炊きたてのごはんと一緒にいただきたいのが、あたたかい味噌汁。でも、毎回作るのは面倒だし、日持ちもあまりしないから、自宅ではあまり作らないという人もいるのでは? そこで今回、手軽に作れて長く保存できる即席味噌汁「みそまる」を考案し、テレビや雑誌など多方面で活躍している藤本智子さんに、味噌の魅力や「みそまる」の作り方を教えてもらった。
毎日の味噌汁習慣で、体の中からきれいに
1300年以上前から食べられている味噌は、日本料理に欠かせない発酵調味料のひとつ。「“味噌は医者いらず”とも言われていて、さまざまな面で健康に効果があるとされています」と話すのは、味噌を愛し、味噌の素晴らしさを伝え続ける藤本智子さん。
実は藤本さんは、前職のアパレルショップ勤務時代、不規則な生活習慣からひどい肌荒れになったのを機に食生活を見直し、「本当に体によいもの」を求めて味噌に辿り着いたという。毎日味噌汁を飲むようにしたところ、体質が改善され、体の中から健康になっていくのを実感。そんな経験から、もっとたくさんの人にお味噌汁を飲んでもらいたいと、新感覚の即席味噌汁“みそまる”を考案した。
「自宅でお味噌汁を作って飲む人は昔と比べると減ってしまいましたが、発酵ブームのおかげもあって、味噌の良さが少しずつ見直されています。みそまるなら簡単に作れるし、日本全国の“ご当地味噌”を食べ比べたり、ブレンドして使うのもおすすめですよ」(藤本さん)
いつでもどこでも味噌汁が飲める“みそまる”を作ってみよう
藤本さんが考案した“みそまる”とは、戦国時代に兵士達が陣中食として持ち歩いた「味噌玉」からヒントを得て生まれた即席の味噌汁。
作り方は簡単で、味噌とカツオ節や昆布などの粉末だし、お好みの具材を混ぜ合わせてボール状に丸めるだけ。具材は、切り干し大根やワカメなどの乾物をはじめ、野菜類、鮭やジャコ、チーズなど動物性の素材もOKだから、アイデア次第で組み合わせは無限大。冷蔵庫で約1週間、冷凍なら約1カ月間保存ができる。生食材を使用した場合は、早めに食べきって。
「具材にはなるべく乾燥しているものを選びましょう。お好みで、ごま油やケチャップなど調味料を加えてもOK。組み合わせ次第で和・洋・中にエスニック系と、いろんな味を楽しむことができますよ。そのままお味噌汁として飲むのはもちろん、鍋物や炊き込みごはんに加えたりとアレンジも自在です」(藤本さん)
食べるときはお椀やマグカップにみそまるを入れてお湯を注ぐだけ。まとめて作っておいて、お弁当と一緒に持参したり、ラッピングすればギフトにもぴったり。
基本の作り方(切り干し大根とわかめのみそまる)
1.切り干し大根は戻さず、長さ1.5cmに切る。油揚げは5mm角に切り、オーブントースターなどで軽く焼いて水分を飛ばす。
2.ボウルに味噌、粉末だし、切り干し大根、ワカメ、ネギを入れて混ぜ合わせ、油揚げを加えてさっくりと全体を混ぜ合わせる。油揚げは柔らかく形が崩れやすいので、後から入れるのがポイント。
3.ヘラなどで10等分し、手で丸めて花麩を乗せる。
4.ひとつずつラップで包み、タッパーなどに並べて冷凍庫で保存する。
<材料(10個分)>
味噌 180g
カツオ節粉末か煮干し粉末 大さじ1~2
※顆粒だし小さじ1~2でも代用可能
切り干し大根 15g
乾燥ワカメ 大さじ1
油揚げ 2/3枚
乾燥ネギ 大さじ2
花麩 10個
秋におすすめ!OZ特製「鮭とチーズのみそまる」
今回、藤本さんには、秋におすすめのОZ特製みそまるレシピを考案してもらった。主な食材は、秋の味覚でもある鮭と、女性に人気のチーズ。洋風食材のチーズは味噌汁とも相性抜群。とろーりとろけるチーズや、鮭がコクを増し、意外なおいしさにはまりそう。ホウレン草をプラスすることで彩りよく、栄養バランスもアップ。スパイシーなブラックペッパーはお好みでどうぞ。
作り方
1.ボウルに味噌、粉末だし、チーズ、乾燥ホウレン草、ブラックペッパーを入れ、全体的に混ぜ合わせる。
※乾燥ホウレン草の作り方は、洗ったホウレン草をキッチンペーパーなどで水分をしっかり拭き取り、日当たり・風通しの良い場所に干して乾燥させればOK
2.10等分にして丸め、鮭フレークで全体的にコーティングする。
3.星型に抜いたスライスチーズをトッピング。
<材料(10個分)>
味噌 180g
カツオ節粉末 大さじ1~2
※顆粒だし小さじ1~2でも代用可能
ピザ用チーズ 50g
乾燥ホウレン草 5g
ブラックペッパー 適量(お好みで)
鮭フレーク 50g
スライスチーズ 2枚
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PHOTO/MIHARU KIMURA WRITING/MINORI KASAI