ソムリエがおすすめするボルドーワイン14選!特別な日に飲みたいワインや初心者向けも
世界的に有名なボルドーワイン。歴史的背景や地理の特徴を知ると、もっとワイン選びが楽しく、味わいも豊かに感じるかも。そこで、ソムリエの田邉公一さんにボルドーワインの特徴や選び方を聞いてみました。さらに、田邉さんがセレクトしたボルドーワイン14選もご紹介します。
更新日:2023/03/30
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お話を聞いたのは・・・
ソムリエ
田邉公一さん
ソムリエ歴20年。ザ・リッツ・カールトン東京開業時よりソムリエを務め、在職中、フランス パリの二ツ星レストラン「サンドランス」で研修。その後、フランス各地のワイナリーを訪問。2012年、レストランL'AS のオープンと同時に同店のシェフ・ソムリエに就任。現在は、都内10店舗以上のレストラン、ワイン関連会社のワインセレクション、ドリンクアドバイザーを務めると同時に、飲と食の様々な可能性を広げていく活動をしている。Twitterのフォロワー数は3万人を越える。
Twitter:@tanabe_duvin
Instagram:@koichi _wine
ボルドーワインの特徴は?
大きな河川の影響を受けたボルドーワイン
複数のブドウ品種をブレンドした幅広い味わいが特徴
フランス語の「ボール(bord)」は「ふち」、「オー(eau)」は「水」を意味し、ボルドーという地名は「水(川)のほとり」という意味を持つ。フランスの南西部に位置し、大西洋にそそぐジロンド川と、その支流のガロンヌ川、ドルドーニュ川の3つの川で地域が分かれている。ブドウの栽培に適した温和な海洋性気候と、ワインの運搬に便利な川があるという条件がボルドーにはそろっていた。
また、川を境としたエリアによって土壌が異なるため、エリアごとに様々なブドウ品種が栽培され、複数のブドウ品種を組み合わせたワイン造りが行われている。これによって、幅広い味わいのワイン造りが可能となり、悪天候でいいブドウが栽培されなかった時のリスクヘッジにもなっている。
伝統的なワイン造りの地域でありながら
技術の革新が目覚ましいボルドー
ボルドーでワイン造りが始まったのは4世紀ごろのこと。ボルドー地域を含む一帯を支配していたアキテーヌ公国の娘が、のちの英国王ヘンリー2世と結婚をしたことで、ボルドーは英国領域に。英国にたくさんのワインが輸出され、川沿いにシャトーが発展していくこととなった。その後、パリ万博のときにはメドック地区の格付けが始まるなど、ワインの品質を保証するための工夫や制度を率先して生み出してきた地域でもある。
ボルドーワインの選び方
ボルドーワインの代表的なエリアから選ぶ
複数のブドウ品種をブレンドさせるアッサンブラージュという技術で、ワインに複雑な味わいを生み出すボルドー。土壌や気候など、地域ごとに特徴あるワイン造りが行われる。
ポムロール(右岸)
ドルドーニュ川右岸に位置する。粘土石灰質の土壌で、メルロー種の栽培に向いている地区。力強く、なめらかさのある赤ワイン造りが特徴だ。比較的、規模の小さな生産者が多い。
サン・テミリオン(右岸)
ドルドーニュ川右岸に位置する。世界遺産にも登録されている古都で、美しいブドウ畑が広がる。ポムロール地区と同じく粘度石灰質の土壌で、メルローを主体とした優れたワインを多く造っている。
アントル・ドゥー・メール(右岸と左岸の間)
「二つの海の間」という意味を持つ通り、ガロンヌ川とドルドーニュ川に挟まれた地域のこと。ソーヴィニヨン・ブランとセミヨンをブレンドした爽やかな白ワインを造る。
グラーヴ(左岸)
グラーヴは「砂利」を意味する。ガロンヌ川の左岸、ボルドー市の南側に位置するこのエリアは小石や砂利に覆われた水はけのよい土壌が特徴的。ここではバリエーション豊かなワインが楽しめる。
メドック(左岸)
ジロンド川の左岸、ボルドー市の北側のエリア。下流に位置するメドックと、上流に位置するオー・メドックとに分かれる。格付けシャトーが有名で、多くの高級ワインが造られる。。
ソーテルヌ&バルサック(左岸)
ガロンヌ川左岸、ボルドー市から見て南東部に位置する。ソーテルヌ地区は砂利質と粘土の石灰質土壌で、シロン川を挟んだ対岸のバルサック地区は石灰岩土壌。ブドウにつく貴腐菌を利用した貴腐ワインの産地。長期熟成に耐える奥深い甘口の白ワインを造る。
ボルドーの「右岸」と「左岸」で選ぶ
