最初のお金管理方法が、その後も長年続く可能性大
夫婦でお金を管理することになった場合、どんなことに気をつければいいの?
「なんとなく始めないことが大切です。その方法が定着してしまい、途中で変えたいと思っても、なかなか変えにくくなってしまうので、お金管理は最初が肝心。
その際には、2人でしっかり話し合って始めるようにしましょう。『きっと相手が貯めるだろう』などと委ねてしまい、数年後にいざ住宅を購入する際に貯金を確認したら、お互い全然貯まっていなかったと焦るケースも多いからです」と西山さん。
また、自分はしっかり貯めていたのに、彼は全然貯めていなかった、という話もよくあるそう。
「子どもが生まれる前の時期は、夫婦共働きだとお金に比較的ゆとりがあるので、つい『貯めなくても大丈夫』だと思ってしまいがちです。
2人で少し先のライフプランを話題に出して、「これくらいに住宅を買いたいね」「車はこの時期に欲しい(買い替えたい)ね」「旅行は2年に1回行こうか」などと、それぞれの希望や夢をすり合わせておきましょう」(西山さん)
金額はどれくらいを目安にしたらいいの?
「毎月1万円ずつから貯めはじめ、それぞれ手取り月収の10%以上を目安に、『お給料が入ったらすぐ貯めること』を2人とも習慣にしていくことがおすすめです」(西山さん)
忙しい今の時代は、アプリで入出金を管理して効率化
では、どのように家計管理をしていけばいいの?
「家計管理というと、『家計簿を買ってきて、毎晩計算機をたたきながら、レシートの金額を書き込む』というイメージを持っている人が、まだまだとても多いように感じます。
もちろん、その方法でも楽しんで続けられる方はよいのですが、そうではない方が多いと思います。特に最近はPCやスマホを使うことが増え、文字を書く機会が減り、家計簿が手書きだと続かない方が多いですね」と西山さん。
そこで西山さんがおすすめするのが、スマホのアプリで家計簿をつけること。家計管理アプリを2人で入れて、クレジットカードや銀行口座などを紐づければ、買い物をしたり、銀行の入出金があったりするたびに、自動で家計簿がつけられる。
「夫婦でデータを共有することもできるので便利です。忙しい時代は、家計簿に時間をかけるのではなく、できるだけ省力化して、続けやすい方法を選びましょう」(西山さん)
毎月の確認はなくてOK!年に1回確認を
ほかに家計管理で注意することってある?
「家計管理をしたら、ときどき振り返ることをおすすめします。とは言っても、忙しい2人が毎月振り返るのは大変なので、まずは1年のうちのどこか1カ月分を振り返ってみてください」(西山さん)
振り返るとどんなメリットがあるの?
「『積み重なると意外と大きくなっているもの』『実は無駄なもの』が見つかるかもしれません。毎月行おうとすると義務のように感じてしまうので、キャンペーンのような感覚で、1カ月だけ絞って確認することがおすすめです」と西山さん。
「そして年に1回、貯蓄がどれだけ増えているかを確認しておきましょう。あるときは節約をがんばり、あるときは散財をしていたら、1年通して見てみると貯蓄が増えていないこともあるからです。
年々増えているようであれば、安心です。例えば『1年間で100万円の貯蓄を目指そう』などと2人で目標を立てておき、1年後に達成できているかを確認したいですね」(西山さん)
教えてくれた人
西山美紀さん
出版社で編集・マーケティングを経験後、独立してファイナンシャルプランナーの資格を取得。単に貯蓄額を増やすのではなく、うるおいのある毎日になるためのお金の貯め方・使い方について女性誌やWEB等で発信中。著書『お金が貯まる「体質」のつくり方』(すばる舎)。男女の子を持つ二児の母。
【マネー特集】働く女性のお金のハナシ
先行き不透明な時代、多様化するライフスタイル。お金に関して、漠然とした不安は感じるけれど、分からないことだらけ。みんなどうしてるの? 気になるけれど、聞きづらい。情報も多すぎて、どれが私に合っている話なのか、見分けもつかない。そこでOZmallが女性たちに、これから先も“私らしく”過ごしていくために必要なお金の新常識を提案します。