デトロイト美術館展 ~大西洋を渡ったヨーロッパの名画たち~

更新日:2016/11/01

モネ、ルノワール、ゴッホ、ピカソほか、ヨーロッパ近代絵画の「顔」ともいうべき巨匠たちの名画が一挙来日!

1885年の創立以来、自動車業界の有力者らの資金援助と目利きのコレクターによって世界屈指のコレクションを誇るデトロイト美術館。2013年デトロイト市の財政破綻の際、財源確保を目的として所蔵品売却の恐れがありましたが、国内外からの協力、そしてデトロイト市民の声により、作品は1点も失われることなく美術館に残りました。危機を乗り越えた奇跡のコレクション、その中核を成している印象派、ポスト印象派、20世紀のフランス、ドイツ絵画の傑作から、選りすぐりの全52点をご紹介します。

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絶対に見るべき!注目の作品をピックアップ

フィンセント・ファン・ゴッホ《自画像》

フィンセント・ファン・ゴッホ《自画像》
フィンセント・ファン・ゴッホ《自画像》1887年
油彩、板に貼り付けたカンヴァス
City of Detroit Purchase

暗い色調で貧しい人々の生活などを描いていたゴッホは、パリに出てからは明るい色彩で自由なタッチに変わります。モデルを雇うお金がなく多くの自画像を描いたといわれているゴッホ。特にこの作品を描いた1887年に多くの自画像を描きました。南仏アルルでの耳切り事件により精神を病む以前の絵と知ると、より一層その明るさが際立ちます。

■ POINT ■
ゴッホが着ている青いスモックに注目! 指で描いた跡があり、大胆なゴッホの作風がうかがえます。

アンリ・マティス《窓》

アンリ・マティス《窓》
アンリ・マティス《窓》1916年
油彩、カンヴァス
City of Detroit Purchase

窓の格子や左奥の壁の垂直線や水平線、透ける白いカーテンと窓から差し込む光の帯が画面を分割し、手前の椅子や窓の前のラジエーターの黒い輪郭が重なり合っています。床の寄木細工と手前のジグザグ模様がリズムを添え、さらに花の盛られた籠や丸テーブル、椅子の曲線が加わるなど、すべての形が響き合っています。

■ POINT ■
マティスはヨーロッパ各地、モロッコなどへの旅を経て取り入れた抜群の色彩感覚で知られる画家。絶妙な色の対比とハーモニーに注目してみてください。

クロード・モネ《グラジオラス》

クロード・モネ《グラジオラス》
クロード・モネ《グラジオラス》1876年頃
油彩、カンヴァス
City of Detroit Purchase

白い襟に縞模様の青いドレスをまとい、緑の日傘を差して立つ女性は、モネの妻カミーユ。イーゼルを屋外に持ち出して直接カンヴァスに描くことで、太陽の光が花や葉にあたってはじける瞬間や、強い陽射しに揺れ動く空気の効果を生き生きと伝えています。

■ POINT ■
観る人の視覚で起こる混色によって表現する「筆触分割」の技法を用い、絵の具が重ならないように描かれています。

エルンスト・ルートヴィヒ・キルヒナー《月下の冬景色》

エルンスト・ルートヴィヒ・キルヒナー《月下の冬景色》
エルンスト・ルートヴィヒ・キルヒナー《月下の冬景色》1919年
油彩、カンヴァス
Gift of Curt Valentin in memory of the artist on the occasion of Dr. William R. Valentiner's 60th birthday

現実の風景とはとても思えないこの作品の着想についてキルヒナーは、「今朝早く、素晴らしい月の入りを見ました。小さな桃色の雲の上にある黄色の月と澄んだ深い青色の山々、本当に素晴らしい情景でした」と述べています。アトリエの窓から昼夜目にする風景を、強い不眠症に悩まされながら描いたこの作品。エッジが誇張されたファセット(切り子)状の山肌や樹木が、素早いタッチで画面に塗りこめられており、画家自身の精神的不安が感じられます。

■ POINT ■
人間の内面を大胆な色彩や形態で表した作品の“傾向”や“気分”の総称であった「ドイツ表現主義」はナチス・ドイツにより「退廃芸術」と弾劾されました。キルヒナーのほかにもオスカー・ココシュカやワシリー・カンディンスキーなど、第一次世界大戦前後からドイツとオーストリアで活躍した芸術家たちによる傑作の数々をぜひ会場でご覧ください。

デトロイト美術館展 ~大西洋を渡ったヨーロッパの名画たち~

デトロイト美術館展 ~大西洋を渡ったヨーロッパの名画たち~

会期:2016年10月7日(金)~1月21日(土)※会期終了まで休館日なし
会館時間:9:30~16:30(金曜日は9:30-20:00)※入館は閉館の30分前まで
会場:上野の森美術館
住所:〒110-0007 東京都台東区上野公園 1-2
アクセス:JR上野駅 公園口より 徒歩3分/東京メトロ・京成電鉄上野駅より 徒歩5分
お問い合わせ:03-5777-8600 (全日/8:00~22:00)※ハローダイヤル
主催:フジテレビジョン、産経新聞社、ぴあ、上野の森美術館

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※記事は2016年11月1日(火)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります

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