心地よいふたり暮らしにルールは必要?

更新日:2019/02/12

育った環境が違うふたり。これから仲よく暮らしていくためには生活のルールって必要? それとも不要? ふたり暮らし経験者の女性たち500人に聞きました。

決めるのがベター。ふたりチームの意識を!

※OZmallによるアンケート調査(500名が回答)

ふたり暮らしのルール決めてる?

OZmallが実施したアンケートによると、「ルールがある」派は26%。
「決めないとお互いやりたい放題になって、メリハリがなくなるから」(28歳)
「無理をしないというルールを決めて、柔軟に対応するようにしました」(31歳)
「譲れないことはルール化しておかないと揉めるのかな、と」(34歳)

そして、「ルールがない」派が74%。
「お互いに遠慮して言い出せないうちにズルズルと・・・」(27歳)
「暮らしているうちにお互いのペースがわかってきて妥協点が見つかりました」(32歳)
「共働きのため、ルールがあると融通が利かなくなると思ったから」(32歳)

例えば、こんなルールを決めました

みんなが採用したというルールは、大きく分けて4カテゴリー。「コミュニケーション」「ものの使い方」「お金」「家事分担」にまつわるものが多数を占めました。

「コミュニケーション」
・イヤなことがあったらその場で伝える
・嘘はつかない
・大げんかしても必ず同じベッドで寝る
・優しい言葉を心がける
・休日に勝手に予定を入れない
・悪いところははっきり指摘し合う
・どんなに忙しくても、夕食は一緒にする
・帰る時間、ごはんの用意の要不要を連絡する

「ものの使い方」
・ものを動かしたら、決めた場所に戻す
・帰ってきたらどこも触らず手と足を洗う
・トイレは座ってする

「お金」
・生活費の分担
・大きな買い物はお互いの了解を得て購入する
・ずっと共働きを続ける

「家事分担」
・家事の分担
・できる人が家事をやる
・無理はしない
・消耗品がなくなったら、気付いたほうが補充

ルールを決めるなら、順序が大事

あらかじめ決めれば「守れなかったときに揉めそう」、決めなければ「やりたい放題になって揉めそう」との声が挙がった〝ふたりのルール〞。実際、あったほうがいいの? それとも作らないのが正解? 夫婦のパートナーシップや仕事と家事の両立などにおけるアドバイザーとして活躍する林田香織さんに聞きました。

 「育った環境も常識も違うふたりが暮らすわけですから、やっぱりルールはあったほうがよいと思います。特に、今後の働き方やお金のこと、子供のことに関するビジョンはルールを決めるための土台になるため、雑談レベルでも構わないので『STEP01』として互いの希望を共有しておきましょう。そのうえで、『STEP02』、『STEP03』と進め、
暮らし始めた当初から実践して、お互いに習慣付けてしまうのが円満の秘訣です」

STEP01「まずは話し合い」
ルールを決める以前の段階として、まずは“方針”の設定を。前提として、人生設計にかかわる「仕事」「子供」「お金」の希望をきちんと擦り合わせておきましょう。

STEP02「大枠のルールを決める」
コミュニケーションのルールは円満の鍵。ひとり暮らし歴が長い・価値観の許容度が高いというカップルは、大枠ルールを決めれば、細かいルールを決めずともお互いやりくりできそう。

STEP03「細かいルールを決める」
家事のスキルに格差があったり、暮らし方にこだわりがあったりするカップルは、最初に細かくルール化して認識を合わせていきましょう。価値観の違いを楽しみながらリストを作るのがおすすめ。

ルールの運用に便利なツール

毎日慌ただしいからこそ、便利なツールを活用して、お互いの動きをフォローアップ。上手にコミュニケーションを取り合うことで、ふたりの絆も深まります。

アナログ派には、お互いの予定の共有にカレンダーを。相手の予定がわかれば、取るべき行動も変わります。ふたりのTO DOや、お買い物のリストは黒板やホワイトボード。デジタル派は「Time Tree」や「Googleカレンダー」などのアプリがオススメ。

ふたり暮らしは会話が大事!

ふたりで暮らしていると、大小さまざまなトラブルがつきもの。いざというときにチームになって課題解決にあたるには、やっぱりホウレンソウ、つまり情報共有が欠かせません。

 「例えば、大物家電が壊れてしまったとしましょう。一緒にイチから検討していると時間が足りません。そこで、それぞれ出先から次に購入したい家電を探し、LINEやメッセンジャーでサイトや価格を共有します。それぞれ自分の意見を固めておき、帰宅後に希望を出し合えば購入までがスムーズ。このように、チームで課題解決を目指す場合は、ふたりが持っている情報量を同じにしておくことが大切。ここに格差があると、情報を持っているほうからのマウンティングが始まって、イライラの原因に。情報量も、家事のスキルも、とにかくふたりの間に格差を作らないようにしましょう」(林田さん)

家庭内の課題を極力スムーズに解決できれば、ふたりのコミュニケーションの時間がもっと増えていくはずです。

話を聞いた人
林田香織さん

ワンダライフLLP代表。ペアレンティング・アドバイザーとして自治体や企業で両立支援や夫婦向けコミュニケーションセミナーの講師を務めるなど、共働き世代の支援に従事

本に教えてもらうなら
『アメリ』

著者
イポリト・ベルナール
発行
リトルモア
おすすめポイント
人の幸せを勝手にサポートする、お節介なアメリ。常に自由で自分だけのルールで行動する彼女の様子には、新生活を楽しむためのヒントが満載です
あらすじ
空想にふけりがちな少女アメリは、大人になっても自由気まま。クレーム・ブリュレの焼き目をスプーンで壊し、運河の岸で水切りをし、そしてまわりの人々をちょっとだけ幸せにするいたずらを仕掛ける日々。そんなアメリが恋に落ちて・・・

【特集】本が教えてくれる、はじめてのふたり暮らし

はじめてのことをするとき、本は道しるべになってくれます。具体的な対応策や、思いも付かないようなアイデア、気付きや考え方のヒントを与えてくれたり。それは「ふたり暮らし」もきっと同じ。みなさんの暮らしのお悩みや疑問を、本を軸に解決策をご提案する特集です。

PHOTO/AKIHIRO TAMURA TEXT/AYAHA YAGUCHI

※記事は2019年2月12日(火)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります