おせち料理と好相性のスパークリングワイン。おいしさの秘密は手間をかけた製造過程にあり
日持ちを意識して作られているおせち料理は、味が濃くて甘めな一品が多いもの。一方、スパークリングワインもやや甘口のものが多く、舌に心地いいシュワシュワの泡が味をリセットしてくれることから、多彩な料理が並ぶおせちにぴったり。
スパークリングワインは、1次発酵でアルコールが発生したワインに、瓶内やステンレスタンクで2次発酵を施して炭酸ガスを生成し、リキュール添加による糖分調整“ドサージュ”を行って作られるのが特長。
また、世界の代表的なスパークリングワインは、フランスの「シャンパン」、イタリアの「プロセッコ」、スペインの「カヴァ」、ドイツの「ゼクト」の4つ。いろいろ飲み比べて好みの銘柄を探索するのも楽しい。
熟成感のあるカヴァ、フレッシュな果実感のプロセッコなど、国内外のおすすめスパークリングワイン
華やかな料理を味わう機会が多い年末年始におすすめのスパークリングワイン4種はこちら(写真左から)。
1つめはスペインを代表するロングセラーのカヴァ「フレシネ」。手積みしたぶどうの一番搾り果汁のみを抽出した雑味のないすっきりした味わいと、長い熟成期間により生まれたきめ細かな泡と熟成感で、どんな料理にも合わせやすい。
2つめはプロセッコの都・ヴァルドッビアーデネで130年以上の歴史を紡ぐワイナリーの「ミオネット」。欧米で人気急上昇中の銘柄で、華やかな香りとやさしい果実感が印象的。
3つめは同じくプロセッコの「ヴィッラ サンディ」。果汁のまま冷凍状態で醗酵されるまで保存することで、爽快なキレと果実感がしっかり感じられる仕上がりに。
そして最後は日本のスパークリングワイン「雫音(しずね)」。ゆずとかぼすの2種があり、柑橘をキュッと絞ったような爽やかな酸味と果実感が特長。特に出汁との相性が抜群で、おせちのほかに鍋やおでん、カキフライといった和食によく合う。
メニュー別の最適スパークリングワインは?いろいろ揃えて最高のマリアージュを
さらに具体的なおせち料理とのペアリングをご紹介。
お刺身や焼き魚にはキリッと辛口のカヴァ「フレシネ コルドン ネグロ」がおすすめ。栗きんとん、伊達巻といった甘めの料理には、やや甘口で柔らかな「フレシネ カルタ ネバダ」を。イチゴを思わせる華やかな香りと味わいの「フレシネ セミセコ ロゼ」は黒豆や鴨ロース、また中華やエスニックな味付けとも好相性。かまぼこやエビ、アワビといった淡白な魚介にはフレッシュ&フルーティな「ミオネット」や「ヴィッラ サンディ」がマッチ。紅白なますなど、酸味のある料理や出汁の効いた和食は「雫音」と味わうと箸が止まらなくなりそう。
ただし、数の子やイクラなどの魚卵、また松前漬けなどはワインを生臭くしてしまうため、ペアリングには不向きだそう。意識して選んでみて。
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PHOTO/KAZUHITO MIURA WRITING/EMIKO OKAZAKI