「房総里山芸術祭 いちはらアート×ミックス2020+」が12/26まで開催中!小湊鐵道でめぐる1泊2日のアート旅へ

群馬県、オズモール 

栗 真由美《ビルズクラウド》、開放感抜群のトロッコ列車も運行、レオニート・チシコフ 《7つの月を探す旅第二の駅「村上氏の最後の飛行 あるいは月行きの列車を待ちながら」》

都心から約1時間。東京から最も近いローカル線・小湊鐵道が走る、千葉県市原市の里山を舞台とした芸術祭が開幕。「房総の里山から世界を覗く」をテーマに、世界の17の国と地域から68組のアーティストによる作品が小湊鐵道駅舎や周辺エリアで展示される。今回は、東京女子部のレポーターが小湊鐵道で里山をめぐる1泊2日のアート旅をいち早く体験。話題のアートから、トロッコ列車、グランピングまでおすすめスポットをご案内。

更新日:2021/12/20

上/レトロかわいい車体が特徴の小湊鐵道は、五井駅から養老渓谷駅までの全17駅を約1時間10分かけて走行 下/1日3便、里山トロッコ列車も運行。オープンエアで頬を撫でる風も気持ちいい

のんびりローカル線・小湊鐵道に揺られてアートの旅へ

満を持してスタートした「房総里山芸術祭 いちはらアート×ミックス2020+」は、小湊鐵道の沿線に世界各国のアーティストの作品89点を展開した芸術祭。「東京から最も近いローカル線」として、100年以上親しまれてきた小湊鐵道のレトロな車両が、のどかな里山を走りながら、アートスポットへ誘ってくれる。ゆっくり走る鉄道の車窓からは、駅舎や畑、民家とコラボレーションした作品の鑑賞も。週末を中心に1日3便、窓がなくより開放的な里山トロッコ列車も運行。さあ、五井駅から星のように点在する各エリアの作品たちに導かれながら、列車に乗って出発!

房総里山芸術祭 いちはらアート×ミックス2020+

開催日時:2021/11/19(金)~12/26(日) 10:00~16:00(施設・イベントにより異なる)
休場:月・火(11/23火・祝を除く)
開催場所:千葉県市原市内小湊鐵道を軸とした周辺エリア

1日目_五井駅からレトロな電車に乗ってアートの旅へ出発。グルメやグランピングにも盛り上がる

1日目は五井駅でアート鑑賞後、乗車を待つ間にかわいい新カフェでひとやすみ。高滝駅までは、車窓から里山ののどかな風景と、駅舎プロジェクトのアートを楽しみながら、ゆるりと列車旅。高滝から月出エリアのアート鑑賞の合間には絶品ピッツアの昼食を味わい、宿泊はフォトジェニックな竹林の中でのグランピング&BBQを満喫。

上/アデル・アブデスメッド《Play it Again》、下/レオニート・チシコフ《7つの月を探す旅 第一の駅「水もなく月もなく あるいは桶の中の7つの月」》

【五井駅】
ピアノの音色や月の満ち欠け・・・
非日常空間へタイムスリップ

冒険の出発点となる五井エリアでは、五井駅のホームで3作品、小湊鐵道五井機関区で4作品(平日は3作品のみ)をチェックしよう。列車の出発に合わせてジャズを奏でる、ロープに吊るされたピアノや白い光があふれてくる扉の立体作品など、アート旅への期待が高まる。8駅で展開する、月を探して宇宙を旅する人の物語にちなんだレオニート・チシコフの作品シリーズ《7つの月を探す旅》もお見逃しなく。

■東京女子部のおすすめポイント

ロープで吊るされたピアノの鍵盤がひとりでに動き、心地よい音色を奏でたり、月の満ち欠けや扉のアートオブジェも印象的でした。暗くなってからまた見てみたい(@chorintaさん) 宙吊りのピアノは圧巻でした(@lynn.lynn5さん)

上/レオニート・チシコフ《7つの月を探す旅 第二の駅「村上氏の最後の飛行 あるいは月行きの列車を待ちながら」》、下/西野 達《上総久保駅ホテル》

【上総村上駅・上総久保駅】
各駅に撮影スポットが満載!
体験型「駅舎プロジェクト」

1925年の開業当時の駅舎が、修繕しながら現役で活躍しているのも魅力の小湊鐵道。五井駅から養老渓谷駅までの全17駅で展開する、駅舎とのコラボ企画「駅舎プロジェクト」も見どころ。上総村上駅のホームでは、ベンチに座る宇宙飛行士と電車、青空を組み合わせた写真が撮れたり、上総久保駅にオープンしたホテルを模した作品では、窓からのどかな里山の風景を眺めたり・・・。不思議な体験にワクワク感が止まらない。

■東京女子部のおすすめポイント

ベンチに座っている宇宙飛行士と一緒に撮影できたのが面白かったです(@chorintaさん) 駅舎とホテルの客室が窓ひとつで繋がっているという設計が斬新! 壁紙からインテリアまでどれもかわいかった(@azu_grmさん)

