日本酒一合瓶専門店「ICHIGOU」の店長がセレクト。琥珀色にとろける贅沢な熟成酒5選
温泉の熱と常温、2度熟成させることでふくよかな味わいに
宮城県の「一ノ蔵」は伝統的な日本酒をはじめ、スパークリングや低アルコールのお酒など、新しいお酒づくりにも力を入れている蔵元。この「一ノ蔵 Madena までな」は、ポルトガルのマデイラ・ワインの製法を取り入れているという熟成酒。
「鳴子温泉の温泉熱で加熱熟成し、さらに常温で熟成させているのが特徴です。カラメルやドライフルーツのような香りと芳醇な甘み、ほのかな酸味があり、チーズやナッツ類とよく合います」
お酒で仕込んだ貴醸酒を熟成させた、濃厚な味わいのお酒
広島県呉市にある「榎酒造」は日本で初めて“貴醸酒”を造った蔵元。貴醸酒とは、酒を仕込む際に水の代わりに純米酒を使ったもので、コク深く濃厚な味わいが特徴。この「華鳩 しおり」には8年以上熟成した貴醸酒がブレンドされている。
「濃密な甘みがあり、グラスに注いだときに美しく琥珀色にきらめくお酒です。フォアグラや豚の角煮などこってりしたお料理と合わせるのがおすすめ。アイスクリームにかけてもおいしいですよ」
日本の米作りを変えたい!という思いから誕生したお酒
兵庫県の「沢の鶴」は、創業300年以上の歴史を誇る老舗の蔵元。定番の純米酒に加えて熟成酒にも力を入れている。この「X03 貴醸酒原酒」は新しい酒米を作るために発足したプロジェクトから生まれたものだという。
「こちらも水の代わりに日本酒で仕込んだ貴醸酒がベース。お米ならではの上品な甘味、旨味が含まれていて、煮込み料理やチーズなどと相性がいいと思います。デザインにこだわったボトルやケースのデザインにも注目」
すっきりとフルーティーな香りと甘みが味わえる
少量高品質をコンセプトに酒造りを行っている山形県の「和田酒造」。「あら玉 1999年醸造 特別純米古酒」は20年以上熟成させているとは思えないほど澄んだ色合いで、ワインのような上品な味わい。
「徹底した品質管理のもと、美しい琥珀色と熟成した深い味わい、香りに仕上げられています。ほかの熟成酒にはないフルーティーさも魅力。牛肉を使った料理全般や、味の濃い料理と合わせるのがおすすめです」
熟成年数による違いを飲み比べてみたい!
古酒(熟成酒)を代表する銘柄として全国で知られているのが、岐阜県の「達磨正宗」。昭和40年代から取り組んでいるという熟成酒は年数によって商品が揃い、時間を経るとお酒の香りや味わいがどのように変化していくのかが楽しめる。
「中でもおすすめは熟成十年。ドライフルーツのような甘い香りの中に、ほんのりスパイシーさがあります。相性がいいのは中華やお肉を使った料理など脂の多い料理。食後酒にもおすすめです」
白木恒助商店 達磨正宗
熟成三年495円、五年古酒1045円、十年古酒1650円、二十年古酒3300円
容量:各180ml
アルコール度数:16~19%(熟成年数によって異なる)
日本酒にぴったりのおつまみも!
ICHIGOUでは日本酒に合うおつまみも販売中。コクのあるクリームチーズを酒粕に漬け込んだ「船中八策酒粕クリームチーズ」(616円)は、今回紹介した熟成酒にもぴったり。このほか、「くじらの和ヒージョ」(572円)などちょっと珍しい缶詰や、沢の鶴酒造の酒粕を使用した「奈良漬」(390円~)もおすすめ。
今回紹介した熟成酒が買えるのはココ
日本酒一合瓶専門店「ICHIGOU(いちごう)」
蒲田駅近くにあるカプセルホテル「レックスイン」に併設した、日本酒一合瓶専門店。もともとはホテルのロビーを活用するために始めたお店で、今では全国各地から集めた日本酒の一合瓶約220種類が揃う。1本約300円~と手頃な価格のものも多いので、飲みきりサイズでお試しできるほか、手土産やお酒が好きな方へのギフトとしても人気。
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【特集】飲んだら幸せ!OSAKE JIKAN
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PHOTO/TAKASHI KATO WRITING/MINORI KASAI