初の自主公演「九團次の会」を控えた、市川九團次さんにインタビュー
歌舞伎の世界を飛び出して、多方面で活躍中の市川九團次さんにインタビュー。初の自主公演である「九團次の会」の魅力は?歌舞伎初心者の女子へのアドバイスなど・・・温かい人柄も伝わるお話で、華やかな歌舞伎の世界を身近に感じて。
更新日:2016/08/26
Q 初めての自主公演を控えて、どんな気持ち?
市川九團次襲名から1年、こんなに早く自主公演の機会をいただき嬉しく思います。長く、関西を中心に修行をしてきましたので、江戸・東京で受け入れられるかどうかという不安もありましたが、一門である海老蔵さんなどの諸先輩からの後押しで、こうして開催へとつなげていただきました。
自主公演へと取り組んでいくなかで、主演をするという体験から先輩役者の方々がこれまでどんな気持ちで公演に取り組んでこられたのかがわかるようになりました。主演としての覚悟を持つことや、それ故の葛藤も感じることができています。
Q 自主公演「第一回 九團次の会」の魅力は?
今回の公演の2演目を決めるにあたり意識したのは、初めて歌舞伎を観る方にも楽しんでいただけるかどうかということです。
第1部の演目「義士残花抄(ぎしざんかしょう)」は、有名な忠臣蔵のエピソードから人気小説家である井上ひさし先生が新しく作ってくださった物語を、歌舞伎として演じます。新作ですので、演者としても作品作りから関わることができ、学ぶことの多い演目です。
忠臣蔵という歴史的エピソードを題材としていますが、若き二枚目武士の恋を描いた作品でもあるため、歌舞伎初心者の女性の方にも身近に感じていただくことができる作品です。
第2部の演目「太刀盗人(たちぬすびと)」は、古典の狂言舞踊です。セリフがあってわかりやすく、楽しい内容の演目を選びました。
こちらの主役は第1部と異なり、盗人です。コミカルな動きや独特のセリフ回しから、お客さんから笑いの起こる演目です。
作風の全く異なる2つの演目ですので、公演をとおして喜怒哀楽の感情と共に楽しんでいただけると思います。私も、若き二枚目武士とひょうきんな盗人を演じ分けるのが楽しいです。兄弟子の海老蔵さんには「盗人の方が似合う」と言われましたが・・・。
Q 女性には、どんな気持ちで歌舞伎の公演に来てほしい?
歌舞伎が女性にとって、気軽に「ちょっとおしゃれして出かけようか・・・」というきに訪れるような場所になればいいなと思っています。
今回の公演を行う会場は浅草にありますが、浅草の街は江戸の文化に触れることができる街です。江戸時代、当時の現代劇として庶民にも身近なものだった歌舞伎のルーツにも思いをはせながら、和文化に触れる1日として楽しんでいただけたらと思います。文化を楽しもう!というお気持ちでたくさんの女性が歌舞伎の会場にたくさん集まってくださったら、とても嬉しく思います。
実力に加え、そのイケメンぶりでも女性ファンの心を引きつける市川九團次さん。襲名以降多忙を極めているだけに、これからますます注目度は高まってきそう。この第1回の自主公演をきっかけに歌舞伎デビューしてみるのもいいかも。
「第1回 九團次の会」の詳細は、こちらのページで紹介しています。