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【QRコード決済、キャッシュレス決済って実際どうなの?】増税後の決済事情を初心者向けにFPが解説

更新日:2020/02/27

2019年10月の消費税増税のタイミングに合わせて、キャッシュレスポイント還元制度がスタート。それにより、中小小売店でキャッシュレス決済をしたら5%、フランチャイズ店舗では2%がポイント還元されることに。一方で、電子マネー、クレジットカードに、スマホを使ったQRコード決済など、決済の多様化に戸惑いの声も。キャッシュレス決済事情について、ファイナンシャルプランナーの氏家祥美さんに教えてもらいました。

そもそもキャッシュレス決済って?

そもそもキャッシュレス決済って?

そもそもキャッシュレス決済にはどんなものがあるの?
「現金を使わないキャッシュレス決済には、『前払い』『即時払い』『後払い』の3タイプがあります。前払いの代表格は、事前にチャージして使う電子マネーがあります。交通系や流通系の電子マネーを持っている人は多いでしょう。即時払いは、銀行口座の残高からその場で引き落としになるデビットカードがあります。後払いの代表格は、クレジットカードです。銀行口座残高の有無にかかわらず買い物ができ、翌月に引き落とされます。スマホを使ったQRコード決済は、入金の仕方によって前払い、即時払い、後払いの3つの利用方法が選べます」(氏家さん)

ではキャッシュレスポイント還元制度とは?
「政府は現金決済から、キャッシュレス決済への移行を促すため、キャッシュレスポイント還元制度を始めました。2019年10月1日から2020年6月30日までにいずれかのキャッシュレス決済をおこなうと、後日ポイントが還元されるという制度です。大手百貨店や全国チェーンのスーパーなど大型店は対象外で、中小小売店では5%、フランチャイズ加盟店では2%が戻ります。基本的には、翌月以降に各決済手段のポイントで還元されますが、コンビニではその場で2%分を割引という独自の還元スタイルをとっています」と氏家さん。

交通系電子マネーの利用頻度が高いという結果に
n=1426 アンケート実施期間:2019年11月 オズモール調べ 

交通系電子マネーの利用頻度が高いという結果に

OZmallのアンケート結果によると、Suicaなど交通系電子マネーは「とてもよく使った」「よく使った」の合計が50%超と、高頻度で利用されているよう。増税前の調査では、26.9%だったので、増税後に利用率がかなり増えていることがわかる。交通系以外の電子マネーでは、nanaco、waonといった流通系が人気だった。

「増税後に利用者が急増した理由には、大手コンビニ4社が実施している2%その場で割引策が影響していると思われます。後払いのクレジットカードや、QRコード決済はハードルが高いという人も、電車に乗るときに交通系電子マネーを利用している人は多いもの。その場で2%割引してくれるコンビニは、後日ポイントで還元に比べて、その場で『お得』が見えやすく、キャッシュレス決済を試しやすい場となっています」と氏家さん。

QRコード決済はpaypay、LINEpayが人気
n=1426 アンケート実施期間:2019年11月 オズモール調べ 

QRコード決済はpaypay、LINEpayが人気

電子マネーに比べると、QRコード決済の利用者はまだ少ない状況という結果に。QRコード決済・バーコード決済に登録していないという人が56%あり、「とてもよく使った」「よく使った」という人は合わせて13.1%にとどまった。

「QRコード決済は、店舗側にとってクレジットカードよりも導入コストや手数料が安いというメリットがありますが、利用者にとっては、お店ごとに利用可能なQRコード決済が限られる、店舗によってはレジで時間がかかるなど、まだ発展途上の状況です」(氏家さん)

そんななか、読者が多く利用しているQRコードは、PayPay、LINEPay、楽天Payの順。10月のポイント還元キャンペーンスタート当初は、大々的なテレビCMをしたり、独自の大規模なポイント還元を行ったりと、話題性の多かったものが並んだ。
すぐに使い始めてキャンペーンの恩恵を受けた人がいる一方で、なかなか始められなかった人が多かったことがわかる。

QRコード決済のメリットとは?
「独自のポイントが貯まったり、クーポンがアプリに配信されたりと、現金よりお得に買い物ができることが多いのが、わかりやすいメリットですね。またスマホ上に利用履歴が残るので、使い過ぎをチェックするなどお金の管理がしやすいのも、メリットと言えるでしょう」と氏家さん。

消費税が上がっても節約意識に変化なし

増税後に「節約意識が高まった人」と答えた人は8%とごくわずか。約60%の人が増税後も節約意識は変わらないと答えている。その理由は、キャッシュレスポイント還元制度。31%の人が増税後に「ポイント還元のためのキャッシュレス決済を積極的に利用するようになった」と回答した。

「ここで注意したいのが、ポイント還元制度は、2020年6月末で終了する期間限定制度だということ。増税後、キャッシュレス決済の便利さに慣れてきた私たちですが、近頃支出が増えていると感じる人は、ポイント還元が終わった2020年7月以降が本当の正念場と言えそうです」と氏家さん。

ではキャッシュレス決済を上手に活用するコツは?
「1つ目は決済手段を厳選すること。そして2つ目が家計簿アプリやQRコードの決済履歴などで、支出を管理することです。
自分のよく行くお店で使える決済、自分の行動範囲でポイントがたまり、貯まったポイントを買い物で再び使いやすい決済手段に絞っていきましょう。キャッシュレス決済は、スマホに買い物履歴をデータで残しやすいので、支出が増えすぎていないかこまめにチェックする習慣づけを」(氏家さん)

教えてくれた人

氏家祥美(うじいえよしみ)さん

ハートマネー代表。
ファイナンシャルプランナー・キャリアコンサルタント。家計の見直し相談や講演活動を通じて、お金の基礎知識を伝えている。お金だけじゃない『幸福度の高い家計づくり』を総合的にサポートしている。

【マネー特集】働く女性のお金のハナシ

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先行き不透明な時代、多様化するライフスタイル。お金に関して、漠然とした不安は感じるけれど、分からないことだらけ。みんなどうしてるの? 気になるけれど、聞きづらい。情報も多すぎて、どれが私に合っている話なのか、見分けもつかない。そこでOZmallが女性たちに、これから先も“私らしく”過ごしていくために必要なお金の新常識を提案します。

※記事は2020年2月27日(木)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります