初めてのふたり暮らしの場合、多くが共働きのカップル。どちらかに家事が偏らず、うまくシェアしていきたいもの。得意不得意はあれど、ふたりがある程度なんでもできることが重要!
協力体制を整えて家事スキルの格差をなくす!
まずは、やることを棚卸し
<毎日やること>
朝食の用意/夕食の用意/朝食の後片付け/夕食の後片付け/献立を考える/消耗品管理/靴を並べる/ゴミの仕分け・ゴミ出し
<ほぼ毎日やること>
洗濯をする/洗濯物を干す/洗濯物を畳む/洗濯物をしまう/買い物(食料品・日用品)/部屋の掃除/お風呂の掃除
<週に1、2回以下>
排水溝の掃除/洗面所の掃除/トイレの掃除/キッチンの掃除/シーツを洗う/布団や枕を干す/クリーニングを出す/クリーニングを取りに行く/窓拭き/玄関の掃除/ベランダの掃除
<恒常的>
家計の管理/保険の管理/貯蓄・資産運用
例えば、「料理をする」の裏側には「冷蔵庫の材料チェック」や「買い物」といった“見えにくい家事”があるということは、意外と見落とされがち。こうして一覧にしてみると、お互いの仕事に感謝の気持ちも湧くというもの。
よくある分担例
オズモールで募集した家事の分担に関するアンケートから、女性は家事全般を担い、男性は一部を担うという傾向が見えてきました。
<女性>
・主に家事全般
・料理
・買い物
・洗い物
・ゴミの仕分け
・掃除
・選択
・お弁当作り
・水回り(キッチン・風呂・トイレ)の清掃
・アイロンがけ
<男性>
・掃除
・洗濯
・食器洗い
・洗車
・風呂洗い
・ゴミ出し
・トイレ掃除
・布団干し
・回覧板を回す
・排水溝の掃除
・クリーニング
めざすべきは役割をカバーし合うジェネラリスト型カップル
女性からはちらほらと不満の声も・・・。負担が偏らないようにするためには、どうしたら?
「父が稼得を、母が家事を担う昭和モデルの家庭で育った人は、そのスタイルを引き継いでしまいがち。ですが、今は共働きが増え、女性もフルタイムで働く時代。昭和モデルが社会に合っていないため、女性の負担が大きくなり、ストレスがたまってしまうのです。当時はそれぞれが稼得、家事の職人として別の道を極めていた“スペシャリスト型”の家庭が主流でしたが、今の時代はふたりで臨機応変に役割をカバーし合う“ジェネラリスト型”の家庭が理想的です」(林田さん)
ふたりのチーム体制に慣れていれば、今後、子供が生まれたときも、お互いの負担を分散させながら育児ができそうです。
「ジェネラリスト型になるためには、家事スキルの格差が大きくなりすぎないようにすることが大切。ただ、頑張りすぎると疲れてしまうので、苦手な家事を教えあったり、お互いの違いを発見しながら楽しく取り組んでみて。ふたりが笑顔になれるベストな方法を見つけていきましょう!」(林田さん)
話を聞いた人
林田香織さん
ワンダライフLLP代表。ペアレンティング・アドバイザーとして自治体や企業で両立支援や夫婦向けコミュニケーションセミナーの講師を務めるなど、共働き世代の支援に従事
本に教えてもらうなら
『森の生活(上・下)』
- 著者
- H.D. ソロー
- 発行
- 岩波文庫
- おすすめポイント
- 「自ら薪を割る者は2度あたたまる」とは著者の弁。薪割りであたたまり、さらに暖炉であたたまる。これぞ、家事分担の際に意識すべき金言でしょう
- あらすじ
- ウォールデン湖畔の森の中で、自作の小屋を建てて自給自足の生活を営む、詩人博物学者のソロー。自然に囲まれた、四季の移ろいや動植物の生態とふれあう生活の中で、読書と思索にふける日々がつづられた1冊。現地の写真も多数収録
【特集】本が教えてくれる、はじめてのふたり暮らし
はじめてのことをするとき、本は道しるべになってくれます。具体的な対応策や、思いも付かないようなアイデア、気付きや考え方のヒントを与えてくれたり。それは「ふたり暮らし」もきっと同じ。みなさんの暮らしのお悩みや疑問を、本を軸に解決策をご提案する特集です。
TEXT/AYAHA YAGUCHI