信州の食文化に触れる旅
Vol.2 松本さんぽ編
3000m級の山々が連なり、澄んだ空気と清らかな水に恵まれた信州。豊かな自然にはぐくまれたみずみずしい野菜や果物、保存の知恵から生まれた発酵食・・・。日本一の長寿県といわれる、信州の食文化の魅力を探ってみました。
更新日:2017/07/11
食文化にふれる城下町・松本さんぽ
広い長野県の中でも、歴史文化を感じる城下町・松本。戦国時代に造られた深志城を前身とする国宝・松本城は、現存する五重六階の天守としては日本最古の城。漆黒の天守と赤い橋、北アルプスの山々が織り成す絶景も見どころ。蔵造りの建物が残る町並みは情緒があり、市街地に20以上ある井戸や湧き水にも癒される。コンパクトで町歩きが楽しい松本をめぐり、信州の食文化にふれてみよう。
信州の食文化は滋味豊かな野菜に果物、漬物を日々味わうことで、体を整え、健康に導いてくれる。もちろん、地元だからこそ食べられる、採れたての味は格別なもの。水と土、太陽の恵みいっぱいの味覚を味わいに、信州へ出かけよう。
縄手通りエリア
creperie monkava
信州・蓼科のそば粉で作るガレットは、パリッ、もちっの食感が秀逸。オーブンで焼いて信州産キノコのうまみをぎゅっと凝縮させたシャンピニヨン1458円は、シードルとぜひ。
Chez Momo
旬の国産果物にチリペッパーなどのスパイスやラム、ウイスキーなどを組み合わせた、個性あふれるコンフィチュールの店。初夏は地元産の梅やアンズ、すももがお目見え。深みのある味わいに驚くはず。小400円~。
中町通りエリア
開運堂 本店
広い売り場に和洋のお菓子が並ぶ、創業132年の老舗。クルミをあしらったシュー皮とスポンジでフレッシュバタークリームを巻いたナッツロール(要冷蔵)1036円は、染色家・柚木沙弥郎さんデザインのレトロなパッケージにきゅんとする。
松本ブルワリー タップルーム
松本初のビール会社の直営店。麦の香り豊かな「マツモト トラディショナル ビター」など、4種の定番ビールとシーズナルビールが揃う。ボトルは550円。生は1/2パイント600円、イント900円。飲みながら町歩きを楽しんでも。
宿泊は〝信州山ごはん"が味わえる
松本界隈の温泉宿へ
扉温泉 明神館
わさび沢の渓谷の緑と一体になったような、開放感ある温泉を擁する静かな宿。夕食はナチュレフレンチ「菜」で、白馬の冷たい湧き水で育った信州サーモンを。塩昆布のパウダーをまとったコンフィは、やわらかくうまみが濃厚。地元の新鮮なハーブや野菜とともに。
信州松本・美ヶ原温泉 民芸の宿
旅館すぎもと
信州の味覚満載の食事の締めには、1日10枚限定で館主が打つ挽きぐるみの十割そば12 00円が登場。塩尻産そば粉を粗めのふるいでふるい、冷水で打ったそばは、驚くほど風味豊かでコシがある。まずはそのままで、次に塩で、最後につゆ+一味唐辛子でどうぞ。
浅間温泉 梅の湯
信州サーモンにイワナ、手打ちそばなど、信州の美味を盛り込んだ会席料理が自慢。リンゴを飼料にした信州牛は、目の前で陶板焼きに。芳醇な香りと脂の甘みが口中に広がる。新鮮な馬刺しは、豆板醤を溶かした醤油と相性抜群。梅プラン18000円~で堪能できる。
信州 白骨温泉 絹の湯
つるや旅館
標高1400m に立ち、夏でも涼しい山あいの宿。絹の湯という湯号を持つこちらでは、人肌に近いpH値の源泉が飲みやすいと、古くから飲泉としても評判。朝食で供される温泉粥は、クセがなくまろやかな味わいで胃腸にもやさしい。安曇野のわさびや温泉卵と一緒に。
この夏は、世界級リゾート・山の信州へ
日本を代表する山々が連なる3つのアルプスを有する長野は、世界に誇る山岳高原リゾート。9月末まで「信州デスティネーションキャンペーン」を実施中で、県内全域の施設などで、さまざまなイベントやお得なプランが設定される。この夏は、満天の星を見たり、登山やカヌーなどをしたり、大自然に癒されながら、風土が生んだおいしいものを味わう信州旅へ。
※写真は開田高原(木曽町)
「信州山ごはん&地酒」
を堪能できるお店へ
山国ゆえに、そこにあるもの、そこにしかないものを、大切に、そして多彩に工夫して食べている信州の人たち。「信州山ごはん」を食べられるお店で、そのおいしさを味わうだけではなく、“食”の背景にある自然や文化を感じてみませんか。(写真は「蓼科高原 オーベルジュ シャレーグリンデル」)
おいしい日本旅
信州の食文化に触れる旅 Vol.1 信州山ごはん編
全国第4位の広い面積を持つ長野県には、地域色豊かなおいしいものがいっぱい。信州に行ったら味わいたい、代表的な山の恵みをご紹介。
PHOTO/AYUMI OOSAKI WRITING/MARIKO TSUKADA