おうち時間で“ゴミ増”を実感!料理研究家・ラク家事アドバイザーの島本美由紀さんに聞いたキッチンのゴミを減らす3つの方法
更新日:2021/08/03
日常が大きく変わった今、自分の考え方や行動に対して自信をもつことができたら、今よりもっと前向きになれるはず。今回は、おうち時間が増えているなかで、家庭でのごみの捨て方を見直したという読者のアイデアや、料理研究家・ラク家事アドバイザーの島本美由紀さんに聞いた食品ロスを減らすアイデアなどをご紹介。節約にも役立つから、参考にして前向きにフードロス削減を楽しもう。
読者942人にアンケート!おうち時間が増えて、家庭ゴミの量は変わった?
読者に聞いた!「おうち時間でゴミが増えた」と感じている人は約5割
生活様式が大きく変わった今、オズモール読者の暮らしはどう変わった? コロナ禍におうち時間が増え、家庭ゴミが増えたと感じることがあるかどうかオズモールの会員942人に聞いてみました。
アンケートによると、コロナ禍におうち時間が増え、家庭ゴミが増えたと感じたという人は全体の約5割! 環境意識の高まりか、「シャンプーや洗剤は大容量の詰め替えを買っている(キオーさん)」「エコバッグを必ず持ち歩く。プラスチックのスプーンやフォークはもらわない(226さん)」「ペットボトル飲料は買わず、お茶は自宅で沸かして作る(あんずさん)」というように、プラスチックゴミをなるべく出さないようにしている人が多数。
また、「野菜や果物は皮ごと食べる(みつばさん)」「食材は先にメニューを設定し、あらかじめ使い切れるようにしておく(ys.さん)」といった食品ロスに配慮している人も目立ったほか、「生ゴミはお庭の土と混ぜてます。かなり生ゴミは減りました。あと、ミミズやダンゴムシが増えて土の質が良くなった気がします(ゆうちゃん)」など、生ゴミの削減と趣味のガーデニングをつなげている賢い人もいる。
そのほか、「あまり物を買わない(ninさん)」、「アクセサリーも地球に優しい天然石雑材等、天然素材を作り使用している(ますみんさん)」のように、あえてモノを持たないシンプルな暮らしを楽しむ人も増えている。
フードロス削減や生ごみのコンポスト。参考になる読者の“ゴミを減らす”アイデア4選
地球に優しい&すっきりしたキッチンをかなえるアイデア4選
まず1つ目にご紹介するのは、@aki_embroideryさんの新習慣。食材の保存に頻繁に使用しているラップ。うまく切れずにぐちゃぐちゃになったり、破れたり、芯にくっついたり・・・。さらに毎回使い捨てにすることに違和感を感じていたそう。そんなときに出会ったのが「みつろうラップ」。
「使いかけの野菜を包んだり、ピタッと器のふたにしたり・・・。形状記憶できるので、折って器にすることも可能。熱に弱いので電子レンジは使えないけれど、テーブルを華やかにしたり、アウトドアで食器がわりに使えたりするのは、ミツロウラップならでは。」とかなり活用できているのだそう。
脱プラつながりでは、@mei_aoygさんの取り組みにも注目して。ごみ自体を出さない社会をめざす活動「ゼロウェイスト」に賛同し、日々の買い物に量り売りを利用しているそう。食材を必要なだけ購入することで食材ロスを減らせるし、保存用のラップなどを使わなくなるメリットもあるのだそう。
また、家庭ごみの中でも厄介なのが生ゴミ。臭うし、夏場なんかは虫が出る原因にも・・・。そこで参考にしたいのが@yuri_rainbowseedさんがやっているコンポストを使った生ゴミの活用法。コンポストとは堆肥や堆肥をつくる容器のことで、yuriさんが愛用する@lfc_compostは、袋の中に毎日生ゴミを入れかき混ぜること2ヶ月。その後3週間熟成させると堆肥になるというもの。バッグのようなかわいい見た目もさることながら、シンプルな使い勝手も長続きの秘訣。「まだ始めて1週間だけど、生ゴミがなくなっただけでなんだか圧倒的にゴミの量が減った気がする! 娘にも生ゴミを入れて混ぜる様子を見せてます。農家をやっている昔からの友達の影響で、たまに生きているだけで消費する人生が心底嫌になる時がある。無駄なものも美味しいものも楽も快適も大好き過ぎる。だからこそ、なるべく自分にできることはしたい」。
ほかにも、フードロス削減の一環として今日から実践したいのが@miru__momoさんの「ベジプロス」作り。ベジプロスとは野菜の皮や切れ端、ヘタを使って作るスープストックのこと。野菜の甘みやうまみたっぷりで栄養満点。冷凍しておいて、カレーやスープに使うと味に深みが出るのだそう。
ぜひキッチンの小さなストレスをこの機会に解消してみて。
料理研究家・ラク家事アドバイザーの島本美由紀さんに聞いた、“キッチンからゴミを減らす3つの方法”
エコですっきり。冷蔵庫は“7割収納”をめざそう
まず見直したいのが、キッチンのゴミの大きな原因となる冷蔵室の中身。島本さんいわく、「冷蔵室の収納は7割以下」が鉄則だそう。
「空いているスペースにどんどん物を詰め込めば、あっという間にパンクしてしまいます。スペースが空いていると庫内がよく見え、使い忘れを防げますし、冷気が効率よくまわり食材が長持ちします。作り置きのおかずなどは透明な容器に入れると、ひと目で中身や残量が分かるので、常備菜など食べ忘れも防げます。
逆に、冷凍室は7割以上つめるといいです。たくさんつめることで冷気が逃げにくく、節電につながります。また、開いている時間を短くするためにも、食材がすぐに取り出せるようにひと目でわかる収納を心がけましょう。
下段は物を重ねてしまうと取り出しにくく、使い忘れの原因になりがち。保存袋に入れたものや冷凍食品などは、金属製のブックスタンドを使用して、立てて収納しましょう。ほしいものがすぐに見つかります」(島本さん)
野菜は正しい保存方法を知って、おいしく長持ち
家庭から出る食品ロスを食材別で見てみると、1位は「野菜」なんだそう。気づいたら野菜室の奥で傷んでいた・・・という経験がある人は多いはず。
食物ロスを減らすには、野菜の上手な保存方法を知ることが大切だという。
「野菜は育った環境に近いほうが、ストレスがかからず余分な栄養を消耗しませんし、鮮度もキープしてくれます。
例えば葉野菜なんかは野菜室に入れるときは立てて収納しましょう。立てる際は、ペットボトルの空き容器が便利。ペットボトルを使いやすく切って、切り口にマスキングテープを貼ったものにひとまとめ。
葉野菜以外にも、アスパラやきゅうりなどの保存にもおすすめです。また、使いかけの野菜などは迷子になりやすいので上段にカゴを置いて一か所にまとめましょう。
見やすい場所に置くことで、使い切ろうという意識が生まれ、献立も立てやすくなります」(島本さん)
皮も根っこもまるごといただく。“一物全体食”で栄養価もアップ
家庭から出る食品ロスの3割を占めているのが“過剰除去”。つまり、調理の際に野菜の皮を厚くむいてしまったりと食べられる部分まで捨ててしまうこと。普段、なにげなく捨てている野菜の皮や芯には、実は栄養がたっぷり。
「例えば、人参の皮。人参は皮とその周辺にベータカロテンなどの栄養素が多く含まれているので、皮をむかずに調理しましょう。葉にも根にはない栄養素がたっぷり含まれているので見つけたら積極的に購入を! ブロッコリーの茎も実はビタミンや食物繊維などの栄養素がつぼみよりも多く含まれいるのはあまり知られていません。皮を厚めにむいたら芯を薄切りやみじん切りにして炒めものやスープに。つぼみとは違うシャキシャキ感が楽しめます。
ユニークなところで、ピーマンのワタとタネ。苦くても栄養がたっぷり含まれているので、丸ごと食べたほうが絶対お得。その量はなんと皮の10倍です。ワタつきの野菜炒めや肉詰めの他、丸ごと煮びたしにするのもおすすめです」(島本さん)
地球にも人にも優しいという、皮も根っこもまるごといただく“一物全体食”をぜひ実践したい。
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最近よく耳にするフードロス・食品ロスという言葉。日本では、年間600万トンもの食品が食べ残し、売れ残りや期限が近いなどの理由で、食べられる状態なのに廃棄されている。私たちができるのはそんな事実を知って、1人ひとりが行動や習慣を変えること。自宅&外食時にできることや、ロス削減に貢献できるサービスもご紹介。
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PROFILE
- 島本美由紀さん
- 料理研究家・ラク家事アドバイザー。旅先で得たさまざまな感覚を料理や家事のアイデアに活かし、手軽に作れるおいしいレシピを考案。楽しくカンタンな家事を追求する「ラク家事アドバイザー」、エコの観点から食品保存や冷蔵庫収納を提案する「食品ロス削減アドバイザー」「冷蔵庫収納&食品保存アドバイザー」として活動し、著書は70冊を超える。新刊「栄養素も鮮度も100%キープ!おいしい冷凍保存術(宝島社)」が好評発売中。
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意志のある暮らしを楽しもう。前向きになれるアイデア集2021
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※アンケート/オズモール調べ 期間2021/6/29~7/6、N=942人 一部複数回答可
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