「劇団四季」の舞台といえば、作品の世界観を表現したセットや衣裳も楽しみのひとつ。さまざまな演目に合わせて作られる舞台装置・美術をはじめ、衣裳や道具類には細部にまでこだわりが。そこで、ロングラン上演中のディズニーミュージカル『ライオンキング』に密着し、その製作の舞台裏に迫ります。
(C) Disney 撮影:阿部章仁
まるでサバンナにいるかのよう!生き生きとした動物たちと大自然に感動
先日、初めて『ライオンキング』を観劇。歌やダンスはもちろん、まるでサバンナに迷い込んだような世界観にも感動しました! 後で聞いたところ、キリンやゾウ・ハイエナなど、なんと約70種類の動物たちが登場していたのだとか。ライオンたちの精巧なマスクをはじめ、エキゾチックな衣裳、舞台上で生き生きとした表情を見せる動物の人形(パペット)にも釘付けに。あのパペットなど舞台で使われる衣裳や小道具は、どのように作られているのだろうか。
衣裳や小道具は手作り!上演後には必ずメンテナンスも
華やかな舞台の裏側では、舞台装置(大道具)や小道具をはじめ、さまざまな分野の技術スタッフが製作に携わっている。『ライオンキング』の場合、衣裳や帽子などはコスチューム担当が作り、マスクやパペットは小道具担当、カツラや顔へのペイントは床山(ヘアメイク)担当と、複数の部署でひとつのキャラクターを作り上げているそう。
衣裳は、俳優が着心地よく、ストレスなく動けるように、一人ひとりの体型や動きに合わせて工夫しているのだとか。公演中は毎日メンテナンスが欠かせない。また、ひとつの役を複数の俳優たちが演じているため、個々に合わせてサイズなどの手直しも行っているそう!
動物を表現するマスクやパペットにも注目を!
『ライオンキング』を語る上で不可欠なのが、マスクやパペット(人形)! 俳優は、舞台上で歌ったり、踊ったり、飛んだり跳ねたり・・・と激しいアクションが多いため、軽い素材で頭や体にぴったりとフィットするように製作されている。動物たちが現れたら、精巧に作られた衣裳や表情豊かなパペットの細部にも注目してみて。
キャラクターの演技と連動する小道具も特徴的。シンバの父・ムファサや叔父・スカーのマスクは、実は俳優が手のひらにしのばせたスイッチで、ライオンらしい動きや表情を自由自在に表現しているのだとか。舞台上でのリアルな動作は、まさに本物のライオンのよう!
今回ご紹介したのはほんの一部ですが、舞台の裏側を知ると観るのがますます楽しみになりますね! 写真は、ムファサのマスク(レプリカ)。アフリカンアートとアジアの伝統芸能を融合した美しいマスクは、ぜひ劇場でチェックしてください。
【特集】もっともっと好きになる「劇団四季」
“ミュージカル”と言えば「劇団四季」を真っ先に思い浮かべる人も多いはず。日本最高峰の演劇集団で、恋、友情、成長・・・と、ひとつの物語の中にいくつものエッセンスが散りばめられたストーリーや、衣裳・音楽・舞台装置など見どころがたくさん! オズモール編集部では、初心者はもちろん、何度も観ているファンでも、よりぐっと劇団四季にハマる魅力をたっぷりご紹介します。一瞬にして非日常へ誘う、夢と冒険の世界に浸ってみませんか。
WRITING/MINORI KASAI