森美術館で南インドを拠点に活躍する現代アートの旗手「N・S・ハルシャ展」

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南インドの古都マイスールに生まれ、今も故郷を拠点に国際的な活躍を続けるインド人アーティストN・S・ハルシャ。彼の、初となる大規模な個展が現在開催中。カラフルで独特の世界観を持ったハルシャのアートは、見て、考えて、体感しながら楽しめる。

更新日:2017/04/18

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絵画を中心に約70点を展示。カラフルでチャーミングな作品はアート初心者でも楽しめる

六本木の森美術館では、2017年6月11日(日)まで、インド人アーティストN・S・ハルシャの初の大規模個展となる「N・S・ハルシャ展:チャーミングな旅」を開催中。

故郷の南インドを拠点にしながらも、数多くの国際展に参加してきたN・S・ハルシャは、世界で注目を集める現代アートの作家。今回は、絵画を中心に、新作を含む1995年以降の主要な作品約70点を展示する。

作品の見どころは、豊かな色彩に満ちた美しい絵画作品の数々。アート初心者でも、N・S・ハルシャの描くカラフルな絵画やユーモラスな表現は親しみやすく、気軽に楽しめるはず。

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N・S・ハルシャ 《ここに演説をしに来て》 (部分) 2008年アクリル、キャンバス 182.9 ×182.9 cm(×6)

写真は「ここに演説をしに来て」(2008年)という作品(部分)で、この作品のなかには映画のヒーローからインドの神々、動物まで約2000ものキャラクターが登場。個性あふれるキャラクターたちは、何度見ても新しい発見があるので、1日中鑑賞していても見飽きることがない。

「展示室内はすべて撮影が可能なので、自分のお気に入りのキャラクターを発見したら、SNSなどでぜひ共有してみてください」と広報担当者さん。絵の中にどんな出会いがあるか、それを見つけるのも楽しみに。

この世のすべては「チャーミングな旅」というN・S・ハルシャのメッセージも

N・S・ハルシャは今も故郷であるマイスールに住んでいるけれど、そこは自然豊かな環境で素朴な生活が営まれている場所。初期の代表作である「チャーミングな国家」シリーズでは、世相や社会を批評しながらも、どこかユーモラスなまなざしを感じ取ることができる。

写真の作品は「彼らが私の空腹をどうにかしてくれるだろう」(2006年)というタイトルで、農地の背景に描かれているのはスイスにある世界貿易機関本部ビル。そこには、「空腹を満たすのは畑を耕す農民か、それとも自由貿易か」という問いかけがあるという。

故郷を舞台にして世界の状況を描きながら、それでもこの世のすべてを「チャーミングな旅」と捉えるユニークな視点は、展覧会のタイトルにも通じるところ。

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N・S・ハルシャ 《彼らが私の空腹をどうにかしてくれるだろう》(「チャーミングな国家」シリーズより)
2006年 アクリル、キャンバス 97 x 97 cm 所蔵:ボーディ・アート・リミテッド、ニューデリー

作品の一部になれる大型インスタレーションは人気の撮影スポットに

また、スケールの大きな絵画作品も多く、中にはキャンパスを飛び出して床や壁、公園の地面や建物の屋上などに描かれるものも。

写真の「空を見つめる人びと」(2010年/2017年)は、床いっぱいに描かれた絵の上に立つと、絵の中の人びとと一緒に自分の姿も天井に映り込む大型のインスタレーション作品。人びとの視線が何を見ているのか、など、自分なりに考えてみるのも興味深い。

こちらは、作品の中に入り込んだ形で自分の写真が撮れるので、会場でも人気の撮影スポットなのだとか。いろんなポーズで、作品の一部になりきってみては?

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N・S・ハルシャ 《空を見つめる人びと》 2010 / 2017年 アクリル、合板 975.4 × 488 cm 展示風景:「N・S・ハルシャ展:チャーミングな旅」森美術館、2017年 撮影:椎木静寧 写真提供:森美術館 Courtesy: Victoria Miro, London

展示室の外でも出会える作品が。さまざまな表現のアートを自由に楽しんで

展覧会の会期中は、展示室以外でもN・S・ハルシャの作品にふれることができる。例えば六本木ヒルズの玄関口である66プラザの屋外空間には、高さ2.5m以上の大型彫刻作品「マター」(2014年/2016年・写真)が。大きな球体を抱えたハヌマーン・ラングール(サル)が指さす先には何があるのか? なんて考えながらも、つい同じポーズを取りたくなるかも。

絵画や彫刻、インスタレーションなど、さまざまな形で現代アートを楽しめる「N・S・ハルシャ展」。自由な感じ方で、自分なりのチャーミングな時間を過ごして。

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N・S・ハルシャ 《マター》 2014 / 2016年 ブロンズ 278.1 × 137.2 × 165.1 cm 展示風景:「N・S・ハルシャ展:チャーミングな旅」森美術館、2017年 撮影:椎木静寧 写真提供:森美術館

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N・S・ハルシャ展:チャーミングな旅

外観写真

TEL.03-5777-8600(ハローダイヤル)
東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー53F 森美術館
アクセス:東京メトロ日比谷線「六本木駅」よりコンコースにて直結、都営地下鉄大江戸線「六本木駅」より徒歩4分、「麻布十番駅」より徒歩5分

会期:2017年2月4日(土)~6月11日(日)
開館時間:10:00-22:00(火曜は17:00まで)入館は閉館の30分前まで
※会期中無休
入館料:一般1800円、学生(高校・大学生)1200円、子供(4歳~中学生)600円、シニア(65歳以上)1500円
※前売りチケット:一般1500円、取り扱いはチケットぴあ[Pコード:767-995]

NAOKO YOSHIDA (はちどり)

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※記事は2017年4月18日(火)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります

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