ぶどう畑の向こうに見える甲府盆地と雄大な富士山……いくら眺めても見飽きない絶景が広がるこの場所は、長年日本ワインを牽引してきた「サントリー登美の丘ワイナリー」。こちらで体験できるのが、おいしいワインが生まれるまでを見て、感じて、さらに味わって堪能できるスペシャルなツアーです。今回、オズモール編集部が「FROM FARM ワイナリーツアー」に参加。その魅力をレポートします。
100年以上の歴史を持つ、丘の上の名門ワイナリーを巡る
今、世界中から注目を集めている日本ワイン。山梨県・甲府盆地一帯はその一大産地です。中でも「サントリー登美の丘ワイナリー」は、100年以上の歴史を持つ老舗ワイナリー。まさに日本ワインの歴史と発展を支えてきた場所なのです。
JR甲府駅から発着する送迎バスに揺られること約30分。標高400~600mの高台のワイナリーに到着すると、まずは眼下に甲府盆地を眺める絶景がお出迎え。周囲にはぶどう畑が広がり、2022年にリニューアルしたばかりのおしゃれなゲストハウスやショップが。早速わくわくが止まりません!
今回参加する「FROM FARM ワイナリーツアー」は、ワイナリーの魅力をあますことなく体験できる盛りだくさんなツアー。まずは専用バスに乗り込み、広大なぶどう畑の真ん中へ向かいます。
すくすく育つワイン用ぶどう。豊かな自然環境を肌で感じて
約150ha・東京ドーム約32個分もの敷地が広がる「サントリー登美の丘ワイナリー」。畑に入ると心地よい風を感じます。「いいぶどうができる条件は、雨が少ないこと、日照時間が長いこと、昼夜の寒暖差があること。その3つが揃っているのがこの場所です」とガイドさん。
こちらでは広大な丘を約50の区画に分け、それぞれに合ったぶどう品種を育成中。足元には青々と草が茂りますが、これはさまざまな植物を共生させて土壌環境を整える「草生栽培」という管理方法だそう。歩くとふかふかで気持ちいい!
ぶどうの樹の枝に発見したのは、なにやらぷちぷちしたかわいいもの……なんとこれがぶどうの花芽なのだとか! こんな風に季節ごとのぶどうの姿を間近に見られるのもツアーの醍醐味。今いる環境が、おいしいワインを育むことを実感します。
静かなセラーで眠るワイン。未来に思い馳せるひととき
次に向かったのは、どっしりと荘厳な雰囲気が漂う石造りのワイン熟成庫。重い扉を開けると、ひんやりした空気に包まれた巨大な空間に200以上の樽がずらり! テーマパークのアトラクションのようでどきどきします。フランスから運んだオーク樽に詰められたワインは、夏でも16℃前後、湿度60%程度に保たれるこの場所で、ゆっくりとなめらかな味わいに変化するそう。
熟成庫の中には、樽熟成を終えたワインが並ぶ瓶熟成のためのエリアも。壁の棚一面にボトルが収められた光景は大迫力。数十年前に造られたワインや各年代を代表するワインなどの貴重なボトルも、大切に保管されています。
豊潤な香りに満たされた静かな空間で、ひっそりとデビューを待つワインたち。神秘的で奥深い熟成の世界を体感できます。
ていねいな解説付きの試飲で、ワインがぐっと身近な存在に
お次はお待ちかねの試飲。たっぷりと時間を割き、ていねいな解説と共に試飲できるのが「FROM FARM ワイナリーツアー」のポイントです。
まずはテイスティングの方法から。ワインの色を見てからグラスを回し、香りを試してから口に含みます。うれしいのは、香りや口当たり、味わいに至るまで、漠然としていたワインの個性がぐんと分かりやすくなること。「熟成感を感じる赤ワインはお味噌と相性がよく、豚の味噌焼きなどの料理も合いますよ」といったガイドさんのコメントに、思わず参加者から「おいしそう…!」と声が。
全4種のワインの味をじっくり飲み比べたり、各席にセットされたナッツやチーズといったおつまみから、それぞれに合うペアリングを探したり。ワイン初心者から上級者まで、参加者全員が思い思いに楽しんでいるのが伝わってきます。
うっとり夢心地の味わい! 貴重な貴腐ワインの試飲も
ワイナリーが特に力を入れる日本を代表するぶどう品種・甲州の白ワインは、キリっとした柑橘の香りが印象的。熟成期間の異なる4つの原酒をブレンドした赤ワイン、その名も「時のかさね」が持つ複雑味には、先ほど見学した熟成庫の静謐なイメージが重なります(時期により試飲内容は異なります)。
ところで、特別な菌がぶどうにつくことで生まれる高級甘口ワイン、「貴腐ワイン」を知っていますか? 日本で初めてその菌が発見された場所こそ、「サントリー登美の丘ワイナリー」。「FROM FARM ワイナリーツアー」では、この貴重な貴腐ワインの試飲もできるのです。はちみつのように濃厚な香りと、とろりとなめらかな味わいは、まさに贅沢の極み!
