今回のロケハン日記の舞台は式根島。式根島をまわっていると気づくのが、人懐っこい猫たちに出会う確率が、ほかの島よりも多いということ。猫が大好きな編集Rにとってはテンションが上がる島! そんな猫島・式根島に伝わる猫伝説をご紹介。
猫とのふれあいが楽しいロケハン旅
式根島に到着してレンタカーで島を巡り始めると、猫をよく見かけます。
写真のように、車がギリギリまできているのに悠然と島猫らしい余裕をもって道の真ん中に座っている猫や、温泉施設「憩の家」の駐車場の落ち葉の上でウトウトしている猫、民家の軒先でのんびりしている猫、朝のお散歩を楽しんでいる猫など、島のいたるところでマイペースな猫たちと遭遇するのです。
猫好きな人にとってはまさに“にゃんパラダイス”。
車の中から猫を発見するたび、猫大好き編集Rは、「あっ猫がいる! こっちはトラ! あっちは黒! 追っかけて、写真撮って~!!」と、猫ハンターのごとくロケハンそっちのけで運転をしているカメラマンに指示出ししてしまうほど。島に到着直後はそんな感じで猫に夢中。しかも、式根島の猫たちは人懐っこい。車を降りて写真を撮ろうとすると、「撫でて~」言わんばかりに、猫たちが足元にスリスリと寄ってくる。
そんなことされたら、ハートをググッと掴まれちゃいます。
きっと、恋人同士で旅をしたら、島の猫たちとの戯れを通して、ほっこり和やかな島旅になるんだろうなと思います。ロケハンは荷物が多く車で回りましたが、小さい島ですし、猫たちとの触れ合いも楽しめるという点で、断然自転車で巡るのがおすすめです。
さて、到着直後の猫フィーバーも落ち着いたころ、ふと疑問に思いました。ほかの東京離島と比べると島の大きさの割りに猫が多い気がする、と。
なぜ猫が多いのか。
個人的な探求心を抑えられず、島の人に出会うたびに聞いてみました。
怪猫伝説で、昔は猫がいない島だった!?
島の人に聞いて回ったのですが、なかなか知っている人もおらず・・・。
「そうだ! 島のことなら観光案内所にで聞けばいいじゃん!」とひらめき、港近くにある観光案内所の田村さんを訪ね、疑問をぶつけてみました。
編集R「なんで式根島には、猫がいっぱいいるのでしょうか?」
田村さん「今は猫がいっぱいいるんですけど、その昔、式根島には怪猫伝説というのがあり、実は猫が一匹もいなかったんですよ」
という回答が!? え? 猫がいなかったって本当なの?
田村さんの話を要約すると、
その昔、式根島には子供たちをさらう怪猫がいたのだそう。そこに平家の落武者が式根島に流れ着き、怪猫を退治。それ以来、島民は猫を飼うのをやめ、島には一匹も猫がいなくなった。時代が流れ、近代にはいりネズミの被害に悩まされた島民たちは、ネズミ退治のために猫を飼うことを決意。でも、過去の歴史もあり、大王神社に猫神様を祀り昔のようなことが起こらないよう願掛け。それ以来、猫を飼うようになったという。式根島には犬を飼う人はほとんどおらず、島にいる猫を大切にみんなで飼い、今に至っているのだとか。
そして、この話には続きがあり、とある満月の夜になると島の猫たちが、大王神社に集まって海に向かってニャーニャーと鳴いているのだとか・・・。
なんだか、不思議なお話しでしたが、式根島と猫はいいも悪いもご縁があるんだなと感じます。
お話しを聞いたあと、さっそく大王神社でお参りをし、ロケハンをしながら再び猫たちと戯れ。島で飼っているというのがわかる看板も見つけたりして、大切にされているんだなと、嬉しくなりました。
この猫のお話、もっと詳しく知りたいという人は、ぜひ観光案内所の田村さんを訪ねてみてくださいね。
今回のロケハン日記を書いたのは・・・
編集R
東京の島×縁結びの企画ときいて、俄然やる気に満ち溢れているベテラン編集者。この企画を担当すれば、きっと私自身も素敵なご縁に結ばれるかも!? と密かに期待している。