日々ロケハンに出かけたり、個人的に旅をしたりしているOZの編集部にとっては、毎日が新しい発見や出会いに満ちた小さな旅。ページには載らない裏話やエピソードをお届け。今回は、編集Cが、日本一の星空の村・長野県阿智村で星空を巡る旅を体験してきました。
日本一の星空が見える、阿智村ってどんなところ?
今回は長野県阿智村へ星空トリップ。朝9時に車で東京を出発したら、お昼にはもう到着です。阿智村は長野県の山あいに位置し、環境省から「星が最も輝いて見える場所」の第1位に認定された、日本一の星空が見える場所として知られています。また、「美人の湯」と呼ばれるアルカリ泉質の温泉が湧き出る昼神温泉郷があったりと、豊かな自然に恵まれた村です。
冬は氷点下まで気温が下がる厳しい寒さの阿智村ですが、この冬こそ四季を通して見える一等星が最も多く、空気も澄んでいることから、実は1年でいちばん星空観賞に適している季節なのだとか。
そんな星空観賞のベストシーズンに、2019年3月31日(日)まで開催中の星空ツアー「Winter Night Tour -STARS BY NAKED-」へ参加するべく1泊2日の旅に行ってきました。
アクセス
【車】初台ICより中央自動車道を経由し、岡谷JCT方面へ。飯田山本ICから国道153号で約8分、国道256号で約2分
【特急】新宿駅よりJR中央本線特急あずさで約2時間30分、上諏訪駅下車。上諏訪駅より阿智☆昼神バス諏訪便で約2時間
冬だけのお楽しみ!Winter Night Tourで星空を満喫
夜になるのを待ち、さっそく「Winter Night Tour -STARS BY NAKED-」へ。阿智村と空間演出を得意とするNAKEDが共同で手がけるこちらのナイトツアー、3度目の開催となる今年のテーマは「星のイルミネーション」。会場にはプロジェクションマッピングによる光と映像のショーが繰り広げられる円形空間や、本格的なプラネタリウムが上映されるドームが登場します。さらに、天体望遠鏡で星や月を眺められるエリアや、星空解説を行うコーナーなど、冬の星空を楽しむためのプログラムがたくさん。私たちが伺った日は、幸運にも雲ひとつない晴れ! 会場に着く前から空にはいくつもの星が瞬いていて、期待が膨らみます。
宿泊先の昼神温泉郷から車で15分ほど。車を降りて一本道を歩いた先に、いくつもの巨大コンテナで構成された、宇宙ステーションのような建物が見えてきました。
ゲートをくぐり、星の光に導かれるように先へ先へ。光の通路を抜けると壮大なプロジェクションマッピングがお目見えするメインエリア「GALAXY STARS」に続きます。1回15分間のショーの最中、次々に変化する光の演出に目が釘付け。そしてプログラムが終わりに近づく頃、促されるように上空を見上げると、上空には無数の星が輝き、地上には何百個もの流星群が・・・! 通常ではありえない光景ですが、本物の星とプロジェクションマッピングの星が視界いっぱいに輝く様子はまさに圧巻。無意識に「おおーっ!」と声を出してしまいました。
さらに、ここでは“日本一の星空”を上回る、ギネス認定の“世界一の星空”も見ることができるのです。その秘密は、直径15mのドーム内に設置された“スーパープラネタリウム MEGASTAR-II”。なんと1000万個もの降り注ぐような星を再現することができるのだそう。頭上から足元まで360°すべてに星が投影され、夜空に浮いているような不思議な浮遊感に包まれます。
自分の目で見える星を楽しんだら、「ASTRONOMICAL TELESCOPE」で、天体望遠鏡を使ってもっとじっくり天体観測タイム。晴天時には1日3回、星空ガイドによる星空解説も開催されます。ソファやリクライニングチェアも設置され、みなさん思い思いに星空を眺めているのが印象的でした。
足湯やカフェも!あったかスポットでひとやすみ
会場には嬉しいことに冷えた体を温めるためのスポットも2箇所用意されていました。
まずひとつ目のあったかスポットは、無料で利用できる足湯ならぬ足浴。足湯とはちがい、足を入れる箱には、特殊な岩盤石の上で温められたセラミックボールが。「GALAXY STARS」の正面に設置されているので、暖を取りつつゆっくりとプロジェクションマッピングを見たり、上空の星空を眺めたりすることができます。
ふたつ目は最奥エリアにある屋内カフェ「STAR VILLAGE CAFE」です。こちらでは、コーヒーやスープなどの8種類のホットドリンクがオーダー可能。ドリンクを受け取って席につくと、テーブルにプロジェクションマッピングの演出が! 温かいドリンクをいただきながら、記念撮影もできる、休憩にぴったりのスポットになっています。
Winter Night Tour -STARS BY NAKED-
TEL.0285-44-2311(ヘブンスそのはら)
住所/長野県下伊那郡阿智村智里3731-4
開催期間/~2019年3月31日(日)
営業時間/19:00~22:00
入場料金/大人2200円 小人1000円 幼児無料
星空観賞の後も“星”を楽しむ夜遊びスポットへ
星空を心ゆくまで堪能したら「ヘブンスそのはら」を後にし、阿智☆昼神観光局が運営する「ACHI BASE」へ。日中は観光案内所とカフェ、星が瞬く夜には、もうひとつの顔・BARに様変わりするおもしろいスポット。観光局の方々がバーテンダーもこなし、メニュー開発から調理まですべて行っているという、こだわりがたくさん詰まったBARです。
ここで注文すべきは、プロジェクションマッピングが出現するACHI BASEオリジナルカクテル。お待ちかねのカクテルがカウンターにサーブされた瞬間、グラスの周りが輝き、星をイメージしたプロジェクションマッピングが! この演出もいくつかのパターンがあり、舌だけでなく、目と耳も使って、カクテルを何倍も楽しむことができます。
プロジェクションマッピングの演出は、大塚愛さんコラボのカクテル「宙(そら)」「空(せい)」と、季節の星の名前が付けられた限定カクテルを注文したときだけ出現するそう。今の時期は「アルデバラン」「冬のダイヤモンド」「ジェミニ」「プロキオン」「シリウス」「スバル」6種類のカクテル(各700円)がラインナップ。冬に見ることができる星たちなので、ナイトツアーで実際に眺めた後ならより楽しめそうです。
ACHI BASE
TEL.0265-49-3177
住所/長野県下伊那郡阿智村智里338−25
営業時間/19:00~23:30(23:00LO)
※10:00~17:30はカフェ営業
※カクテルの提供はバー営業時のみ
全国有数の美肌の湯で、冷えた体を温めつつほっこり
1日の終わりに、宿へ戻って疲れた体を癒します。今回宿泊したのは、阿智村・昼神温泉郷に位置する「昼神の棲 玄竹」。全17室、大正ロマンをコンセプトにしたモダンな作りの宿です。
全国でも有数の美人の湯として知られる昼神温泉郷のお湯は、とろりとした美容液のようななめらかさが特徴のアルカリ泉質。短時間の入浴でも体の芯からしっかり温まり、湯冷めしにくく保湿効果も高いのだとか。こちらの宿では内湯と半露天風呂がある大浴場のほか、宿泊者なら貸切風呂も無料で利用可能。ゆっくりと温泉に浸かり、部屋に戻る途中に無料のバーラウンジを発見。22時まで開放されているので夕食後やナイトツアーから帰って来た後にもくつろげるのが嬉しいです。信州で人気のお酒6種が並んでいたので「芋焼酎 風太」を少しだけいただき、至福の気分で就寝しました。
ちなみにこちらの宿は、信州サーモンや黒毛和牛をはじめとする地元食材をふんだんに使った料理が自慢。シェフが目の前で仕上げてくれるメインや、フレンチの手法を用いた一品など、目と舌で味わえる絶品料理の数々が登場します。Winter Night Tourに参加される方は、出発の時間に合わせて食事をすることもできるので、旅の計画に合わせてリクエストしてみてください。
早起きは三文の徳!?365日開催のふれあい朝市
翌朝は早起きをして、30年以上の歴史を持つ昼神温泉ふれあい朝市へ。365日毎日開催されているという朝市には、地元で採れた新鮮野菜から工芸品、パン、生花、加工食品など、さまざまな商品を取り扱うお店が17軒程度並びます。なかにはこの朝市だけで販売をしているという商品も多く、お店も日替わりで変わるため、訪れる度に新しい出会いがあるのも魅力のひとつ。売切次第終了になるお店もあるそうなので、7時には到着しておくとよさそうです。私たちが訪れたのは平日でしたが、週末には占い体験ができることもあるとか。
出店者の年代は20代の若い世代から90代のおばあちゃんまで幅広く、みなさん親しげに声をかけてくれて、商品についても丁寧に教えてくれます。漬物の味見をさせてもらったり、水引工芸の実演をしてもらったり。方言での会話も新鮮で、ローカルな気分を味わえるところがまた楽しいです。
朝市広場の近くには、誰でも無料で利用OKの足湯「ふれあいの湯」があるので、疲れた足をリフレッシュしたいときにもおすすめ。
昼神温泉 ふれあい朝市
TEL.0265-43-2631(代表)
住所/長野県下伊那郡阿智村智里昼神
営業時間/4月~10月 6:00~8:00、11月~3月 6:30~8:00
駐車場/100台(普通車)
名物グルメを片手に阿智村をのんびり散策
宿で朝食をいただき、チェックアウトの時間まで阿智村をのんびりおさんぽ。以前朝市でおやきを販売していた方が直売所をオープンしたという情報をゲットしたので、朝市会場からほど近くにある「サンマルシェ」というお店へ。
さっそく店内に入り、なにか食べ歩きにおすすめのものがないか聞いてみると、「長野県産のお米と自家製のくるみ味噌を使った、長野の地域食・五平餅がいちおしです。信州名物のおやきも8種類ありますよ」とのこと。団子型や四角に近い語弊型など、五平餅にもいろいろな形がみたいですが、このあたりで食べられているのはわらじ型のものが多いそう。甘めの味噌にくるみの香ばしさがいいアクセントになっていて、朝食後にもかかわらずペロリ。
せっかくなのでおやきも注文することに。野沢菜・なす・切り干し大根・きんぴら・野菜・ツナ野菜・かぼちゃ・きのこ御飯・さつまいも・あずきの8種類から、いちばん人気という野沢菜をいただきました。おやきは手のひらに収まるくらいのサイズで、薄めの生地はもっちもち! 中には具材がぎっしりと詰まっていました。
サンマルシェ
TEL.0265-48-6128
住所/長野県下伊那郡阿智村智里382-2
営業時間/10:00~15:30 火定休
長野県阿智村で過ごした1泊2日は、日本一の星空を眺めることができて大満足の旅になりました。今回は星空ツアーがいちばんの目的でしたが、温泉街や朝市など、訪れる場所ごとに地元の人が優しくおもてなしをしてくださったことがとても印象的でした。みなさんも星降る村・阿智村へ出かけてみてはいかがでしょうか? 夜は冷え込むので、万全の装備をして訪ねてくださいね。
PR/阿智昼神観光局
PHOTO/AYA MORIMOTO WRITING/CHIHIRO SUZUKI(OZmall)