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東京離島、父島、オズモール

天然記念物の無人島へ!世界自然遺産・父島の海と絶景が待つ、南島半日ツアーガイド

更新日:2021/11/09

世界自然遺産・小笠原諸島の魅力といえば、なんといっても多くの人を魅了する美しい海。恋人同士で眺めているだけでロマンティックなひとときに浸れるけれど、せっかくなら一生の思い出に残るような体験をしてみない? この記事では、小笠原諸島・父島の海を楽しむ、ネイチャーツアーをご紹介。1日100人しか上陸することのできない無人島・南島で、2人の記憶に残る絶景を探そう。父島のランチ&カフェスポットもピックアップ

東京離島、父島、オズモール、南島
画像/鮫池

初めての父島旅でめざしたい!小笠原諸島随一の美しさを誇る「南島」を探検

東京・竹芝から船で24時間。同じ東京でありながら別世界が広がる父島への旅の目的は、手つかずの大自然。とくに、かつて島を開拓した人々が「無人(ぶにん)」を「ボニン」と発音したことから「ボニンブルー」と呼ばれるようになった小笠原の美しい海は、島を訪れたらはずせないお楽しみ。

父島には海を満喫するプログラムは種類も豊富。透明度抜群の海で水中世界をのぞくシュノーケリングやスキューバダイビングはもちろん、ウェイクボードをはじめとするマリンスポーツ、冬から春にかけてのホエールウォッチング、通年楽しめるドルフィンウォッチング&スイムなど、何度訪れても父島の海は飽きることがない。

東京離島、父島、オズモール、南島
上/ハートロック 左下/鮫池の湾内 右下/南島の上陸ポイント

そんな海のお楽しみの中でも、特に美しいと島民からも評判の高い、無人島「南島(みなみじま)」に上陸するツアーは初めての父島旅ではずせない海遊びのひとつ。

父島の南西約1kmに浮かぶ南島。石灰岩が侵食されてできた「沈水カルスト地形」という国内では珍しい地形で、なんと島全体が天然記念物! カツオドリをはじめとする海鳥の営巣地にもなっており、1日の上陸人数は100人まで、東京都認定ガイドの同行が必須、滞在時間は2時間以内、入島禁止期間があるなど、いくつかの条件を満たさなければ上陸することのできない貴重な場所なのだそう。

この日は、海や山のガイドサービスを幅広く行う「竹ネイチャーアカデミー」の南島上陸半日コースに申し込み。こちらのツアーは南島上陸はもちろん、ドルフィンスイムやホエールウォッチングもセットで体験できるため、海アクティビティを楽しみたい人にもおすすめ。二見港の青灯台を出発し、45分程度の船旅で南島へ。南島の周辺は外海の影響で波が高く、船が揺れることも・・・! ちょっぴりスリリングだけど、アトラクション気分で楽しもう。船上からハートロックと呼ばれる千尋岩を眺めたり、徐々に変化する海の色を楽しんだりと島への道中も見どころ満載。

東京離島、父島、オズモール、南島、扇浜
上/尾根から見下ろす扇浜 左下/巣で休むカツオドリ 右下/尾根の上へはラピエを登っていく

桟橋のない南島への上陸は、「鮫池」と呼ばれる湾から。強風時には入湾を断念するほど入口がとても狭くなっているため、海況や風向きを読んで一瞬でエントリーする船長のドライビングテクニックにも注目を。無事に入湾できたら、ラピエと呼ばれる鋭く尖った岩場を船づたいに慎重に登っていく。おそるおそる歩みを進めていくと、目と鼻の先にカツオドリの巣を発見! 繁殖の邪魔をしないように巣の横を速やかに通り過ぎよう。写真撮影をするなら、遠くからそっと試みて。

上陸後は、尾根の上をめざして軽いトレッキングタイム。たどり着いた尾根から見下ろす南島の象徴「扇浜」はまさに絶景! 見たことのないような美しいエメラルドグリーンの海は、感動すること間違いなし。船上から眺めたハートロックや、扇浜を写真に収めつつ、島に自生する固有種や希少種の動植物の観察も忘れずに。運がよければ、父島でもなかなかお目にかかれない、絶滅危惧種・アカガシラカラスバトに出会えることもあるそう。

東京離島、父島、オズモール、南島、陰陽池
上/扇浜 左下/海岸に自生するハマゴウの花 右下/ヒロベソカタマイマイの半化石

天然記念物である南島では自然保護が第一! ガイドさんたちによって敷かれた自然観察路から外れないように気を付けながら尾根を下り、いよいよ南島ツアーいちばんの目的である「扇浜」へ。メディアでも度々紹介される扇浜は、小笠原諸島を象徴するスポットのひとつ。真っ白な砂浜を見ると、点々と続くウミガメの足跡があったり、天然記念物に指定されているムラサキオカヤドカリがてくてく歩いていたり、はたまた1000年前に絶滅したヒロベソカタマイマイの半化石が無数に転がっていたり・・・。小笠原の大自然を感じながら、2人で砂浜の上の不思議な生き物を探してみるのも楽しい。

