TRADITIONAL VEGITABLES
大和伝統野菜【ごはん編】
都ができてから1300余年。歴史を重ねた神社仏閣や美しい仏像の数々と共に、大和野菜が息づいている。脈々と作り続けられてきた伝統野菜、若き生産者が挑む有機栽培野菜など、人の想いがこもった野菜をいただきに、いざ奈良へ。
更新日:2017/03/21
大和野菜を使った鮮やかごはん
奈良県では現在、戦前から栽培されてきた野菜の中から、20種類の野菜が「大和の伝統野菜」として認定されている。120種もの伝統野菜を育てる三浦雅之さんは、1つひとつ現地に足を運びながら未来に受け継ぐ「プロジェクト粟」という活動をしている。それを味わえる場所として、筆頭に挙げられるのが、「清澄の里 粟」。料理を担当するのは、奥様の陽子さん。素材の魅力が伝わるよう、できるだけ余分な手をかけずに調理する料理は、どれもほっこりとした味わい。コース料理の中に、50~70種類もの野菜が使われているというから驚く。テーブルの上には、観賞用の野菜が並び、野菜を紹介する冊子も手に取って読めるようになっている。「知識を得て食べれば、よりおいしく感じ、感激もひとしおだと思います。なによりも、ここに来て、土の匂いや風の心地よさなども含め、五感で楽しんでほしい」と三浦さん。夫妻による野菜の説明や土地の食文化や風習などについての話も興味深く、個性的な味わいとともに知識を深められるのも伝統野菜と出会う楽しみに。
大和野菜を使った鮮やかごはん & more information
清澄の里 粟
奈良市街を見下ろす高台に位置するレストラン。店内は開放的で、澄んだ風が心地よく感じられる。伝統野菜のほか、採れたての野菜をたっぷりと使った料理が楽しめる。粟おまかせコース3500円は、前菜から和物、季節野菜の煮物、野菜の豆乳鍋、揚物、季節の色御飯など盛りだくさん。粟大和野菜のフルコース5000円は、これらに加え、大和牛の料理も堪能できる。食後にはデザートと、コーヒーか奈良産の和紅茶も。1日20席限定のため、完全予約制。食後には、看板ヤギのペーターとのふれ合いも楽しみ。
粟 ならまち店
築140年の古民家を改装した落ち着いた雰囲気。清澄の里から届けられる新鮮な野菜をふんだんに使い、和食の技を活かした美しい料理が魅力だ。ランチで人気の粟「収穫祭」御膳2900円は、籠に盛られた前菜に加え、大和牛のローストビーフなどがセットに。奈良の地酒も充実している。
coto coto
奈良観光に便利な場所にあり、伝統野菜をカジュアルに楽しめる。煮物やフリットなど、和洋テイストの料理の数々が並ぶプレートに、バーニャカウダやデザートがついたランチコース1800円がおすすめ。ディナータイムにはアラカルトメニューも。厳選した奈良の地酒やクラフトビールとともにゆっくりと。
Ristorante L’incontro
西岡正人さんは、みずから狩猟し、解体から調理までを行うジビエ料理が評判。畑にも足を運び、肉料理に大和丸ナスやひもとうがらしなど、季節の大和野菜をふんだんに盛り込む。今の時期は、仔猪のロース肉をメインに、加工肉盛り合わせ、宇陀金ごぼうの自家製パスタのランチコース(4000円)が味わえる。
大和野菜イタリアン Natura
オーナーシェフ・野村武司さんが作る料理は、野菜が主役。1日に30品目以上の野菜を扱い、素材の味をダイレクトに感じてもらえるよう、シンプルな手法で調理する。大和まな、筒井れんこん、味間いもなど、旬の大和伝統野菜が満載。なかでも、まほろば赤牛がメインのバーニャカウダランチ(3800円)が人気。
奈良のおいしい食材をお届け
「奈良食べる通信」とは雑誌でもない、食材通販でもない「食べる情報誌」。2カ月に1回(偶数月)、奈良で一生懸命がんばる生産者を特集した冊子と、その人が育てた食材をセットにして自宅へお届けする会員制のサービス(2980円/号)。「生産者と消費者をつなぐこと」をモットーに、奈良の食の魅力を発信している。
「奈良うまし夏めぐり」で
普段ではできない体験を
東大寺本坊の写経道場で写経体験。大仏殿の当日参拝券も付くので、参拝もゆっくり自由にできる。ランチ付きのプランは、通常非公開の本坊大広間で特製ランチを。「ひらまつ」が運営する「リストランテオルケストラータ」の、地元食材を使い、趣向を凝らした品がいただける。※「ひらまつ」の写真はイメージです
開催日は6/24(土)、7/1(土)、7/15(土)、7/22(土)
※1日1回実施 10:00 ~(所要時間90分※ランチ別途60分)
ランチなし1名3000円 ランチ付き1名6000円。どちらも「大仏殿」当日参拝券付き。最少催行人員4名
おいしい日本旅 Vol.2
奈良県奈良市 大和伝統野菜のごはん
戦前から栽培されてきた野菜を未来に受け継ごうとする、大和野菜を育てる三浦雅之さんの物語と、伝統的な大和野菜をご紹介。
PHOTO/NORIKO YONEYAMA WRITING/TATSUYA OOGAKE,MINAGUCHI HAZUKI(N.I.PLANNING)