おしゃれでおいしい、ワンプレートおせちレシピ!CRAZY KITCHEN・菊地さんに教わるおしゃれおせちメニュー6品
年末年始特集

おしゃれでおいしい、ワンプレートおせちレシピ!CRAZY KITCHEN・菊地さんに教わるおしゃれおせちメニュー6品

更新日:2020/12/16

お正月に家族と囲むおせち料理。だけど今年の年末年始は帰省ができず、オンライン帰省をする人も多いのでは。そこで今年は、オンラインでも目を引く、簡単でおしゃれなおせち料理の作り方をCRAZY KITCHENのプロデューサー・菊地妙子さんに教えてもらいました。スパイスなども取り入れた新しい味わいのワンプレートおせちは、新年の始まりにもぴったり! おせち料理の意味も学びながら、おうちでお正月をお祝いしてみて。

ニューノーマルなおせちの楽しみ方

おせち料理の由来や意味って?

おせち料理の由来や意味って?

もともとは3月3日の桃の節句や5月5日の端午の節句など季節の“節目”に、神様に供えていた特別な料理。それが江戸時代に入ってからお正月に作る料理を「おせち」と呼ぶようになったとか。

使用する食材にも特別な意味があり、ニシンの卵である数の子は、「子孫繁栄」を、黒豆は「まめ」に働く、「まめ」に暮らすなどという願いを込めて入れられていることは知っている人も多いはず。

なかでも、地域によって違いはあるけれど、関東では数の子、黒豆、ごまめ(田作り)は、「三つ肴」と言われる、おせち料理に欠かせない3種類の祝い肴。お正月におせち料理を食べる習慣がない人でも、この3つだけは取り入れてみてほしいところ。

最近では、中華風にアレンジしたり、重箱に詰めずにワンプレートに盛りつけたりと、おせち料理の楽しみ方も広がってきているみたい。

今回は、おせちに欠かせない食材を使いつつ、普段のおせちとはちょっと趣きを変えて、おしゃれに簡単に作れるニューノーマルなおせち料理のレシピをを教えてもらいました。

ワンプレートおせちの盛りつけのコツ

盛りつけやテーブルコーディネートのコツ

お正月っぽいテーブルコーディネートのアイテムとして、水引を活用した菊地さん。「今回は水引でちょっとしたお箸置きも作ってみました。こういったものがあるだけで、お正月らしさが出ます。水引のパッケージにたいてい作り方が書いてあるので、作ることも楽しみながらお正月の準備をしてみてくださいね」。

日本酒の瓶もそのまま置くのではなく、ピンクと白のトレーシングペーパーなどを巻いて水引でとめると、特別感が。「トレーシングペーパーは、セロハンテープを何回も貼り替えしやすいので、不器用さんでも扱いやすいと思います。お好きな和紙や包装紙などで包み、リボンで結ぶだけでも、いつもとは違う特別な食卓になりますよ」。

さらに、ランチョンマットも斜めに折って、アクセントとして使うのが菊地さん流。「赤いランチョンマットをそのまま敷くと、赤が主張しすぎてしまうんです。なので、斜めにざっと折り、それをさらに半分に折ってプレートの下に敷きました。こなれた雰囲気になっておすすめです」。

ワンプレートで少しずつ楽しむ!1品30分以内で作れるおせち6品

数の子の梅かつおザーサイ和え

数の子の梅かつおザーサイ和え

数の子は定番のしょうゆ漬けではなく、梅の酸味とごま油の香りが食欲をそそる和えものに。梅干しの赤い色が、おせちを一層華やかにしてくれる。「お酒の進む1品です。白ごはんと一緒に食べてもおいしいですよ」。

【材料】
・数の子 60gくらい
・梅干し(たたく) 大1個
・ザーサイ(粗みじん切り) 15g
・かつお節 小袋1袋(2.5gくらい)
・ごま油 小さじ1
・コチュジャン 小さじ1弱

【作り方】
①塩抜きした数の子をひと口大に手でちぎる。
②梅干しは種を取り、叩く。
③ザーサイは粗みじん切りにする。
④梅干し、ザーサイ、かつお節、ごま油、コチュジャンを混ぜる。
⑤④に数の子を入れて絡ませたらできあがり。

菊地さんのワンポイントアドバイス

塩気や辛味が気になる方は、ザーサイやコチュジャンの量を調整してください。
また、余った数の子のしょうゆ漬けをリメイクしてもよいです。その際は塩加減を調整してくださいね。

黒豆と柚子のチーズカナッペ

黒豆と柚子のチーズカナッペ

黒豆をクリームチーズと合わせてカナッペに。ちょっと飽きてしまいがちな黒豆の甘さがマイルドになって、箸休めにもぴったり。柚子風味のクリームチーズのさわやかさとともに、ワインが進みそうな1品。

○黒豆チーズ
【材料】
・クリームチーズ 40g
・黒豆煮 30g

【作り方】
①クリームチーズは常温に戻しておく。
②黒豆煮の半量をヘラで潰し、クリームチーズと混ぜる。ざっくり混ぜてマーブル模様のチーズにする。
③残しておいた黒豆を入れる。豆の形が崩れないようにやさしく混ぜたらできあがり。


○柚子チーズ
【材料】
・クリームチーズ 20g
・柚子の皮(すりおろし) 1/2個分
・柚子の果汁 小さじ2くらい

【作り方】
①常温におき柔らかくしたクリームチーズを混ぜ、そこにすりおろした柚子の皮を入れさらに混ぜる。
②チーズが滑らかになるくらい柚子の果汁を入れて、よく混ぜたらできあがり。

菊地さんのワンポイントアドバイス

バケットやクラッカーなどと一緒にどうぞ。黒豆の甘さを柚子チーズの酸味で、御馳走続きのお正月でもさっぱりいただけます。柚子チーズは、スパイス栗きんとんと一緒に食べてもおいしいし、黒豆カナッペは焼き餅にも合いますよ。

海老の照り焼き 三つ葉のエスニックサラダ添え

海老の照り焼き 三つ葉のエスニックサラダ添え

火を通すと背が曲がることから、「腰が曲がるまで長生きするように」という意味を込めておせち料理に使われる海老。「おせちにはぜひ頭つきの海老を使ってくださいね。見栄えがよいのはもちろん、海老のみそが照り焼きのタレにしみ出て濃厚な味わいになります」。

○海老の照り焼き
【材料】
・有頭海老 2尾
・酒 適量
・ごま油 適量
・醤油 大さじ1★
・みりん 大さじ1★
・酒 大さじ1★

【作り方】
①海老は頭と尻尾を残し、殻を剥く。尻尾の先と、海老のヒゲ、足の長い部分はキッチンバサミでカットする。背中部分に切り込みを少し入れて、背わたを取る。
②①に塩を振り、酒をまぶして臭みや汚れを取る。しばらくしたらキッチンペーパーでやさしく水気をとる。
③熱したフライパンにごま油を入れ、油が温まったらエビを入れる。動かさず、頭の部分を軽く押さえつけて焼き目をつける。
④焼き目がついたら裏返し、同じようにもう半面も焼く。
⑤★の材料を合わせ、海老にかけてひっくり返しながら絡ませればできあがり。


○三つ葉のエスニックサラダ
【材料】
・三つ葉(2cm幅) 2株くらい
・柚子の皮(千切り) 3片くらい
・ごま油 小さじ1/2弱
・ナンプラー 小さじ1/2弱
・柚子果汁 小さじ1
・グラニュー糖 ひとつまみ

①三つ葉は2cmくらいにカット。柚子の皮は千切りにする。
②三つ葉と柚子の皮に、ごま油を絡ませてコーティングする。そのあとナンプラー、柚子果汁、グラニュー糖を入れて和えれば完成。※先に油を絡ませると野菜の水分が出づらくなるため、ごま油で先にコーティングする。

菊地さんのワンポイントアドバイス

緑の少ないおせち料理に、シャッキリ香りのよい香味野菜のサラダを添えました。海老を焼くときは、頭が外れやすいのでそっとひっくり返しましょう。外れてしまっても気にしなくて大丈夫です。三つ葉はクタッとしやすいので、作り置きはせずに食べる直前に作ることをオススメします。

カブとりんごの紅白なます

カブとりんごの紅白なます

カブとりんごで作るさわやかでフルーティーな紅白なます。一晩置くとカブにりんごの皮の色がうつって上品なピンク色に。おせちを華やかにしてくれる1品。

【材料】
・カブ 2個
・りんご 1/2個
・塩 小さじ1/2
・はちみつ 大さじ1
・柚子果汁 大さじ2
・米酢 大さじ1

【作り方】
①カブは5mm幅の千切りにし、塩を振り水気を出す。5〜10分くらいしたら、ぎゅっとしぼって水気を切る。
②カブの幅に合わせてりんごを皮ごと5mm幅の千切りにし、はちみつ、柚子果汁の半量(大さじ1)を入れて和えて10分ほど置く。
③りんごの汁気が出てきたら、①、残りの柚子果汁(大さじ1)、米酢を加える。りんごの汁気は味つけの一部となるので、切らずにそのまま使う。
④一晩置けばできあがり。

菊地さんのワンポイントアドバイス

はちみつはりんごの変色を防いでくれる食材です。でき立てを食べてもおいしいですが、一晩置くとはちみつの独特な風味が消えて、味も馴染んでよりおいしくなります。カブとリンゴは、スライサーでスライスしてからカットすると簡単でキレイに仕上がりますよ。

ハーブ香るごまめと根菜のキンピラ

ハーブ香るごまめと根菜のキンピラ

ごまめの出汁がキンピラにしみて、ごはんにもお酒にも合う1品に。「一般的なおせち料理のごまめって、割と余ってしまいがちですよね。なので今回は、縁起野菜でもあるゴボウとレンコンと合わせてキンピラにして、祝い肴にしてみました。クミンやローズマリーを少しだけ入れると、味のアクセントにもなるんです」。

【材料】
・ゴボウ 1/2本
・レンコン 100g
・ごまめ 20g
・醤油 大さじ2★
・みりん 大さじ1★
・きび砂糖(三温糖や上白糖でも) 大さじ1★
・ローズマリー 5cmくらい
・クミン ひとつまみ
・ごま油 適量

【作り方】
①ゴボウは縦半分に切った後、ごまめの長さに合わせて斜めに5mm幅で切り、水にさらす。
②レンコンは縦半分に切った後、5mm幅にスライスして、酢を少量(分量外)入れた水にさらす。スライサーを使うと便利。
③ごまめはフライパンで乾煎りし、香りが立ったら火から下ろしておく。
④ごま油を熱し、クミンとローズマリーを入れ油に香りを移す。焦げやすいのでこまめに動かす。
⑤★印の調味料を入れる。
⑥水気を切ったゴボウとレンコンをフライパンに入れ、中火で火が通る寸前まで炒めたら、⑤の調味料を入れる。
⑥調味料の粘度が少し出てきたら、②で乾煎りしたごまめを入れて全体を合わせたらできあがり。

菊地さんのワンポイントアドバイス

田作りで使うごまめと、縁起の良い食材であるレンコンとゴボウを合わせた1品です。
時間が経つと、ごまめの出汁がレンコンやゴボウにも染みておいしいです。クミンは香りが強いので、ひとつまみくらいがちょうどいいと思います。

スパイス栗きんとん

スパイス栗きんとん

スパイスを入れてエスニック風に仕上げる栗きんとん。余った煮汁は紅茶の茶葉を足して牛乳で割ってチャイ風のドリンクにもなる、サスティナブルな1品。「市販の栗きんとんが残ったら、スパイスを入れてリメイクするのもおすすめです」。

【材料】
・さつまいも 180〜200gくらいのもの2本
・クチナシ 1個
・水 1と1/2cup
・栗の甘露煮 6個くらい
・甘露煮のシロップ 50g
・グラニュー糖 75g
・お好みのスパイス(シナモン、クローブ、八角、カルダモンなど)適量

【作り方】
①さつまいもを1.5cmくらいの輪切りにし、水に晒す。土台となるさつまいもの真ん中の部分は皮つきのまま(1本につき3個分くらい)、残りのペーストにする部分は皮を剥く。
②鍋に水、①、潰したクチナシを入れ、弱火~中火で8分ほど火にかける。※クチナシはお茶パックに入れると、後で取り出すときに便利。
③クチナシを取り出し、グラニュー糖、シロップ、スパイスを入れてさらに5分くらい火にかける。
⑤茹で上がったサツマイモを取り出し、冷ます。
⑥皮を剥いたサツマイモだけをボウルに入れてヘラで潰し、煮汁のシロップ液(おたま1〜3杯くらい)を入れ、好みの硬さのペーストにする。※ホクホクが好みなら液は少なめ、なめらかにしたいなら多めに。
⑦味を見て、スパイスが足りなければ足す。温かいうちに栗の甘露煮を入れて、栗の形が崩れないようにヘラで混ぜ合わせる。余熱でじんわり栗に火を入れる。
⑧土台のさつまいもに、ペーストと栗を乗せればできあがり。

<菊地さんのワンポイントアドバイス>
スパイスは、チャイに使われるシナモンやクローブなどがよく合います。市販の栗きんとんを使う場合は、鍋で弱火にかけるかレンチンして、ほんのり温かくしたところにお好みのスパイスを入れて混ぜてください。温かいところにスパイスを入れることで、香りが立ちます。
鍋に残ったシロップに、紅茶の茶葉を多めに入れて煮立て牛乳で割ると、チャイのようになります。ぜひ残った煮汁まで楽しんでみてください。砂糖をたっぷり使っていてかなり甘めなので、お茶はたっぷり煮出すほうがオススメです。

菊地妙子(きくちたえこ)

PROFILE

菊地妙子(きくちたえこ)
美術大学を卒業後、新卒にてライフスタイル提案企業に入社。レストラン事業部へ配属となり、東京および富山にて店長業務やメニュー開発、生産地取材などに携わる。その後、都内の飲食店勤務を経て、株式会社CRAZY KITCHENに参画。現在は、プロデューサーとしてイベントやパーティの企画デザイン、ドリンクメニュー開発を行う。「かわいい、おいしい!など、その場を訪れた人のテンションが上がる瞬間に立ち会えることが幸せ」と、会場で話のきっかけになるようなコーディネートや内容を日々考案している。
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【特集】大切な人との絆を深める2021。年末年始にしたいこと

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PHOTO/MUNEMURA KYOKA WRITING/KIMIKO OHKATSU

※記事は2020年12月16日(水)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります