童話の世界が一転恐怖のどん底に!舞台『人間風車』出演の加藤諒さんを直撃

話題の舞台『人間風車』のキャスト、加藤諒さんインタビュー

注目の舞台『人間風車』が2017年9月28日(木)から、なんと14年ぶりに新キャスト、新演出で上演される。同作は2000年と2003年に上演され、笑い、恐怖、感動のすべてが詰まったエンターテインメント性の高さと、その内容の衝撃度の強さで話題となった人気作。いったいどんな内容なの?と気になる人も多いはず。そこで、主要キャストの1人、加藤諒さんを訪ね、作品の魅力や舞台上演への意気込みなどを聞いてきました。

Kaz.Sasaki

更新日:2017/07/25

<ストーリー>
童話作家の平川は、その作品の内容がひねくれているせいで1冊の本も出版できず、新聞配達をしながら暮らしている。でも近所の子供たちはそのおもしろさに夢中で、彼は毎週末、近所の公園で子供たちに自作の童話を聞かせていた。そんなある日、子供たちに交じり話を聞く不思議な青年、サムが現れる。そんな中、平川は女優でレポーターのアキラに出会い、恋をする。ついに傑作童話を書き上げた平川だったが、その作品がきっかけとなり、親友に裏切られ、恋人から誤解され、世間からは見捨てられてしまう。ぼろぼろになった平川は恐るべき行動を取ることに・・・。

話題の舞台『人間風車』のキャスト、加藤諒さんインタビュー

今の自分にしかできないキャラクターを表現したい

――今回、加藤さんはどんな役を演じられるのでしょうか。

サムという役で、ちょっと変わったというのかな、ほかの人と少し違った感性を持っている31歳の青年です。童話作家の平川という男が毎週末、公園で子供たちに自作の物語を聞かせていて、そこに物語の登場人物と同じ格好をしたサムがやって来て一緒に話を聞いているんです。平川の童話は子供の親からもクレームがくるようなすごくヘンテコな物語なので、最初はサムもクレーマーだと思われるのですが、そんな平川の物語を聞くのがすごく好きな、登場人物になりきってしまうピュアな青年なんですね。

――すごく個性的で難しそうな役どころだと思われるのですが、役づくりなど、意識されていることはありますか。

サム役は、2000年に阿部サダヲさん、2003年に今回の演出の河原雅彦さんが演じられたのですが、やっぱり、絶対にコピーにならないようにと思っています。お稽古はこれからなので、今の僕がサムを演じるたらこうなる、というのをしっかり見つけていきたいですね。初演を見てそのとき受けた印象は壊さないようにしつつ、物語全体の中で心にグッときたところは大切に演じたいですし、そういうところをかき集めて自分なりの味付けをしていけたらいいなと思いっています。

話題の舞台『人間風車』のキャスト、加藤諒さんインタビュー

たった今まで笑っていた自分が怖くなる、そんな不思議な感覚が

――過去に上演された舞台(DVD)をご覧になったときの、ご自身の感想をお聞かせください。

ヘンテコな童話が出てくるので、最初はすごくおもしろくて、穏やかな始まりなのですが、途中から童話とは正反対の現実的な問題が襲ってくるんです。人間関係で心がぎゅーっと締めつけられるところもあって、渦を巻くかのような人間ドラマが織り込まれています。

急に展開がどんどん変わっていって、目の前を流れるようにすごいことが次々に起こっていくんです。今まで笑って舞台を見ていたのに、その笑って見ていたことすら怖く感じるというか。そういう不思議な感覚がすごくおもしろいですね。ネタバレしちゃうので、あまり詳しく伝えられないのが残念です。

――平川さんが語ってくれる童話というのは、どういったお話なのでしょうか。

ファンタジーなんだけどクスッと笑っちゃうような、童話とはいえすごくシニカルで、大人が聞いてもおもしろい話なんです。親は教えてくれないけど、子供も薄々わかっているような現実を話すので、そういう不謹慎さに子供たちは結構はしゃぐんです。むしろ子供に聞かせていいのか? 本当に親からクレームくるでしょ、というような内容です。

あと、物語の中に親が子供に読ませたい絵本のランキングというのが出てくるのですが、一番売上がよかったのが「お年玉いらないもん」だとか、そういうのがちょいちょいあっておもしろかったです。

話題の舞台『人間風車』のキャスト、加藤諒さんインタビュー

プライベートでは、夢がすてきな現実になった経験も

――舞台では、サムが童話の登場人物になりきることでその内容が現実になるということも起こるのですが、実際ご自身で夢見たことや願っていたっことが現実になった、というような経験をされたことはありますか。

京都に行ったとき鈴虫寺に行くんですが、そこのお守りがすごくご利益があるといわれているんです。ずっとバラエティ番組の『あっぱれさんま大先生』に出させてもらっていた小6の頃、「連ドラが決まりますように」とお願いしたら、『ガッコの先生』というドラマへの出演が決まりました。あと大学4年生のときと2、3年前と、鈴虫寺には今までに3回行っているんですが、毎回、連ドラが決まりますように・・・とお願いしたら、本当に連ドラが決まるんです。だから鈴虫寺のお守りはずっと持っています。それで、次に行ったときに前のお守りを返して、新しいものをいただいてきます。

(すごいですね!)

――テレビに舞台にとお忙しいと思うのですが、普段からなにか特別な体力づくりなどはされていますか。

いえ、特に体力づくりというわけではないのですが、できる限りダンスのレッスンに行くようにはしています。レッスンに行くと、まず入念にストレッチして筋トレして基礎をやって、それから振り付け、という感じで、トータル3時間ぐらいやっています。

――今回の舞台では、踊るシーンなどありそうでしょうか。

ダンスというのはないと思います。でも、成河(そんは)さんも身体表現がすごくお上手な方なので、踊るところまではいかなくても、なにか体で表現できるシーンがあったらおもしろいかなと思っています。まだどうなるのか、ぜんぜんわからないんですけど(笑)。

(あることを期待したいです!)

舞台でしか味わえない!シニカルな笑いと想像力が作り出す恐怖、そして感動

――今回の作品を通して、観客にどんなことが伝わるといいなと思いますか。

言葉の力というものはすごく大きくて、いろんな人に影響を与えると思うんですよね。この舞台では大人が子供たちに聞かせるのは童話なのですが、大人は子供に対する一つひとつの言葉に、責任を持って発言しなくてはならないなと思いますね。僕も子供の頃経験したのですが、大人がふと言ったことで子供が傷ついていることもあるので。だから、自分もテレビに出るときは特に発言に気をつけるようにしています。

――最後に、OZユーザーへのメッセージをお願いします。

内容がちょっと変わっているんですよね。今は表現の規制もあって、映画やテレビでは観られない過激な表現があるのも、この舞台のみどころでもあります。個人的には、前作のおどろおどろしいシーンがマイルドにならないでほしいなと思っています。時代に合わせて描写も変更されている部分もあるので、前作を観られた方でも新たに楽しめる作品になっていますし、エンタメ性もありつつ初めて見る方でもいろいろと考えさせられる内容になっていると思います。衣装も、次はどんな格好して出てくるのかとか、そういうのも楽しんでください。

自分の目の前で生身の俳優が生でお芝居をしているっていうのは、本当に舞台でしか味わえないものなのですし、その場でしか伝わらないものもあると思います。1人でも多くの方に観に来ていただけたら、すごくうれしいです!

***

今回、物語のキーマンとなるとても個性的な役柄だけに、加藤さんが演じる”サム”の登場がすごく楽しみ。笑い、恐怖、涙・・・刺激的な感動がほしい!という人は、ぜひ足を運んで。


衣裳協力/SPiKe(03-6407-0123)、kanekopopbowtie(080-3595-1515)
スタイリスト/大石裕介(DerGLANZ)

■公演情報

話題の舞台『人間風車』のキャスト、加藤諒さんインタビュー

場所/東京芸術劇場 プレイハウス(東京都豊島区西池袋1-8-1)
期間/2017/9/28(木)〜10/9(月・祝) ※9/30(土)18:00公演、10/5(木)14:00公演終了後、アフタートークあり。
料金/S席8900円、A席7800円(全席指定)、U-25チケット5000円(条件あり)
アクセス/JR・東京メトロ・東武東上線・西武池袋線「池袋駅」西口より徒歩2分、駅地下通路2b出口直結

<作品情報>
作/後藤ひろひと
演出/河原雅彦
出演/成河、ミムラ、加藤諒、矢崎広、松田凌、
今野浩喜、菊池明明、川村紗也、山本圭祐、
小松利昌、佐藤真弓、堀部圭亮、良知真次

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※記事は2017年7月25日(火)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります

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