南島で見られるものはほとんどが固有種なので、気になる動植物は同行してくれるガイドさんに聞いてみて。

オズモール、父島、竹ネイチャーアカデミー
上/陰陽池 下/南島から二見港への帰路では、船上から停泊中のおがさわら丸も見える

最後に、扇池近くにある淡水と海水の混ざった汽水池「陰陽池」を見学したら、待ちに待った自由時間。限られた時間ながら、砂浜でのんびりするのはもちろん、透明度抜群の扇池で泳ぐこともOK。石灰岩でできた砂浜は裸足で歩いても熱くないので、サンダルを脱いでのんびり歩いてみるのも楽しい。同行のガイドさんから声がかかるまで、思い思いに過ごそう。

あっという間に時間が過ぎ、もうすぐ2時間。天然記念物の南島からは、珍しいヒロベソカタマイマイの半化石はもちろん、すべてのものが持ち出しNG。サンダルに付いた砂のひと粒もキレイに払って帰ろう。名残惜しい気持ちを抑えてラピエを慎重に下りてボートに乗り込んだら、父島・二見港をめざして出航。帰路もイルカやクジラを探しつつ、のんびり船旅を楽しもう。途中、枝サンゴが群生するダイビングスポットで船を止めてくれるので、事前にシュノーケリングの道具をレンタルしておくのもおすすめ。ここでしか出会うことのできない、特別な無人島をぜひ訪れて。

竹ネイチャーアカデミー

たけネイチャーアカデミー
TEL.04998-2-3305
住所/東京都小笠原村父島字東町
予約/要(HPのお問い合わせフォームまたは電話よりご予約ください)
料金/南島上陸半日ツアー8000円 ※11月中頃~2月初旬までの期間は自然保護の為入島禁止となります(年末年始を除く)
アクセス/二見港船客待合所より徒歩2分

合わせて立ち寄りたい!父島のランチ&カフェスポット

オズモール、父島、丸丈

島寿司にアオウミガメの刺身。独特の食文化が根付く島料理に舌つづみ

明治9年から続く、島の人に愛され、観光客も絶えない人気の和食割烹。ランチには元寿司職人の5代目が握る島寿司がおすすめ。小笠原近海で獲れるオキザワラをしょう油に軽く漬け込み、ワサビではなくカラシでいただくというのがユニーク。事前予約でテイクアウトもできるので、ボニンブルーの海を眺めながら味わっても。

夜は島野菜の天ぷらや一匹丸ごとの魚の唐揚げなど、豊かな自然の恵みを感じる父島の郷土料理を堪能しよう。なかでも評判なのがアオウミガメの刺身。貴重な身は馬肉のような食感で、さっぱりとしてクセがない。島でしか食べられない一品を2人で仲良くシェアして。

丸丈

まるじょう
TEL.04998-2-2030
住所/東京都小笠原村父島東町
営業時間/11:00~14:00、18:00~23:00(22:25LO)
定休日/不定休(おがさわら丸出港中)
アクセス/二見港船客待合所より徒歩6分

緑に囲まれた開放的なカフェへ。小笠原産コーヒーとスロウな島時間を

父島の南、大自然の中に開かれたオープンエアなカフェ。栽培から収穫、焙煎にドリップまで、まさに完全自家製の父島産・ボニンアイランドコーヒーが味わえる。ここでしか味わえない1杯は、ほんのり甘く、さっぱりとしたやさしい後味で癒し効果も抜群。

そのほか鮮やかな色が目を引く、スパイスが香る夜明けコーラといった楽しいオリジナルドリンクや、コーヒーにぴったりの手作りクッキー、平飼い卵を使った日替わりスイーツもお楽しみ。みずみずしい南国植物に囲まれた、トレーラーハウス前に広がるオープンデッキでのんびり、島時間を満喫しよう。

USK COFFEE

ユーエスケーコーヒー
TEL.04998-2-2338
住所/東京都小笠原村父島北袋沢
営業時間/土・日・月祝、おがさわら丸入港中11:00~17:00
定休日/おがさわら丸出港中の平日 ※臨時営業・休業あり
アクセス/二見港船客待合所より車で約11分

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PHOTO/MANABU SANO WRITING/OZmall, EMIKO OKAZAKI(SHOP)

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※記事は2021年11月9日(火)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります