やりたいことをガマンする日々が続くと、些細なことでイライラしたり、周りの人の言動にモヤモヤしやすくなったり。ついネガティブな気持ちになりがちでは? 今回は、お笑いコンビ・麒麟の川島明さんに「脱ネガティブ」をテーマにインタビュー。最後には“ポジティブ変換力”を磨くゲームにも挑戦!
麒麟・川島さんが自身のInstagramで行っている「タグ大喜利」を知っている? 仲のいい芸人さんのポートレートに自由な発想でハッシュタグをつける投稿のことで、ハリセンボン・箕輪はるかさんの写真には「#勝っても笑わない卓球少女」、ブラックマヨネーズ・小杉竜一さんには「#インドネシアのたばこを吸う赤ちゃん」など、思わず笑ってしまうものばかり。
ひとりの芸人さんにつき10個つけているハッシュタグ。大きな特徴は10個目のハッシュタグに「#ツッコミ芸人の究極の完全体」(ブラックマヨネーズ・小杉さん)など、最後に称賛するタグが入っていること。
SNSから始まり、いつしか“タグ大喜利”として話題を集め、ついに書籍化した『#麒麟川島のタグ大喜利』は、川島さんの芸人仲間への愛とリスペクトが詰まった活動と言えそう。
そんな、人のいいところに目を向けて言語化してきた川島さんに「脱ネガティブ」のコツを聞いてきました。
芸人さんへの愛とリスペクトがつまったタグ大喜利
――タグ大喜利はどんなきっかけで生まれたのですか?
【川島さん】あるとき、Instagramに投稿したエアコン掃除の写真がきっかけです。カビの洗浄中で泡だらけのエアコンと、後ろを向いている僕が写っているだけで、いわゆる“映え”とは程遠いのですが、「#ポケモンの対戦画面か」とタグをつけたら、「いいね」が5000くらいついて。
――いろんな芸人さんにつけられたタグをよく見ると、最後は愛のあるひと言で締められているものがほとんどですが、タグをつけるときに意識していることはありますか?
【川島さん】載せているのは僕が大好きな芸人さんばかりでして、笑えるけれど失礼にならないように心がけています。関係性があるからこそできることですよね。投稿内容を考えるときは、まず初めに、最後の褒めるタグを決めてから、残りのタグを考えています。みんな本当に素敵な芸人さんで、いいところがたくさんあるから、最後のタグをどうするか考えるのがいちばん難しい。
悪口を言うくらいなら、褒め合ったほうがずっといい
――相手のいいところを見つけるのが得意そうに見えます。
【川島さん】若い頃はお酒を飲みながら人の悪口ばっかり言っていた時期もありました(苦笑)。でもね、今田耕司さんとか、人気のある先輩芸人さんを見ていると、絶対に他人を悪く言わないんですよ。そういう姿を見ていたら、35歳ぐらいからかな・・・悪口を言うのはやめよう、と思うようになって。だって、褒め合っていたほうが場も楽しいですよね。誰かに対して「ここがちょっとなぁ・・・」と思うところがあったとしても、それがその人らしさ、個性だったりもする。なにより、僕自身が100点満点の人間じゃありませんしね。
――逆に、誰かに悪口を言われて傷ついたり、落ち込んだりすることは?
【川島さん】僕、あんまり落ち込まないんです。というのも、僕の座右の銘は「知らんがな」なんですね。もし仕事でなにかやらかしたら、次のチャンスを待って、仕事で返すしかない。でもそれ以外のことは大抵、なにがあっても「知らんがな」って思っていたら、そんなに落ち込むこともないです。
落ち込むよりも、今できることを楽しむほうがいい
――年齢とともに受け流したり、ポジティブに変換することがうまくなっていったんですね。新型コロナウイルスにより生活に変化が出てからも、落ち込むことはなかったのでしょうか。
【川島さん】そうですね。確かに仕事はどんどんキャンセルになっていったし、このままだとどうなるのかなあ・・・と思ったりもしたけれど、(新型コロナウイルスの)影響があったのは自分だけではないですし、落ち込んでいても仕方ないなと思って。後輩とオンライン飲み会をして、結構楽しんでいました。ちなみに、家での作業時間がたっぷりあったぶん、『#麒麟川島のタグ大喜利』は、1.5倍内容が濃くなりました。ですが、価格は変わっていません!
――空いた時間を、別のできることに昇華されていたのですね!
ポジティブ変換力を鍛える!川島さんが「人生よかったカルタ」に挑戦
――そんな川島さんにぜひ挑戦していただきたいものがあって・・・。「人生よかったカルタ」というのですが、このカルタの読み札と絵札には、ネガティブな言葉と絵が描かれているのが特徴です。普通のカルタと同じように、絵札を見つけた人が「よかった!」と言って札を取ったら、なぜよかったのか、ポジティブな言葉に言い換えて答えるというものです。
【川島さん】へー。おもしろそうですね。いいですよ!
――ありがとうございます! では、さっそく読みますね。
――まずは・・・「延々と愚痴を聞かされてよかった」。
【川島さん】よかった! 好きな人のことを、もっと好きになれたから。
愚痴を言いまくる人とは、自然と距離を置いてしまうタイプなんです。愚痴を言う人を前にすると、自分が好きな人たち(愚痴や悪口を言わない人たち)の良さが改めてわかるというか。
――次の札です。「料理がおいしくなくてよかった」。
【川島さん】よかった! 僕の憩いの場になったから。
僕がよく行くバー、おしゃれでいいお店なんですが、料理がおいしくなくて。お店には申し訳ないけれど、そのせいであんまり繁盛してない。だからいつ行っても、ひとりでゆっくりお酒を飲めるんですよね。お酒は本当においしいし、僕にとっては最高の場所です。
ご機嫌な毎日をつくろう!私らしく過ごすヒント 第2弾
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川島明(かわしま・あきら)
- お笑いコンビ・麒麟のボケ&ネタ作り担当。「M-1グランプリ」5回決勝進出をはじめ、多くの受賞歴を持つ人気芸人のひとり。大喜利のセンスはCX「IPPONグランプリ」でもおなじみ。2020年5月に発売した『#麒麟川島のタグ大喜利』(宝島社)は、自身のInstagramに投稿していたタグ大喜利がファッション誌「smart」(宝島社)の連載企画になり、再編集&新作を加えた1冊。川島さん曰く「本に疲れたときに読んでほしい本」は、読めば思わず笑顔に。
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人生よかったカルタ
- 読み札と絵札に書いてあるネガティブな内容を、ポジティブに言い換えて答える、ユニークな遊び方が特徴のカルタ。こども版(1650円)、大人版(1980円)、おじさん版(1980円)の3種類が好評発売中。
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WRITING/MINORI KASAI