「GINZA SIX」に日本人アーティスト・塩田千春さんが手がける新作アートが登場

GINZA SIXに日本人アーティスト・塩田千春さんが手がける、2019年の新作アートが登場

更新日:2019/03/14

展示が変わるたびに大きな注目を集める、「GINZA SIX」の吹き抜け空間を使ったアート作品。2019年の第1弾として、日本人アーティスト・塩田千春さんが手がけるインスタレーションが登場。今回は特別に、塩田さんに作品に込めた思いや楽しみ方を教えていただきました。

世界を舞台に活躍する塩田千春さんとは・・・

6つの船
大きな6隻の船は、ひとつずつヨットや漁船などあらゆる船を研究して作ったという

さまざまな方向に向かって前進する船が作品のモチーフ

東京・銀座にある「GINZA SIX」では、“感性を刺激するおもてなし”として、中央吹き抜け空間を活用したアートプログラムを展開。2019年2月27日(水)から10月31日(木)(予定)までは、国際的に活躍するアーティスト・塩田千春さんが手がけた《6つの船》が展示されている。

塩田千春さんは、ベルリンを拠点に活動する国際的アーティストとして、これまでに250展以上の展覧会に参加。2019年6月から森美術館で大規模な個展が開催されるなど、精力的に活動している。今回の展示は、草間彌生さんに次いで2人目の日本人アーティストの起用とあって大注目。最大で全長5mとなる6隻の船が、無数の白い糸に吊されている様子はどこか幻想的だ。

掌の鍵
塩田千春《掌の鍵》2015年 古い鍵、ベネチアの木製の船、赤い毛糸 展示風景:第56回ベネチア・ビエンナーレ国際美術展(イタリア)2015年 撮影:Sunhi Mang

世界に名を馳せたひとつが、ベネチア・ビエンナーレ

塩田さんの作品に多く取り入れられているのが“船”のモチーフ。これには、幼い頃に大阪から高知県にある親戚の家に行くために、家族で船に乗って旅をした思い出がもとになっているという。
「船は人やものだけでなく、記憶や時間も運びます。船のモチーフは“私たちは何を求めて、どこへ向かおうとしているのか”という問いを表しています」(塩田さん)

写真は2015年のベネチア・ビエンナーレの日本館代表に選ばれた《掌の鍵》。古びた2隻の船に赤い糸で18万本の鍵が吊されたこの作品は、世界中のメディアが注目。開催地のベネチアで人々の生活に深く関わる船から着想を得た作品で、実際に使われた鍵を集めたという。

どこへ向かって
塩田千春《どこへ向かって》2017年 白毛糸、ワイヤー、ロープ 展示風景:「どこへ向かって」ル・ボン・マルシェ(パリ)2017年 撮影:Gabriel de la Chapelle

パリのボン・マルシェでのインスタレーションも話題に

2017年には、世界最古の百貨店といわれているパリのボン・マルシェにおいて、吹き抜け空間に、白い糸で編み込んだ150隻の船を黒い糸で吊した「どこへ向かって」を展示。大小さまざまな船が前進する姿を天井まで余すことなく使って表現された壮大な作品は、ボン・マルシェに訪れる人を驚かせた。

真上から、横から、真下から・・・GINZA SIXの店内を移動しながら360度堪能

塩田千春さん
アートに込めた思いを丁寧に語ってくれた塩田千春さん

塩田さんの若い頃の夢は、いつか銀座で作品を展示すること

「船の数はGINZA SIXにちなんで6隻。さまざまな形の船が集まって、色んな方向へ前進しようとしている様子を表しています」と話す塩田さんにとって銀座は、思い出の街でもあるという。

「大学を卒業したばかりの頃、銀座の画廊で個展をするのが夢で、かばんの中にポートフォリオを入れて銀座の街を歩き回りました。画廊を見つけるたびに売り込みをしようと思いながらも、なかなか中に入れなくて・・・。だから今回、この場所で自分の作品を発表できることがすごく嬉しいです」(同)

6つの船
真上・真下から眺めると花びらのようにも見える。同じ作品でも、白と黒の2色の印象も変わる

施設内をぐるりと巡りながら、好きなアングルを探そう

全方位から作品を楽しめるのは、商業施設ならでは。実在する船をモチーフに、黒いフェルトと鉄枠で作られた6隻の船は、見る場所によってさまざまな表情を見せる。

「ボン・マルシェが白い船と黒い糸だったので、今回は逆の配色にしようと決めました。GINZA SIXがとても華やかな場所なので、雰囲気に合うように、真上や真下から見るとお花の形になるように配置しています。おすすめは、6隻がすべて見渡せる3階の角。見る角度によっては、糸が光を反射してキラキラ輝いて見えるんですよ」(同)

ショッピング中やエスカレーターに乗りながら、くまなくアートを楽しんで。

解説ボード
館内には塩田さんのプロフィールや解説を紹介するボードも

「アートって楽しい!」と感じるきっかけになれば

作品を通して、アートをもっと身近に感じてほしいという塩田さん。

「情報やものがあふれている便利な時代だけれど、どこか心が満たされていない・・・という人も多いのではないでしょうか。そんなときに1枚の絵に心を揺り動かされたり、アートが心を満たしてくれることがあると思うんです。身構えず、その作品から受ける第一印象を大切にしながら、アートを楽しんで」(同)

3階には今回の《6つの船》に込めた塩田さんからのメッセージや、これまでに手がけた作品を紹介する解説ボードも設置されている。作品にインスピレーションを刺激された人は、ぜひこちらもチェックしてみて。

塩田さんがお気に入りという角度は、3階エスカレーター付近(中央通り・銀座5丁目寄り)。6隻が角度を変えて見渡せる
GINZA SIX

施設情報/GINZA SIX

電話番号
0368913390 0368913390 GINZA SIX 総合インフォメーション(10:30~20:30)※店舗休業日を除く
住所
東京都中央区銀座6-10-1 Map
営業時間
ショップ・カフェ(B2F~5F)10:30~20:30、レストラン(6F、13F)11:00~23:00 ※一部営業時間が異なる店舗あり
定休日
不定休
交通アクセス
東京メトロ銀座線・丸の内線・日比谷線銀座駅A3出口より徒歩2分
駐車場
445台 300円/30分 ※お買い上げ優待あり
ホームページ
公式HP
※記事は2019年3月14日(木)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります