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【毎月着実に貯蓄するためには?】貯蓄の理想は収入の●割!知っておきたい基本についてFPが解説

更新日:2020/03/05

毎月限られた収入を上手に割り振りするために、貯蓄や生活費などの割合はどのような形がよいの? 知っておきたい基本について、ファイナンシャルプランナーの西山美紀さんにお話を聞きました。

生活費の割合の前に、とにもかくにも貯蓄を確保

生活費の割合の前に、とにもかくにも貯蓄を確保

収入から使うお金の割り振りを考えようと思うと、先に食費がいくら、水道光熱費がいくら、洋服代や美容代にいくらといったことを考えがちだけれど、西山さんによると真っ先に考えたいのが、貯蓄の確保なんだそう。

「なぜなら、欲しいものを考えていると無限大に広がっていき、貯蓄をすることが後回しになってしまうから。目安としては、まずは手取りの1割以上。実家暮らしなら2割以上をめざしましょう。貯金をがんばれるという人は、1人暮らしなら2割、実家暮らしなら4割ほどをめざしてみて」(西山さん)

貯め方のコツはあるの?
「毎月お給料が入るたびに、わざわざ貯めようと思うと面倒なので、毎月自動的に貯められる仕組み(財形貯蓄や自動積立定期預金など)を設定してしまいましょう。
またボーナスは、できれは半分、難しければ3分の1を、先に貯めてしまうのがおすすめ。会社の業績などによってボーナスは大きく変わり、急に出なくなるということも。『ボーナスが出たらラッキー』というくらいの気持ちで、ボーナスが出たらまずは貯めてしまい、残ったお金を使うようにしたいですね」と西山さん。

また、最近気になる人が多い「投資」はどう考えればいい?
「いきなり大きな失敗をしてしまうと大変。今はネット証券を中心に、投資信託の積み立てなら月100円からでもできます。投資初心者さんなら、月100円~1000円くらいで、まずは小さな金額から始めてみてください。つみたてNISAにラインナップされている投資信託は、手数料が比較的低めのものが多いのでおすすめ。投資の経験を積んだうえで、勉強しながら金額を増やしていくようにしましょう」(西山さん)

住居費は手取りの3割未満が目安

住居費は手取りの3割未満が目安

では貯金を確保したらどうすればいいの?
「まず考えたいのは、一番大きな出費ともいえる、家賃です。家賃などの住居費は、手取り月収の3割未満に抑えるのがコツ。毎月必ずかかる大きな固定費なので、家賃があまりにも高いと、自由に使えるお金が少なくなってしまうから。とはいえ、地域によっては防犯の面などで不安な場合もあります。女性の1人暮らしなら、オートロックや2階以上など、安心面で譲れない条件もあるかもしれません。そのため、どうしても家賃が高くなる場合は、他の出費を抑えるようにしましょう」と西山さん。

それ以外の食費、外食費、交際費、通信費、交通費、水道光熱費、日用品代、習い事代、洋服代、美容代などはどう考えればいい?
「私はこれらは『手取り月収の何%未満にしましょう』という細かい金額のアドバイスは基本的にお伝えしておりません。なぜなら今は人によって生活スタイルが異なり、どこにお金をかけたいかは、その人の自由だと考えるからです」と西山さん。

ただし無駄な出費は避けて、本当に使いたいところにお金を使うか、貯金分を増やせるなら増やして、未来に使うお金へとまわしたいもの。どのように見える化すればいい?
「自分がイメージする金額と同じくらい使っているかどうか、まずは各項目それぞれの金額についてどれくらいかイメージをしてみた後に、1カ月分の出費をつけてみしょう。家計簿アプリなどもあり、クレジットカードや電子マネーなどと紐づければ比較的簡単にチェックできます。すると『このお金はもっと抑えて、こちらに使いたいな』という自分なりの割り振りが見えてくるはずです。『洋服はたくさん買いたいから、会社には毎日お弁当を持っていき、食費・外食費を抑えている』『旅行に行きたいから、普段の美容費は抑えめに』という女性もいます。
自分にとって何が大切かをしっかり見極めることで、限りあるお金を大切なところで使うようにしていきましょう」(西山さん)

ライフステージによって「貯めどき」「使いどき」がある

ライフステージによって「貯めどき」「使いどき」がある

そのほかお金について考えておくべきことはある?
「長い人生、ライフステージによってお金を貯めやすい時期と、大きなお金を使いたい時期のふたつに分かれます。
まず、お金を貯めやすい『貯めどき』は人生で3回あります。シングルで自由に使えるお金がある時期、結婚して子どもに大きな教育費がかかるまで(小学校中学年くらいまで)の時期、そして、子どもが独立してから夫婦が仕事を引退するまで、この3つがお金の『貯めどき』です。

一方で、最近は中学受験をする子どもも増え、小学校高学年からは大きな教育費がかかるようになり、大学卒業くらいまで大きな出費は続きます。また、夫婦が仕事を引退した後も、『お金を使う時期』になります。

ですので、『貯めどき』では、それを意識してしっかり貯めるようにして、来る『使うとき』にしっかり使えるようにしていきたいもの。『自分の未来へ仕送りをする』というイメージだと、貯金に対して前向きな気持ちが生まれるのでおすすめです」と西山さん。

ただし西山さんによると、仕事と育児の両立で悩みやすい小学校中学年くらいまでの時期は、共働き家庭の場合、貯めどきでもあり使いどきでもあるそう。両立に悩んで仕事を辞めてしまうのではなく、保育や家事代行サービスなどをうまく活用しながらキャリアを継続することで、生涯年収が結果的に上がり、老後資金も増える。

では貯めどきを逃さないための注意点は?
「シングル時代から、結婚して共働きになると、子どもが生まれるまではお金に余裕が生まれ、ついつい散財しがちになるということ。生活費を一度たくさん使うようになると、後から金額ダウンをするのはなかなか大変。夫婦共働きで貯めどきの時期は、夫婦それぞれが2割以上は貯めておくようにして、残りを楽しく使うようにしたいですね。結婚してすぐにそのルールにしておけば、スムーズにお金が貯まるようになり、理想のマイホームや車を手に入れたり、子どもが生まれた後に、夫婦や子ども自身が希望する教育ができたりと、その後の人生がより豊かになるはずです」(西山さん)

教えてくれた人

西山美紀さん

出版社で編集・マーケティングを経験後、独立してファイナンシャルプランナーの資格を取得。単に貯蓄額を増やすのではなく、うるおいのある毎日になるためのお金の貯め方・使い方について女性誌やWEB等で発信中。著書『お金が貯まる「体質」のつくり方』(すばる舎)。男女の子を持つ二児の母。

【マネー特集】働く女性のお金のハナシ

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※記事は2020年3月5日(木)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります