TRADITIONAL VEGITABLES
大和伝統野菜【野菜編】
都ができてから1300余年。歴史を重ねた神社仏閣や美しい仏像の数々と共に、大和野菜が息づいている。脈々と作り続けられてきた伝統野菜、若き生産者が挑む有機栽培野菜など、人の想いがこもった野菜をいただきに、いざ奈良へ。
更新日:2017/03/07
種を守り続けてきた伝統野菜
伝統野菜とは、昔から作り続けられてきた野菜のこと。奈良県では現在、戦前から栽培されてきた野菜の中から、20種類の野菜が『大和の伝統野菜』として認定されているが、それ以外にも多く残っている。驚くほど粘りがある烏藩(ウーハン)や、風味豊かな椿尾ごんぼなど。それらをひとつ一つ、現地に足を運び、地元の農家さんに話を聞いて、未来に受け継ごうとしているのが「清澄の里 粟」の主人、三浦雅之さんだ。
「伝統野菜というのは、いわば家族野菜。色や形が変わっていて市場では売れにくいけれども、家族や地域の誰かが好きだからと作り続けられてきた野菜です。つまり、食べる人の気持ちを大事にして作られてきたもの。そして、それぞれの土壌や気候に適しているから、本来は作りやすい野菜なんです」と三浦さん。
こうした伝統野菜の種を分けてもらったり、自家採種しながら、約120種類もの野菜を栽培している。奈良の伝統野菜に加え、将来的に地域に根付くかもしれないと考え、「エアルーム野菜」と呼ばれる海外の伝統野菜も育てている。色や形が異なるトマトだけでも20種類以上もあるという。その多彩な個性に触れてみたい。
代表的な大和伝統野菜
大和まな
菜っ葉の一種で、切り込みの入った葉が特徴的。甘みと辛みがあり、お浸しや炒め物などのほか、生でも食べられる。万能選手
紫とうがらし
ナスのような紫色がきれいなトウガラシ。辛さはなく、ほんのりと甘みがあり、プリッとした食感。加熱すると緑色に変化する
下北春まな
下北山村で、冬季のみ収穫される希少な野菜。葉が大きく肉厚で、旨味が濃い。葉を漬物にしてごはんを包む「めはり寿司」が絶品
千筋水菜
直径40㎝にもなる水菜。やわらかさと独特の甘さに魅了されるファンも多い。特に、奈良市八条で作られる「八条水菜」が有名
大和芋
粘りの強さが特徴のツクネイモの一種。栄養価が高く、胃腸の働きを整える効用もあるとか。とろろかけごはんで食べるのがおすすめ
片平あかね
山添村の片平地区でのみ栽培される細身のカブ。鮮やかな紅色が印象的。地元では、保存食として、漬物にされることが多い
「奈良うまし夏めぐり」で
普段ではできない体験を
東大寺本坊の写経道場で写経体験。大仏殿の当日参拝券も付くので、参拝もゆっくり自由にできる。ランチ付きのプランは、通常非公開の本坊大広間で特製ランチを。「ひらまつ」が運営する「リストランテオルケストラータ」の、地元食材を使い、趣向を凝らした品がいただける。※「ひらまつ」の写真はイメージです
開催日は6/24(土)、7/1(土)、7/15(土)、7/22(土)
※1日1回実施 10:00 ~(所要時間90分※ランチ別途60分)
ランチなし1名3000円 ランチ付き1名6000円。どちらも「大仏殿」当日参拝券付き。最少催行人員4名
PHOTO/NORIKO YONEYAMA WRITING/TATSUYA OOGAKE,MINAGUCHI HAZUKI(N.I.PLANNING)