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ロングラン公演中の『キャッツ』や『ライオンキング』をはじめ、観る人の心を掴んで離さない「劇団四季」の舞台。今回特別に、劇団四季の稽古場がある施設「四季芸術センター」に、オズモール編集部が潜入してきました! 施設内の様子やレッスン風景など、華やかな舞台の気になる裏側をちょっぴりご紹介します。
劇団四季「四季芸術センター」
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劇団四季の本拠地「四季芸術センター」に特別潜入!
オズモール編集部が今回お邪魔したのは、あざみ野にある「四季芸術センター」。1983年に建設された施設で、2006年に増設された本館を含め、敷地面積は5200坪以上に及ぶそう。施設内には大小10の稽古場をはじめ、トレーニングジム、ライブラリー、衣裳・床山(ヘアメイク)・小道具などの工房、食堂も併設されています。ちなみにその中のひとつであるマッサージルームは、事前に予約をすれば一般の人も利用できるのだとか。
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オーディションに合格してからが“本当のスタート”
劇団四季の舞台に出演しているのは、難関をくぐり抜けて入団した劇団員や、演目・期間を限定して契約しているメンバー。基本的には、すべての配役はオーディションによって決定され、入団年数や経験にかかわらず、すべての劇団員にチャンスがあるのだそう。ただし、オーディションに合格してもすぐに出演できるわけではなく、舞台に立てるのは稽古を重ね、出演レベルに達すると認められた人のみ。
「慣れだれ崩れ=去れ」「一音落とす者は、去れ!」と書かれた貼り紙に、思わずこちらまで背筋がピン!と伸びました。
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すべての演目においてバレエは踊りの“キホン”
まずは朝10時から始まった、中・上級者向けのバレエレッスンを見学。ピアノの生演奏と、次々に変わる先生の指示に合わせて、軽やかにステップを踏む俳優は真剣そのもの! 緊張感がありながらも、「常に腰を意識しましょう。“腰が引ける”って、世界各国で共通していいイメージがありませんよね」という先生からの茶目っ気たっぷりのアドバイスに、笑顔になる場面も。
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そんな助言を受けながら、鏡に向かって動きや仕草を確認する俳優たち。立ち姿やしなやかな手足の指先の動き・・・こうした一つひとつが役に命を吹き込んでいくのだと実感しました。間近に見るどの俳優も、細身ながらほどよく筋肉が付いていて、キュッと引き締まった姿が美しい! まさに、日頃の厳しい訓練の賜物ですね。レッスンの前後には挨拶を欠かさず、全員で稽古場の床をモップがけして稽古は終了。
ところで、稽古場のほとんどが南向きに作られているそうで、見学当日は心地よい陽光がたっぷりと射し込んでいました。
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心に届くお芝居と美しい歌声の秘訣は“呼吸法”にあり
続いて、劇団四季の基礎ともいうべき「呼吸法(発声)」のレッスンを見学。毎日同じ時間に行われていて、劇団員全員が参加。ベテラン俳優から駆け出しの研究生まで、毎日たくさんの人が集まるのだそう。呼吸法担当の俳優の手拍子に合わせて、口を大きく開けて発声をする「開口訓練」を見ていると、離れた場所からもお腹の筋肉や表情筋がしっかりと動いているのがわかって、目が釘づけになりました。
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最後は、ミュージカル『キャッツ』の代表曲「メモリー」を全員で大合唱。スタジオ全体に響き渡る美しいメロディーに、思わず涙ぐむほど感動・・・! 今すぐ“ジェリクルキャッツ”たちに会いに行きたくなりました。
劇団四季の舞台は、こうした日々の努力と鍛練の積み重ねによって作り上げられているんですね。繊細かつ躍動的なダンスや迫力ある歌声など、レッスンの成果が惜しみなく発揮される舞台を、ぜひ劇場で体感してみてください。
【特集】もっともっと好きになる「劇団四季」
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“ミュージカル”と言えば「劇団四季」を真っ先に思い浮かべる人も多いはず。日本最高峰の演劇集団で、恋、友情、成長・・・と、ひとつの物語の中にいくつものエッセンスが散りばめられたストーリーや、衣裳・音楽・舞台装置など見どころがたくさん! オズモール編集部では、初心者はもちろん、何度も観ているファンでも、よりぐっと劇団四季にハマる魅力をたっぷりご紹介します。一瞬にして非日常へ誘う、夢と冒険の世界に浸ってみませんか。
WRITING/MINORI KASAI