日本酒しっぽり。女2人酒 vol.004
【第4月曜日 16:00 更新】
慌ただしい毎日のなか、気の置けない女友だちと、おいしい日本酒を飲みながら心ゆくまで女子トークに花を咲かせたい。そんな居心地のいいお店を、日本酒好きライター浅井直子が厳選してご紹介します。
更新日:2016/09/26
おしゃれに日本酒が飲めるバルの先駆け!女性オーナーによる、スパニッシュと日本酒のいい関係
スペイン料理と日本酒という斬新な組合せで知られる「和酒バル(R)KIRAZ」。スペイン料理の魅力にどっぷりはまった女性オーナーによる2009年のオープン以来、新しい食体験にトライしてみたい日本酒初心者から、日本酒と料理のペアリングを楽しむ上級者まで、相変わらず幅広いファン層で、日夜賑わっています。こちらで、日本酒のおいしさや楽しさに開眼した女性は数知れず。さぁ、次はきっとあなたとお友達の番です。
「KIRAZ」で“女2人酒”が弾む3つの理由
スペイン料理×日本酒の組合せにびっくり!食べればお酒との無限ループに二度びっくり!
黒板メニューに並ぶのは、「イチジクとチーズの鹿肉巻き」、「鱧のアヒージョ」と、一見日本酒のお店らしからぬ料理名。でも、オーナーの馬宮加奈さんにとっては、スペイン料理と日本酒は、ごく自然な組合せでした。
「10数年前、3ヶ月間、ヨーロッパを食べ歩いたのですが、そのうち1ヶ月は、スペインの食べ歩きに費やしました。もう何を食べてもおいしくて。その時、“ああ、今ここに日本酒があったら・・・”と自然に、日本酒を欲したんです」と、馬宮さん。実は馬宮さんのご実家は、徳島県の銘酒「三芳菊」醸造元、三芳菊酒造。ちょうどその時、お兄様が蔵を継ぎ、東京での販売が始まったのがきっかけで、日本酒のおいしさに目覚めたタイミングでした。
「スペイン料理は、素材の良さへのこだわりや、シンプルな調理の中に感じるうまみなど、和食に通じる部分があります」。そのうまみと日本酒の相性の良さと言ったら! 普段より盃が進むこと間違いなしです。
甘酸っぱい味わいと個性的なラベルが光る!「三芳菊」のラインナップが充実
ちらでは、常時50種類の日本酒がスタンバイ。そのうち1割は、馬宮さんのご実家の酒、「三芳菊」が常に揃うため、密かにそれを目当てにやってくる人も。
「うちには日本酒のメニューはありません。日本酒の需要に繋がるような、出会いの一杯が見つけられるよう、常に蔵や銘柄の入れ替えをしながらセレクトしています」。そのため、いろいろ試せるようお酒の量は45ccから。これなら、お気に入りの一杯に出合える確率もぐっと上がりますね。
日本酒を飲む女性の佇まいが美しく見える、元ギャラリーを改装したシックな空間
静かに流れるジャズの音色。フェミニンでシックな配色のインテリア。馬宮さんが、以前ギャラリーだった空間を改装する際イメージしたのは、「日本酒を飲む女性がエレガントに見えること」。
その思いは伝わり、女性のお客さんが7割だそう。「女性二人でゆるゆる飲んでもらえたら、とっても嬉しいです」と、チャーミングに微笑む馬宮さん。それでは、お言葉に甘えて、秋の夜長、居心地のいい空間でゆるりと盃を傾けるとしましょうか。
和酒バル(R)KIRAZ
TEL.03-3712-7277
東京都目黒区三田2-9-5
営業時間/ディナー 火~金18:00~24:00、土17:00~24:00、日祝17:00~22:00
ランチ 土日祝12:00~15:30 月定休(祝日の場合は翌火曜)
席数/18席 ※1部屋4名の個室あり
アクセス/JR山の手線・日比谷線恵比寿駅より徒歩10分、JR山の手線・メトロ南北線・都営三田線・目黒駅より徒歩10分
平均予算/7000円
カード利用可 予約可
完全禁煙
※月曜が祝日の場合、日曜は24:00まで
※フードのラストオーダーは閉店1時間前まで
※ドリンクのラストオーダーは閉店の30分前まで
文/浅井直子
サケニスト。「TOKYO SAKEGRAPHY」主宰。日本酒を取り巻く人と風土の魅力に惹かれるうちに、雑誌やwebメディアでの執筆や、蔵元を招いた女性限定イベントや、DJを絡めた日本酒イベントなども主催。「日本酒を知ることは日本を知ること」「日本酒をブームではなく、カルチャーに」をモットーに、活動している。
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PHOTO/AYUMI OSAKI ILLUSTRATION/HONGAMA