かわいらしい口上にほっこり。中村勘九郎の息子が初舞台に挑戦する、歌舞伎座の2月公演
『猿若祭二月大歌舞伎』は、中村勘九郎の息子2人が三代目中村勘太郎、二代目中村長三郎を名のり初舞台を踏む、祝福ムードにあふれた舞台。
更新日:2017/02/03
夜の部で上演される、「門出二人桃太郎」(かどんでふたりももたろう)では、兄弟の桃太郎として勇ましい武者姿を披露。尾上菊五郎、中村梅玉、中村鴈治郎、中村芝翫、市川染五郎、尾上松緑、尾上菊之助、中村勘九郎、中村七之助など豪華な顔ぶれが、2人の門出を華やかに盛り上げる。ほか、「絵本太功記」(えほんたいこうき)、「梅ごよみ」(うめごよみ)の2演目も上演。愛らしい晴れ姿に大きな歓声と拍手送って。
勘九郎の息子たちが三代目中村勘太郎、二代目中村長三郎を襲名する初舞台
注目はなんといっても中村勘九郎の息子たちの初舞台。波野七緒八(なみの なおや)、波野哲之(なみの のりゆき)が、それぞれ三代目中村勘太郎、二代目中村長三郎を名のり、兄弟で桃太郎を勤める。中村勘九郎と七之助も同じ5歳と3歳のとき、さらに祖父・中村勘三郎も初舞台で演じていて、親子三代に渡って初舞台で桃太郎を演じることに。劇中のかわいらしい口上に会場中が沸き上がるはず。
桃太郎、明智光秀の謀反、色男と深川辰巳芸者の恋模様。名作揃いの3演目
最初の演目「門出二人桃太郎」は、初舞台を寿ぐ華やかで楽しい一幕。そして、謀反を境に破滅に向かう光秀一家を描く時代物の名作「絵本太功記」は、光秀が母と子を失い悲しみに暮れる場面が胸を打つ。張りと意気地が身上の深川辰巳芸者と色男との三角を超え、まさかの四角関係の恋模様を描いた「梅ごよみ」もストーリーがおもしろい。名作と言われる3演目を楽しんで。
しなく!
『猿若祭二月大歌舞伎』(夜の部)あらすじ
「門出二人桃太郎」
昔々、お爺さんがお婆さんを迎えに川へやって来ると、川上から大きな桃が流れてきた。その桃を家に持ち帰ると、中から飛び出してきたのは二人の元気な男の子。桃太郎と名付けられると、鬼退治に行くと高らかに名乗りをあげ、そこへ吉備津の神の使いである犬彦、猿彦、雉彦がお供として駆けつける。桃太郎兄弟は意気揚々と鬼が島へ向かい、鬼の大将に立ち向かうと、見事降参させてたくさんの宝物を受け取った。
「絵本太功記」
武智光秀は、主君小田春永を本能寺で討ち果たすが、光秀の母皐月は息子の謀反に怒り、尼ヶ崎の庵室に籠っている。そこへ光秀の嫡男十次郎が初陣の許しを得るために訪れた。討死を覚悟している十次郎だったが、皐月や母操の勧めもあり、許婚の初菊と祝言を挙げ、出陣していく。そこへ現れた旅僧。この僧こそ、春永の腹心真柴久吉。その僧を追ってきた光秀は、久吉を討ち取ろうと障子越しに竹槍で突き刺すが・・・・・・。
「梅ごよみ」
琴屋の養子丹次郎はお蝶という許婚がいるにも関わらず、深川芸者の米八と暮らしている。同じ深川芸者の仇吉は丹次郎にひと目惚れし、米八と張り合って丹次郎が探しているという茶入を手に入れようとする。ある日、丹次郎のもとで鉢合わせた仇吉と米八は大喧嘩となり、通りかかった千葉藤兵衛がその場を収めた。自分に言い寄る男が茶入を持っていると知った仇吉は、男の意に沿う代わりに茶入を手に入れようとするが、そこへ米八が現れる。
お祝いムードにあふれた歌舞伎座上演される、中村勘九郎のかわいい息子たちの初舞台をお見逃しなく。
『猿若祭二月大歌舞伎』
歌舞伎座(東京都/東銀座)
2017/2/2(木) ~ 2017/2/26(日)
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