上/月出工舎で展示する、岡 博美《その内に持つ色》、下/月出の森の一軒家で展開する、田中 奈緒子《彼方の家》

【月出工舎・月出の森】
集落にある旧小学校に光を灯す
地元の素材で作った作品の数々

山間にぽつんとある旧月出小学校。2014年から芸術発信拠点として活用している月出工舎と、周辺の森にアートが集結。国内外の14組の作家が滞在し、この地の素材で制作した作品に興味津々。地元の植物で染めた布が宙を舞う《その内に持つ色》や、大正時代の一軒家を詩的空間として蘇らせた《彼方の家》など眺めていると、時間を忘れてしまいそう。

■東京女子部のおすすめポイント

すごい山奥で驚きました(笑)。かつて小学校だった地が、時を経て芸術の発信拠点へと移り変わる姿に感銘!(@azu_grmさん) 暗い部屋でレース素材に自然が映し出されるアートがキレイでとても好きです(@yuki710) 

こみなと待合室

五井駅の隣りにオープンした休憩所で、朝食のコーヒーとパンを/こみなと待合室

五井駅のすぐ隣に、2021年3月オープンした待合室&カフェ。小湊鐵道の会議室だった建物をリノベし、ほっと一息つけるスポットに。トイレ、Wi-Fiも完備され、コインロッカーはなんと無料。ゆとりあるカフェスペースででいただけるコーヒーやパンは、テイクアウトもOK。9時から19時(土・日・祝は17時まで)オープン。

■東京女子部のおすすめポイント

ポテトパイとミニクロワッサンとコーヒーを頼みました。安くてびっくり! 木と白を基調としたインテリア、外壁もとってもかわいかったです。電車を見ながらお茶をできるの素敵でした(@yuki710さん)

美術館でアートを堪能したら、湖を眺めながら地元素材を使ったピッツァでランチを/PIZZERIA BOSSO

高滝駅から徒歩20分、市原湖畔美術館の敷地内にある、高滝湖畔に立つピッツェリアレストラン。名物は、地元の房総食材をふんだんに使い、薪窯で焼き上げる外はカリカリ、中はモチモチのピッツア。季節の房総果物の自家製フレッシュジュースなどドリンクと一緒に。ガラス張りの店内からは、湖畔に浮かぶ水上彫刻が望める。

■東京女子部のおすすめポイント

湖畔を望みながら食事ができる最高のロケーション。水面が太陽に照らされてキラキラしていて、うっとりする眺めです。房総の旬を味わえるピッツアは、歯ごたえのよい食感とチーズの相性が抜群でした(@azu_grmさん)

宿泊は、自然と動物に触れ合える、おしゃれなグランピング施設へ/THE BAMBOO FOREST

2020年春に誕生した、アニマルワンダーリゾウト「サユリワールド」併設のグランピング施設。宿泊は、ドームテントとロータスベルテント、ツリーハウス型ロッジの3種類から選べ、準備と片付け不要の豪華なBBQ付きなのも嬉しい。朝食は、地元の食材を使った洋食を室内のダイニングで。

■東京女子部のおすすめポイント

テントごと異なるインテリアがおしゃれで、自然の中で快適に過ごせました。夜ごはんのBBQも豪華で、朝ごはんも焼き立てのパンからフルーツまで、とってもおいしかった。次はキリン庵にも泊まってみたいです(@chorintaさん)

2日目_フォトジェニックな作品がいっぱい!旧平三小学校と旧白鳥保育所のアートに夢中に


2日目は旧小学校と旧保育所のレトロな空間でアートが観られる、平三と白鳥エリアを中心にアートさんぽ。途中でトロッコ列車や地元で人気のカフェランチも楽しみながら最終は上総牛久へ。タイムスリップ感覚に陥る牛久商店街のアート鑑賞後、列車を待つ間にコーヒースタンドのおいしいコーヒーで大満足のアート旅を締めくくり。

上/栗 真由美《ビルズクラウド》、下/キム・テボン《ドリームキャッチャー》

【平三】
清流近くの旧平三小学校で、
希望と夢が詰まった作品を体感

すぐ裏手に養老川の支流・平蔵川が流れる、旧平三小学校にも12のアートが集結。たくさんのミニチュアハウスで市原の家や建物を再現した《ビルズクラウド》や、夢をつかまえにいく、というユニークな体験ができるインスタレーション《ドリームキャッチャー》など、希望がキーワードの作品たちに心が温まる。手を触れて楽しめる作品も多いので、童心に戻って楽しもう。

■東京女子部のおすすめポイント

教室に入ると、宇宙船が登場する 《ドリームキャッチャー》。明るくなったり、暗くなったり、全く別の世界観が楽しめました。ランタンのような光のアート《ビルズクラウド》も幻想的で素敵!(@chorintaさん)

上/前田 エマ《エマらじお in いちはら》、下/高山 夏希《conjunctionー名詞から接続詞へー》

【白鳥】
子供たちのパワーが詰まった旧保育所が、女性作家のアトリエに変身!

上総大久保駅から徒歩4分。子供たちの賑やかな声が聞こえてきそうな旧白鳥保育所では、「女性作家のアトリエ風景」を覗いてみよう。ポップな内装が目を引く、前田エマが開設するラジオ局《エマらじお in いちはら》は、作家による公開収録も予定。教室いっぱいに流木や砂で構成された《conjunctionー名詞から接続詞へー》からは、エネルギーがもらえそう。

■東京女子部のおすすめポイント

流木を使ったダイナミックなアートから、広告写真でも有名なアーティストの部屋、幼少期を思い出す保育所を活かしたアート空間など、ひとつの建物でさまざまなアートが楽しめるのがいいですね(@azu_grmさん)

牛久
上/豊福 亮《牛久名画座》、下/マー・リャン《移動写真館》

【牛久】
宿場町の面影を残す商店街では、
扉を開けると昭和にタイムスリップ!?

かつて宿場町として栄えた名残りが残る、上総牛久駅前の商店街にも、4つの個性的なアート作品が出現。昭和初期の懐かしい街頭の紙芝居屋からインスピレーションを得てオープンした《移動写真館》。美術館の中のような赤い絨毯で絵画がぎっしり並ぶ《牛久名画座》など、古きよき昭和の時代にタイムスリップしたような気分に。商店街を散策すると新たな発見もありそう。

■東京女子部のおすすめポイント

《移動写真館》に入ると、タイムスリップしたような感覚に! 元パチンコ屋と聞いてびっくりの《牛久名画座》は、壁一面に名画のオマージュが展示されていてどこを見ても楽しめました(@azu_grmさん) たくさん絵画のレプリカがすごく良かったです。教育に良さそう(@lynn.lynn5さん)

里山で味わうランチは、地元野菜をふんだんに使った本格エスニック/Cafeうさぎや

飯給駅から徒歩3分、静かな里山にある古民家カフェ。料理は東南アジアや中東アラビア料理など、地元食材を活かした本格レスニックランチがいただける。プリンやケーキなど自家製スイーツやオリジナルグラスで提供されるハーブティーも好評。テラスもある店内からは走る列車が見られ、乗客と手を振り合ってほっこり。アート×ミックス期間中の営業は、昼は水曜~日曜、夜は木曜~日曜で、電話予約制。

■東京女子部のおすすめポイント

センヤイ・パッ・シーユは海老がプリプリで、空芯菜とライスヌードルの相性も抜群。デザートの特製ラ・フランスのフェルニーもおいしかった。店員さんもフランクで、看板犬も人懐っこくとても可愛かったです(@azu_grmさん) 列車を見ながらランチできるのがすごく良かったです(@lynn.lynn5さん)

地元愛あふれるコーヒーを飲みながら、2日間のアート旅の余韻に浸って/牛久にカフェを作りたいんだ

上総牛久駅構内の売店だった場所に、2020年に誕生したコーヒースタンド。町を盛り上げたいとの思いから、商店街にある3軒の和菓子屋さんの和菓子に合うオリジナルブレンドを、地元の焙煎屋さんにリクエストしているそう。商店街から仕入れる限定スイーツと、ハンドドリップで淹れる愛情たっぷりのコーヒー400円で疲れを癒して。

■東京女子部のおすすめポイント

駅に降りた瞬間にすごくいい香りがして、ホットコーヒーを注文。お店のビジュアルもよくて素敵でした! ハッシュタグが店名なのも街の勢いが感じられていいですね(@yuki710さん)

木村崇人《森ラジオ ステーション×森遊会》

12/26まで開催中!房総里山芸術祭 いちはらアート×ミックス2020+ 

始発駅の五井駅から養老渓谷駅までの17の駅舎や閉校した学校などを舞台に点在するアート作品を展開。小湊鐵道に乗っている間は車窓からの風景を楽しみ、気になる駅で降りて作品や里山の紅葉を楽しもう。作品展示のほか、おかしとお茶をいただきながら作家から房総のおはなしを聞く「おかしのはなし」(里見)などイベントもあり、詳細はHPでチェックを。一部の展示を除くすべての作品を鑑賞できる、作品鑑賞パスポート(イベントは除く)の購入がおすすめ。
■概要
日時:2021/11/19(金)~12/26(日)10:00~16:00※施設・イベントにより異なる
休場:月・火(11/23火・祝を除く)
料金:作品鑑賞パスポート3000円 
場所:市原市内小湊鐵道を軸とした周辺エリア(五井、牛久、高滝、平三、里見、月崎・田淵、月出、白鳥、養老渓谷)
イベント:日時、内容など詳細はこちら
※小湊鐵道のほか、芸術祭無料周遊バスも運行

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PHOTO/@lynn.lynn5@chorinta@azu_grm@yuki710 (東京女子部) WRITING/NAOMI TERAKAWA

※記事は2021年12月20日(月)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります

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