まず確認したいのが「契約アンペア数」
電気代の節約というと、こまめに部屋の電気を消して、テレビなどの主電源を切って・・・というイメージが。西山さんによると、確かに少しは節約になっても、実は微々たるものなんだとか。
「簡単で大きな効果がある節約法は、契約アンペア数を見直すことです。30アンペア、40アンペアなどと、我が家で契約しているアンペア数を知っていますか? アンペア数に応じて基本料金が決まっているため、もし、30アンペアで十分なのに40アンペアで契約していると、無駄な電気代を払っていることになります。契約アンペア数を下げると、その分電気代が減らせます」と西山さん。
ではどれくらいのアンペア数を契約すればいいの?
「一度に使う電気量を目安にしましょう。40アンペア以上同時に使う場合は、30アンペアの契約では、ブレイカーが落ちてしまうことに。
電気機器の機種や使いかたなどによっても異なりますが、例えば、炊飯器は13アンペア、ドライヤーは12アンペア、電気ケトルは10アンペアなど比較的高めです。同時に使うと35アンペアになりますが、これらの電気機器を同時に使わなければ、契約アンペア数を下げても大丈夫だというわけ。一般的には1人暮らしなら20~30A、家族が多い方なら40~60Aくらいが目安です」(西山さん)
日常的に使っている冷蔵庫や照明を含め、マックスで使う場合はどれくらいかを合計して、そこから契約アンペア数を決めてみよう。
マンションやアパートでもOK!「電力会社」を見直し
ほかにも電気代を見直せる方法ってあるの?
「2016年4月の電力自由化により、さまざまな電力会社を自分で選ぶことができるようになりました。例えば、東京電力エリアの方なら、約60社の電力会社や企業から選べます。さらに、電気料金プランも増えてきて、自分の使い方にあった電力会社やプランを選べば、電気代を下げられる可能性大ですよ」(西山さん)
マンションやアパートに住んでいても電力会社を変えられるの?
「電力会社はマンションやアパートごとではなく、基本的に入居者ごとに選ぶことができます。ちなみに、私自身もマンション住まいですが、検討して違う電力会社に変え、電気代が少し安くなりました。電気の使い心地が違うといったことは、もちろんありません。一度変更の手続きをしたら、今までと同じように生活ができています」と西山さん。
電力会社を変える際に、押さえておきたいポイントは?
では、電力会社を変えると、どれくらい安くなるの?
「選ぶ電力会社によっても異なりますが、シミュレーション例を見てみましょう。
『1人暮らしで、平日は家にいなく、夜型の人』で、電気代が月4000円程度の場合。乗り換え割引などにより、初年度が最大約1万9700円お得になるものもあります。
『4人暮らしで、日中家族の半分が家にいて、夜間は全員寝ている家庭』で、電気代が月1万2000円程度の場合。こちらも乗り換え割引などにより、初年度が最大約2万5000円お得になるものも。
これはあくまでも一例ですが、その他、ガスや車のガソリン、携帯電話とのセットプランなどによる割引があったり、ポイントがたまる電力会社もあります」と西山さん。
1人暮らしなのか、家族と複数人で住んでいるのか、また電気をよく使う時間帯(日中、または夜間など)や電気を多く使うかどうかによっても、お得なものは変わるので、比較サイトなどでぜひ調べてみよう。
西山さんによると、シミュレーションする際には、現在の電気量や電気代などを入力するために、「電気ご使用量のお知らせ」という検針票が手元にあると便利なんだそう。さらに過去何か月分かあると、より今の自分にあった電力会社やプランを選ぶことができるよう。
注意するべきことはある?
「ひとつ気を付けたいことが、一度電力会社を切り替えて、1年以内に再度切り替えたいと思ったら、契約解除料(いわゆる違約金)が発生する場合があるということ。違約金がないものもありますが、念のため確認しておきましょう。できるだけ、切り替え後は1年以上続けるつもりで検討したいですね」(西山さん)
教えてくれた人
西山美紀さん
出版社で編集・マーケティングを経験後、独立してファイナンシャルプランナーの資格を取得。単に貯蓄額を増やすのではなく、うるおいのある毎日になるためのお金の貯め方・使い方について女性誌やWEB等で発信中。著書『お金が貯まる「体質」のつくり方』(すばる舎)。男女の子を持つ二児の母。
【マネー特集】働く女性のお金のハナシ
先行き不透明な時代、多様化するライフスタイル。お金に関して、漠然とした不安は感じるけれど、分からないことだらけ。みんなどうしてるの? 気になるけれど、聞きづらい。情報も多すぎて、どれが私に合っている話なのか、見分けもつかない。そこでOZmallが女性たちに、これから先も“私らしく”過ごしていくために必要なお金の新常識を提案します。