ジロンド川の上流から下流を見たときに、右手側を「右岸」、左手側を「左岸」という。それぞれ土壌の性質が異なるため、どちらの地域で造られるかによってワインの味わいが変わる。
例えば赤ワインの場合、右岸ではメルロー種が主体で、果実味豊かでまろやかな味わいになる傾向があり、左岸ではカベルネ・ソーヴィニョンが主体となり、渋味のしっかりとした味わいのワインが生み出される傾向がある。
初めて飲むならこれ!ボルドーワインおすすめ3選
CHATEAU MONT PERAT(シャトー・モン・ペラ)
シャトー・モン・ペラ ルージュ
2970円(Amazon)
多くの人に愛されるワインを造る天才醸造家ミッシェル・ロランの改革
ガロンヌ川とドルドーニュ川という2つの河川に挟まれた中洲の地域。このエリアで250年に渡り、デスパーニュ家はワイン造りを続けている。日本では、ワインをテーマにした漫画『神の雫』に登場したのを機に知名度がアップ。カシスやブラックチェリーなどの果実の香りとスムースでクリーミーな飲み心地で、コストパフォーマンスのよさも嬉しい。
液体容量 | 750ml |
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アルコール度数 | 14容量パーセント |
品種 | メルロー、カベルネ・フラン、カベルネ・ソーヴィニヨン |
産地 | カディヤック・コート・ド・ボルドー |
Clarence Dillon Wines(クラレンス・ディロン・ワインズ)
クラレンドル・ルージュ
3297円(Amazon)
バランスの取れたリッチな味わいに、魅力的な香りの余韻
1533年に設立され、ボルドーの5大シャトーの一角として君臨している「シャトー・オー・ブリオン」。クラレンス・ディロン・ワインズが造るクラレンドル・シリーズは、オー・ブリオンのワイン醸造チームが手掛け、「バランス、エレガンス、複雑味」をコンセプトにブレンドを行う。鮮やかな濃いルビー色と、絹のような口当たりが印象的だ。
液体容量 | 750ml |
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アルコール度数 | 14容量パーセント |
品種 | メルロー、カベルネ・ソーヴィニヨン、カベルネ・フラン |
産地 | ボルドー |
Mercian Wines(メルシャンワインズ )
メルシャンワインズ ボルドー
2838円(Amazon)
果実味を前面に出した新しいボルドースタイル
メルシャンが世界と共に造るワインシリーズ。新進気鋭の造り手ジュリアン・マンゴー氏とタッグを組み、ボルドーワインでは珍しいマルベック主体のピュアな果実味が感じられる。口当たりは滑らかでスムーズ、しかし飲みごたえはしっかりとある。日仏の造り手の共創を楽しんで。
液体容量 | 750ml |
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アルコール度数 | 13.5容量パーセント |
品種 | マルベック、メルロー |
産地 | ボルドー |
ソムリエおすすめ!特別な日に飲みたいボルドーワイン3選
CH. BEYCHEVELLE
シャトー ・ベイシュヴェル
12980円(Amazon)
美しいシャトーで生み出される環境にも体にも優しいワイン
「小さなヴェルサイユ」とも呼ばれるほど美しいシャトーで、高品質なワインを造り続ける。カシスやブラックチェリー、プラムなどの果実の香りと、ラベンダーやシナモンのニュアンスが濃厚な旨みと複雑に絡まり合う。熟成させて味わいの変化を楽しむのもオススメ。
液体容量 | 750ml |
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アルコール度数 | 14容量パーセント |
品種 | カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロ、カベルネ・フラン、プティ・ヴェルド |
産地 | サン・ジュリアン |
Chateau Calon Segur
シャトー カロン セギュール
22000円(Amazon)
ジロンド川左岸の高評価シャトーはハートマークが目印
伝統的な手法で畑を耕し、春から夏にはすべて手作業で余分な葉や房を間引き、収穫を行なう。「第一級格付けシャトーと肩を並べるほどの潜在能力」とまで評されるワインで、長く熟成をさせるほど味わい深くなるボルドーならではのスタイル。ラベルに描かれた大きなハートマークを探してみて。
液体容量 | 750ml |
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アルコール度数 | 15容量パーセント |
品種 | カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、プティ・ヴェルド |
産地 | サン・テステフ |
CHATEAU GUIRAUD
シャトー ギロー
11448円(Amazon)
厳しく選果をすることでワインの品質が向上
甘口ワインの産地として知られるソーテルヌとバルサックは、ボルドー地方の南東ガロンヌ川の左岸に位置する。ブドウの実の水分が蒸発し果汁の成分が凝縮された状態を「貴腐」という。この状態のブドウを使ったワインは、黄金色をした極甘口となり、まるでハチミツのようにリッチな味わい。ピュアな果実味も感じられる。
液体容量 | 750ml |
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アルコール度数 | 13.5容量パーセント |
品種 | セミヨン、ソーヴィニヨン・ブラン |
産地 | ソーテルヌ |
ソムリエおすすめのボルドーワイン/白ワイン3選
CH.LAGRANGE (シャトー・ラグランジュ)
レ・ザルム・ド・ラグランジュ
4400円(Amazon)
有名シャトーが生み出すエレガントな白ワイン
中世からワイン造りを行うサン・ジュリアン村のシャトーを、1983年にサントリーが買収。ブドウの植え替えなどの改革を行い、よりよいワイン造りを追求している。爽やかなソーヴィニヨン・ブランと粘性のあるセミヨンのバランスがよい白ワインは、新樽によって熟成。メドック格付け3級の人気シャトーならではの気品が感じられる。
液体容量 | 750ml |
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アルコール度数 | 13容量パーセント |
品種 | ソーヴィニヨン・ブラン、セミヨン |
産地 | ボルドー |
CHATEAU GINKGO(シャトー・ジンコ)
ジー・バイ・ユリグサ ブラン
3550円(Amazon)
ボルドーで初の日本女性醸造家・百合草氏が手がけたワイン
所有する自社畑のすぐ近くにあるワイナリーと提携し、百合草氏の監修によって造られるバリューワイン。平均樹齢25年のブドウから年間約17300本のみ生産され、熟成は2年使用のフレンチオークで6カ月行っている。柑橘系のフルーツとドライハーブの香り、果実味豊かで酸味とのバランスが素晴らしい。
液体容量 | 750ml |
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アルコール度数 | 13容量パーセント |
品種 | ソーヴィニョン・ブラン、セミヨン |
産地 | グラーヴ |
CH. MOUTON ROTHSCHILD(シャトー・ムートン・ロートシルト)
エール ダルジャン
20900円(Amazon)
トップクラスのシャトーが生み出す秀逸な白ワイン
ボルドーの五大シャトーの中でも、とくに豪勢なスタイルで、堂々とした味わいを持つといわれるシャトー・ムートン・ロートシルト。彼らが35年ぶりに復活させた白ワインは、出来のよいソーヴィニヨン・ブランをメインに使用する。芳醇な果実や白い花のアロマを持ち、複雑味がありながらエレガントだ。
液体容量 | 750ml |
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アルコール度数 | 13容量パーセント |
品種 | ソーヴィニヨン・ブラン、セミヨン、ミュスカデル |
産地 | ボルドー |
ソムリエおすすめのボルドーワイン/赤ワイン5選
Chateau Calon Segur(シャトー カロン セギュール)
プティ カロン
4312円(楽天)
親しみやすいチャーミングさと力強さを併せ持つ
ローマ時代から銘醸地とされる畑を持ち、ボルドーの伝統的なスタイルでワインを造り続けるシャトーと、ほぼ同じ醸造工程を辿る贅沢なワイン。メルローを主体にブレンドをして、15カ月間熟成。まろやかな味わいながら、力強さのあるカロン・セギュールのスタイルも感じられる。
液体容量 | 750ml |
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アルコール度数 | 13容量パーセント |
品種 | メルロー、カベルネ・ソーヴィニヨン |
産地 | サン・テステフ |
Chateau Lassegue
シャトー ラセーグ
5500円(楽天)
複雑で魅力的な香り、凝縮した旨みのあるワイン
シャトー ラセーグは、ボルドーの右岸、ユネスコの世界遺産にもなっているサン・テミリオンに あるシャトー。日照がとてもよい恵まれた立地のため、シャトーの正面にある日時計の飾りがラベルにも描かれている。ステンレスタンクで約15カ月醸造した後、フレンチオーク樽で12カ月熟成。熟したプラムやカシスなどの果実、キノコやスパイスの香りが広がる。
液体容量 | 750ml |
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アルコール度数 | 14.5容量パーセント |
品種 | メルロー、カべルネ・フラン、カベルネソーヴィニヨン |
産地 | サン・テミリオン |
Poupille
プピーユ
4239円(Amazon)
オーナーの豊富な経験から造り出されるワインは濃厚でなめらか
より自然な栽培方法を求め、収穫時期を厳しく見極めるオーナーのフィリップ・カリーユ氏。1790年にはワイン造りを始めていた醸造一家の出身で、海外でも醸造の経験を持つ。日本ではワイン漫画『神の雫』に登場したことでも有名なワインで、使用するブドウはメルロー種100%。果実味に溢れる豊かな味わいが特徴だ。
液体容量 | 750ml |
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アルコール度数 | 13.5容量パーセント |
品種 | メルロー |
産地 | コート・ド・カスティヨン |
Chateau LAFON ROCHET
シャトー ラフォン ロシェ
5780円(Amazon)
凝縮した味わいと余韻の長さが魅力の名品
テスロン家が所有する格付け4級シャトー。砂利や粘土、石灰などが入り混じった土壌で構成される畑を持つ。メルローの含有率をアップさせるなど、高品質なワインのため、常に管理と手入れを怠らない。その妥協を許さない姿勢が、コクのある素晴らしい果実味とスムースな口当たりのワインを生み出す。
液体容量 | 750ml |
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アルコール度数 | 14容量パーセント |
品種 | カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、カベルネ・フラン、プティ・ヴェルド |
産地 | サン・テステフ |
CH.LAGRANGE (シャトー・ラグランジュ)
シャトー ラグランジュ
8400円(Amazon)
長期熟成にも耐える高品質なワイン造り
サントリーが有するシャトーの始まりは、17世紀と古い。ワインの品質に見合ったブドウを育てるため、畑の持つポテンシャルを最大限に引き出すための挑戦を続けている。ステンレスタンクで発酵と醸造を行い、ブレンド後に18~20カ月熟成。果実味となめらかに溶け込んだタンニン、長い余韻が感じられる。
液体容量 | 750ml |
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アルコール度数 | 13.5容量パーセント |
品種 | メルロー, カベルネ・ソーヴィニヨン |
産地 | サン・ジュリアン |
よくある質問
ボルドーワインにあうお料理は?
赤ワインならラム肉や牛肉、鴨など、シンプルに焼いたお肉料理に合わせて。アントル・ドゥー・メールの白ワインを牡蠣と合わせるのも楽しいです。甘口ワインには、焼き菓子のカヌレ・ド・ボルドーを合わせるのもオススメ。
ボルドーワインとブルゴーニュワインの違いはなに?
西のボルドーと、東のブルゴーニュはどちらもフランスワインを代表する産地。
歴史的にボルドーはイギリスの影響が大きく、ワインを運搬するため、川沿いにシャトー(お城)を建て、発展していった。ワインの品質を安定させるために、ブドウ品種をブレンドする技術も特徴的。
ブルゴーニュはブドウ栽培において、特に恵まれた土壌と気候、地形をもつ。土地の個性を活かす単一の品種でワイン造りが行われている。栽培面積が限られていて、一度に造れるワインの量も少ないため、良質なワインは希少価値が高まりやすい傾向がある。
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