しょうゆ、味噌、酢、甘酒、かつお節など、日本で古くから愛用され発展してきた発酵食品の数々。ユネスコの世界遺産に登録された「和食」を支える食材としても、今や世界から注目を集める存在となっている。そんな日本の食文化にスポットを当て、麹を中心とした発酵食品を厳選して紹介するコンセプトショップが、神楽坂にオープン。日本食の魅力の奥深さを訪ねてみよう。
甘酒:今代司酒造株式会社(新潟県) 塩:新海塩産業(石川県)酢:九州酢造(福岡県) 醤油:森田醤油(島根県) 麹:菱六(京都府)
地元特産の味噌や老舗の米麹など発酵食品が充実のラインナップ
2017年11月19日(日)に神楽坂でオープンする「のレンMURO神楽坂」は、発酵食品と日本の調理道具を厳選して販売するコンセプトショップ。神楽坂は、江戸時代に全国から船で物産品が集まる場所として栄えた歴史があり、発酵食品についてもたくさんの問屋が並んでいたそう。そんな縁を持つ場所に誕生したショップでは、産地や成分、品質にこだわった数々の商品を取り扱う。
ラインナップは、大豆、麹、塩を発酵させて作る味噌やしょうゆ、米を発酵させた酢や、かつお節、出汁(だし)、甘酒など。加えて、もやし(麹菌)屋として300年以上の歴史がある京都の老舗種麹屋「菱六」の麹菌・乾燥米麹も。「菱六」は東京初の店舗販売になるとか。このほかに、 創業100年を超える京都のメーカー「公長齋小菅(こうちょうさいこすが)」の竹を使った調理器具などもあるので、和食に興味のある人なら一度はチェックしたくなるはず。
各地の自然の恵みをいかし、こだわりの製法で作られた逸品が揃う
全国から集められる発酵食品は多種多様だけど、どれも産地や製法にこだわりを持った逸品ばかり。例えば、島根県にある「森田醤油」は、きれいな水と空気に恵まれた奥出雲地方のメーカー。こちらは山奥にあって寒暖の差が大きいため、冬の時期に作るしょうゆの寒仕込を行える期間が長く、しょうゆの発酵には最適の地域なのだとか。ゆっくり時間をかけて発酵させると、味にコクや深みが増すそう。
さらに、原料選びから、製麹、もろみ管理、火入れまでを一貫して自社工場で管理し、奥出雲のおいしいわき水を使って、自然の状態を生かした醤油づくりを行っているという。豊かな自然の恵みをいかして、丁寧に作られる発酵食品は、それだけでも健康な品質が伝わってくる。また、発酵食品には日本発祥の「うま味」成分も多く含まれているそうなので、味わいの面でも注目したい。
手軽に発酵食品を楽しみたいなら「甘酒」のアレンジがおすすめ
発酵食品を楽しむのに、取り入れやすいアイテムについて聞いてみた。「一番のおすすめは甘酒です。材料の米麹にはビタミン類を作る働きがあり、甘酒に含まれる乳酸菌が腸内バランスも整えるので、健康的。コウジ酸には美肌作用も期待できるので、美容にもいいですね」と、広報担当者さん。
例えば、甘酒にリンゴジュースを組み合わせたり、アボガドと牛乳をブレンドして混ぜたり、これからの季節にぴったりの生姜湯を加えたり、自由にアレンジできる栄養ドリンクがおすすめだそう。「甘酒とジュースは1対1、またはお好みで1対1.5くらいの配分がおいしいと思います。甘酒にはブドウ糖、必須アミノ酸、ビタミンB群がたっぷりと含まれているので栄養価の高いドリンクになります」(同)
清潔感あふれる白木造りの店内で、日本が世界に誇る発酵食品の数々をチェックして。
スポットDATA
- スポット名
- のレンMURO神楽坂店
- 電話番号
- 0355792910 0355792910
- 住所
- 東京都新宿区神楽坂1-12-6
- 営業時間
- 10:00~21:00(年中無休)
- 定休日
- 年中無休
- 交通アクセス
- 東京メトロ東西線ほか「飯田橋駅」B3出口すぐ
- ホームページ
- のレン NOREN HP
WRITING/NAOKO YOSHIDA (はちどり)