ミッフィーで知られるディック・ブルーナのデザインワークを集めた展覧会
絵本「ミッフィー(うさこちゃん)」シリーズで知られる絵本作家ディック・ブルーナは、母国のオランダではグラフィックデザイナーとしても活躍したそう。そこで、彼が手がけた多数のデザインワークを紹介する展覧会が開催される。ミッフィーしか知らなかった人には、新鮮な驚きがあるかも。
更新日:2017/04/20
デザイン原画やスケッチなど約500点も!グラフィックデザイナーとしての多彩な一面を紹介
2017年4月19日(水)から5月8日(月)まで、松屋銀座8階のイベントスクエアでは「シンプルの正体 ディック・ブルーナのデザイン」展を開催。ミッフィーの生みの親として有名なオランダ人絵本作家のディック・ブルーナが、グラフィックデザイナーとして制作した作品も広く紹介する。
タイトルの「シンプルの正体」には、ブルーナ作品に共通する特徴「シンプル」の秘密を解き明かしたいという意味が。余分なものをそぎ落としながらユーモアや情感を織り込む手法は、作品に独特の温かみを与えているよう。
会場では、日本でいう「文庫本」にあたるペーパーバックが200冊以上、デザイン原画やスケッチが約40点、ミッフィーやボリスなどの絵本の原画が約30点、さらにポスターの複製などを加えた約500点を展示。見ごたえのある展覧会となっている。
ペーパーバックに関しては2000冊以上の表紙デザインを手がけたそうだけど、特に1956年に創刊された推理小説がメインのペーパーバックシリーズ「ブラック・ベア」は大人気だったとか。
ブラック・ベアの目が赤いのは、本がおもしろくて夜中まで読みふけっていたから、らしい。シンプルな色使いながら、きちんと物語が備わっているのも魅力のひとつ。
作品を色や形の特徴で分ける独特の展示。日本初公開のデザイン原画も多数!
今回の展示の見どころは、ペーパーバックやポスターを色や形などの特徴で分類して展示するところ。例えば「楽しむためのシンプル」という章では、「ユーモラスな線」「大胆な省略」「リズミカルな反復」など、そのデザインのポイントとなる部分に注目して、作品を並べている。
例えば写真のペーパーバック『遠くから来た男』は、「おしゃべりな色」のコーナーに。にぎやかな色があふれるデザインは、確かに「おしゃべり」しているようにも感じられる。
同様に絵本も「想像力のためのシンプル」と題して、「知らせる色」「空想をうみだす形」「動きだす絵」などに分類して展示。写真の『うさこちゃんとじてんしゃ』は、「空間をつくる線」のコーナー。まさに、線1本で空間の広がりを感じさせてくれる。
これ以外に日本初公開のデザイン原画も多数あるそうなので、この機会にチェックしてみて。
ブルーナ作品からインスピレーションを得た気鋭のクリエーターたちの作品も展示
ディック・ブルーナ本人は2017年2月にオランダのユトレヒトで89歳の生涯を終えているけれど、長年にわたって描き続けてきた「シンプル」の正体とその魅力は、今でも色あせることなく輝き続けている。
「シンプルの明日」という章では、日本のデザイン界で活躍する気鋭の4組(KIGI、groovisions、中村至男、ミントデザインズ)が、ブルーナ作品にインスピレーションを受けた新作を発表。グラフィックやファッションなど、各分野で注目を集めるクリエーターたちが、どんな作品を見せてくれるのか興味深い。
グッズコーナーでは、「ブラック・ベア」の「マグカップ」(1404円)などオリジナルグッズ150点以上が販売され、「ミッフィー」や「スナッフィー」などの柄が描かれたシルクスクリーンポスター(35640円)の特別販売もあるという。こちらの絵柄は8種類、各50部限定なので、気になるファンは早目にどうぞ。
ミッフィーもブラック・ベアも、長い間たくさんの人々に愛されたデザインばかり。ゴールデンウィークの1日に、大好きなミッフィーを生んだブルーナを想いながら、シンプルなデザインの魅力を満喫して。
シンプルの正体 ディック・ブルーナのデザイン展
TEL.03-3567-1211(松屋銀座 大代表)
東京都中央区銀座3-6-1 松屋銀座 8F イベントスクエア
アクセス:東京メトロ 銀座線、丸ノ内線、日比谷線「銀座駅」A12番出口直結、有楽町線「銀座一丁目駅」9番出口より徒歩3分、都営地下鉄浅草線「東銀座駅」A8番出口より徒歩3分、JR「有楽町駅」より徒歩8分
会期:2017年4月19日(水)~5月8日(月)
開催時間:10:00~20:00 (入場は閉場の30分前まで。最終日は17:00閉場)
入場料:一般800円、高校生600円、小中学生400円
NAOKO YOSHIDA (はちどり)
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