

税金のほかにも、費用などの面では違いはあるの?
「新築の場合には、一定の条件を満たせば、固定資産税が最初の3年間半額になる特例が受けられます。さらに、中古の場合には仲介手数料が3%かかりますが、新築だとこれがかかりません。こういった理由で諸費用の面では、新築のほうが安いとも言えます」と植田さん。
費用の面では新築に軍配があがるところも。
「しかし新築の場合には、まとまった修繕積立金を事前に支払わなければならないのも大きいですね。中古の場合は、積立金は前の持ち主の支払ったものを引き継げます」(植田さん)
どちらにも、利点とマイナスは存在するよう。全部を覚えておくことができなくてもこのような注意点があることを頭にとどめておき、不動産屋の説明などを聞き逃さず、しっかり確認するようにしたい。

教えてくれた人

植田裕加さん

全国で659店舗展開する、不動産ショップ「ピタットハウス」スタッフ。売買、賃貸と不動産のことならオールマイティに対応してくれる。女性ならではの感性・細やかさを活かした住まい選びへのサポートに定評がある。人それぞれのさまざまなライフスタイルにあわせた提案をしてくれるので、ぜひ相談に訪れてみて。

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WRITING/HIROKO KUROKI

※記事は2020年6月5日(金)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります