ミュージカルと音楽とは、切っても切れない存在。「劇団四季」で上演されるミュージカルの音楽は、世界的に活躍するアーティストによって作られているのを知っていますか? 物語を盛り上げる名曲を予習しておけば、観劇を何倍も楽しめるはず。そこで今回は、ミュージカルに登場するキャラクターたちの思いを乗せた、美しいメロディを手がける名作曲家たちや、オズモール編集部おすすめの楽曲をご紹介します!
物語の主要キャラクターのひとり“グリザベラ” 『キャッツ』 撮影:荒井健
【ABBA(アバ)】
カーテンコールでは思わず踊りたくなる『マンマ・ミーア!』
70~80年代を席巻したダンスナンバー!
結婚式前夜の母と娘の物語を描いた『マンマ・ミーア!』を彩るのは、スウェーデン出身の男女4人組アーティスト「ABBA(アバ)」のナンバー。デビュー以来、数多くのヒットシングルやアルバムを生み出し、ヨーロッパのあらゆるチャートを制覇。その後、アメリカや日本などでもヒットするなど世界的に成功を収める。1982年に突如解散するも、彼らの音楽は世代や国境を越えて愛され続け、現在までに世界中でシングル・アルバム併せて4億枚以上を売り上げている。
OZ編集部おすすめ曲3選
■マンマ・ミーア/Mamma Mia
ミュージカルのタイトルともなっている名曲で、イタリア語で“なんてこった!”を意味する。ちょっとミステリアスな始まり方が、喜怒哀楽とハプニング、そしてサプライズに満ちた舞台を象徴しているよう。
■勝者が全てを/The Winner Takes It All
愛する人に去られ、人生に敗れた女性の思いが綴られた歌詞は、この舞台の主人公・ドナの心情そのもの。この曲をヒントにミュージカルが生まれたともいわれ、隠れたテーマソングとも囁かれている。
■ダンシング・クイーン/Dancing Queen
ミュージカルを盛り上げるのは、ディスコ全盛期に大ヒットしたこの名曲。主人公ドナが2人の親友とともに、まるで青春時代に戻ったかのようにこの曲を熱唱するシーンは印象的。カーテンコールでのちょっとレトロな衣裳にも注目。
【アンドリュー・ロイド=ウェバー】
楽曲とともに個性豊かな猫たちが紹介される『キャッツ』
ミュージカル音楽の奇才作曲家&音楽プロデューサー
『キャッツ』や『オペラ座の怪人』など、名作ミュージカルの音楽を手がけるアンドリュー・ロイド=ウェバー。1970年、作詞家のティム・ライスと発表した「ジーザス・クライスト=スーパースター」のレコードが世界的にヒットしたのをきっかけに、多くのミュージカル音楽に携わるように。イギリスの詩人・T.S.エリオットが猫について書いた詩集から生まれた『キャッツ』では、猫たちの個性豊かなキャラクターを音楽で巧みに表現。ポップからバラードまで、彼の楽曲は根強く支持されている。
OZ編集部おすすめ曲3選
■ジェリクルソング/Jellicle Song
ミュージカルの冒頭で歌われる、個性あふれる“ジェリクルキャッツ”を紹介する一曲。神出鬼没の猫たちが舞台のどの場所から歌い、踊り出すか、目が離せない。
■スキンブルシャンクス-鉄道猫/Skimbleshanks:The Railway Cat
“夜行列車のアイドル”スキンブルシャンクスが、夜行列車に揺られながら乗客の安全な旅を守る仕事ぶりが描かれる楽曲。歌に合わせてジェリクルキャッツが舞台に汽車を作り出す演出は圧巻!
■メモリー/Memory
娼婦猫グリザベラが切ない思いを込めて歌い上げる名曲。ただし、原作の詩集にはこの猫は登場しない。物語にドラマ性を持たせるため加えられた“グリザベラ”に合わせて、ロイド=ウェバーが作曲を手がけた。
【アラン・メンケン】
数々の賞を総なめに!多くの「ディズニーミュージカル」を手がけた天才作曲家
誰もが一度は耳にしたことがある名曲揃い!
『アラジン』や『ノートルダムの鐘』など、多くのディズニー作品の楽曲を生み出しているのがアラン・メンケン。もともとミュージカル音楽を多く手がけていた彼の大きな転機は、ディズニーより作曲を依頼された長編アニメーション「リトル・マーメイド」。アリエルが歌う「パート・オブ・ユア・ワールド」や「アンダー・ザ・シー」など、劇中曲は公開から30年経った今も歌い継がれている。これまでにアカデミー賞8回、グラミー賞11回などさまざまな賞を受賞している天才作曲家。
OZ編集部おすすめ曲3選
■新しい世界-ア ホール ニュー ワールド/A Whole New World
『アラジン』の中で、魔法の絨毯に乗ったアラジンとジャスミンが、夜の街を眺めながら歌うラブソング。「僕を信じて」とアラジンがジャスミンに手を差し伸べる瞬間は、思わず胸がキュンとなる!
■アンダー・ザ・シー/Under the Sea
『リトルマーメイド』の主要キャラクターのひとり、カニのセバスチャンが歌う劇中歌。「海の中は天国さ」と歌う歌詞とリズミカルな曲調が人気を集めている。
■いつか/SOMEDAY
『ノートルダムの鐘』の劇中歌。“いつか人がみんな平等に暮らせる”という歌詞には、ジプシーという生い立ちのため迫害を受けてきたヒロインのエスメラルダの平和な未来への祈りが込められている。
【エルトン・ジョン】
生きる喜びや感動を伝えてくれる『ライオンキング』
イギリス出身のロックアーティスト!
“世界屈指のメロディメーカー”として知られるエルトン・ジョンが携わったのが、名作『ライオンキング』。誰もが一度聴いたら忘れられないオープニングテーマ「サークル・オブ・ライフ」や「ハクナ・マタタ」などを作曲。シンバとナラの愛を歌った「愛を感じて」は1994年度のアカデミー賞歌曲賞およびゴールデン・グローブ賞主題歌賞を受賞し、これらが収録されたアルバムは、当時、アニメーション作品のオリジナルサウンドトラックの中で全世界売上No.1を記録した。
OZ編集部おすすめ曲3選
■サークル・オブ・ライフ/Circle of Life
ライオンキングの舞台は、呪術師のラフィキが高らかに歌うこの楽曲と共に幕が上がる。オープニング部分のナゾの原語は南アフリカ共和国で話される“ズールー語”。動物たちが暮らすサバンナへ、一気に引き込まれるような気分に。
■ハクナ・マタタ/Hakuna Matata
主人公シンバが、イボイノシシのプンバァ、ミーアキャットのティモンとともに歌う劇中歌。ハクナ・マタタとはスワヒリ語で“心配ない”の意味。「心配ないさ」「悩みケトばす生き方」のポジティブな歌詞と、ポップで明るい曲調が大人気。
■愛を感じて/Can You Feel the Love Tonight
時を経て再会したシンバとナラが互いに惹かれ合う様子を歌った名曲。世界各国のヒットチャートにランクインし、エルトン・ジョンはこの曲でグラミー賞最優秀男性ポップ・ヴォーカル・パフォーマンス賞を獲得した。
【特集】もっともっと好きになる「劇団四季」
“ミュージカル”と言えば「劇団四季」を真っ先に思い浮かべる人も多いはず。日本最高峰の演劇集団で、恋、友情、成長・・・と、ひとつの物語の中にいくつものエッセンスが散りばめられたストーリーや、衣裳・音楽・舞台装置など見どころがたくさん! オズモール編集部では、初心者はもちろん、何度も観ているファンでも、よりぐっと劇団四季にハマる魅力をたっぷりご紹介します。一瞬にして非日常へ誘う、夢と冒険の世界に浸ってみませんか。
WRITING/MINORI KASAI