昨今の気候変動に合わせた新たな栽培方法や、未来のためのサステナブルな循環型農業など、さまざまな挑戦に取り組んできたというつくり手。その努力を思いながらワインを味わうと、おいしさもひとしおです。
思い思いの過ごし方で、最高のロケーションを満喫しよう
充実の内容で、約100分のコースもあっという間。まだまだ帰るのが惜しい……そんな時は、ワイナリー内の自由に散策できるエリアでツアーの余韻を楽しんで。開放的なスペースにソファが点在する「富士見テラス」でくつろぐもよし、ぶどう畑の棚の下にあるベンチで休んでもよし。
中でもちょっと秘密にしたい穴場のスポットが、ぶどう畑の脇に登場したテント。テーブルとチェアがセットされ、まるでグランピングのような優雅な気分に浸れます。週末はテラスに出張カフェが出現し、軽食が販売されることもあるとか。
「登って美しい丘」が土地名の由来というのも納得の景色を堪能しながら、ショップで調達したグラスワインに舌鼓。日頃の疲れが吹き飛び、心身共にリラックスするのを感じます。
圧巻のラインナップが揃うショップ。お土産選びも悩みそう
最後はショップへ立ち寄るのを忘れずに。広い店内には自社のワインが勢ぞろい。中でもこことオンラインショップでしか買えない「SUNTORY FROM FARM ワインのみらい」は、醸造家チームの「こんなワインがあったらおもしろい!」を形にしたシリーズ。ワイナリーを訪れた記念にぴったりです。
ワインショップでは、常時20種前後の有料試飲が可能。国内外のコンテストの受賞歴を誇るワインや、ワイナリーの最高クラスのシリーズ「登美」も並ぶ豊富なラインナップに目を見張ります。ソムリエ資格を持つスタッフに相談できるのもありがたい。気になるワインがあり過ぎて、予算オーバーしないようにご注意を!
訪れればきっとファンになる「サントリー登美の丘ワイナリー」。五感で味わう特別なワイン体験は、忘れられないものになるはずです。
どれを選ぶ? 日本ワインの魅力に触れる3種のワイナリーツアー
「サントリー登美の丘ワイナリー」では、気軽に参加できる約30分のコースから、時間をかけてワイナリーをたっぷり楽しむ試飲付きツアーまで、3つのツアーを開催中。
■FROM FARM ワイナリーツアー
ぶどう畑や熟成庫を見学しながら、登美の丘ワイナリーのぶどうやワインづくりのこだわりについてたっぷりと紹介。希少な「貴腐ワイン」を含む4種類のワインテイスティング付き。
開催日:金・土・日・祝日
所要時間:約100分
参加費:5000円
■ワイン熟成庫ツアー
歴代のワインたちが眠る熟成庫を見学しながら、ワインづくりについて学ぶツアー。歴史を感じる熟成庫の中で赤・白2種類のワインをテイスティングできる。
開催日:水を除く毎日
所要時間:約50分
参加費:2000円
■甲州ぶどう畑 散策ツアー
日本固有品種「甲州」のぶどう畑を散策しながら、ぶどうづくりのこだわりを紹介。見学後は、畑の中でワインのテイスティングが楽しめる。
開催日:火・水を除く毎日
所要時間:約30分
参加費:1000円
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SPOT DATA
- スポット名
- サントリー登美の丘ワイナリー
- 住所
- 山梨県甲斐市大垈2786
- 営業時間
- 10:00~17:00(最終入場16:30)
- 定休日
- 水・年末年始・その他臨時休業あり
- 交通アクセス
- JR甲府駅よりタクシーで約30分
※週末やイベント時には甲府駅から無料シャトルバスが運行(運行時刻など詳細はHPを確認)
- ホームページ
- サントリー登美の丘ワイナリー
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PHOTO/MASAHIRO SHIMAZAKI WRITING/RIE KARASAWA