街に開けたアートの祭典へ!「横浜トリエンナーレ」を楽しむアートさんぽ
現代アートの国際展「横浜トリエンナーレ」が2024年は春開催&エリアを拡大して開催。今回は「野草:いま、ここで生きてる」の全体テーマのもと、世界中から93組のアーティストが参加する。ここでは、横浜ならではの名建築喫茶や新店、中華も巡れる編集部おすすめモデルコースをご紹介。
更新日:2024/03/13
1日たっぷりアートを楽しむ!「横浜トリエンナーレ」おすすめの巡り方
2001年から横浜で3年に一度、夏から秋にかけて開かれてきた現代アートの国際展「横浜トリエンナーレ(通称・横トリ)」。第8回となる2024年は初めての春開催で、まさにこれからスタート!
今回の「横トリ」は二本柱。ひとつめは北京を拠点とするアーティストとキュレーターのチーム、リウ・ディン(劉鼎)とキャロル・インホワ・ルー(盧迎華)がアーティスティック・ディレクターを務める国際展「野草:いま、ここで生きてる」。横浜美術館や馬車道駅近くなど、5会場で世界の“今”を感じられる現代アートに出会える。
ふたつめは、横浜市内を拠点とした街なか展「アートもりもり!」。黄金町エリアほか横浜の各所で、地元アーティストらによる「野草」をテーマとした多彩な展示やプログラムが観賞できる。
内容が盛りだくさんの今年の横トリだけど、横浜らしさあふれる名建築喫茶や中華街、ランドマークも一緒に巡れば1日がもっと充実するはず! 春の風が心地よい季節、下記のモデルコースを参考に、今しか楽しめないアートさんぽに出かけよう。
【横浜トリエンナーレを楽しむモデルコース】
10:00 まずはリニューアルした「横浜美術館」へ
12:30 「Trattoria Tabule」でランチ
14:00 「BankART Life7 UrbanNesting:再び都市に棲む」を鑑賞
15:30 「馬車道十番館」でお茶
16:30 アートフェスティバル「黄金町バザール2024– 世界のすべてがアートでできているわけではない –」を楽しむ
19:00 中華街でディナー&横浜マリンタワーからの夜景にうっとり
【10:00】まずはリニューアルした「横浜美術館」へ
約3年間休館していた横浜美術館の、リニューアルおひろめの場でもある今年の横トリ。祭典の目玉である、アーティスティック・ディレクターが企画する国際展「野草:いま、ここで生きてる」の大部分が横浜美術館で展示される。まずはここをめざして訪れ、同館のリニューアル前との変化を感じながらメイン作品を鑑賞しよう。
国際展「野草:いま、ここで生きてる」には世界中から93組のアーティストが参加し、うち32組は日本初出展。魯迅の生きた約100年前からの歴史的なできごとをたどりつつ、今の時代に向き合い変化をもたらそうとする作品が7章構成で紹介される。わかりやすい解説に考えるヒントをもらいながら美術館内を巡って。エントランスホール「グランドギャラリー」の作品は必見!
DATA
横浜美術館
よこはまびじゅつかん
TEL.045-221-0300(代表)
住所/神奈川県横浜市西区みなとみらい3-4-1
開館時間/10:00~18:00(最終入館17:30)※
休館日/木・年末年始※
アクセス/みなとみらい駅より徒歩3分
※開館時間・休館日は、展覧会により異なる場合があります。
【12:30】NEW OPENの“中東イタリアン”でランチ
六本木「La Brianza」など数々のレストランを手がける奥野義幸シェフと、NYの三ツ星レストラン「Jean-Georges」で副料理長を務めた「NoCode」の米澤文雄シェフ。ふたりの名シェフがタッグを組んだダイニングが2023年10月に誕生! 欧米の美食トレンドの中東料理に、日本人になじみ深いイタリアンを融合した独自の“中東イタリアン”を味わえる。
DATA
Trattoria Tabule
トラットリア タブレ
TEL.045-307-6333
住所/神奈川県横浜市西区みなとみらい4-2-1 LIVINGTOWN みなとみらい1F
営業時間/11:30~15:00(14:00LO) 17:30~22:30(フード21:00LO、ドリンク21:30LO)
定休日/水
アクセス/みなとみらい駅より徒歩8分
【14:00】「BankART Life7 UrbanNesting:再び都市に棲む」を鑑賞
市内の各アート拠点で展開される街なか展「アートもりもり!」の必見プログラムは、新高島駅構内地下のギャラリー「BankART Station」からみなとみらい、関内、ポートサイドの日常空間に42組の作品が展示される「BankART Life7 UrbanNesting:再び都市に棲む」。横浜美術館館長・蔵屋美香さんによると、注目アーティストはみなとみらい21地区「ぷかりさん橋」で展示されている、ネガポジが反転した不思議な彫刻を作る中谷ミチコさん。「水をすくう仕草をする石川県珠洲市の人々の手をかたどった作品は3年前の制作ですが、2024年の地震で私たちの受け止め方も変わりました。アートは時代を呼吸しているんです」
DATA
BankART Life7「UrbanNesting:再び都市に棲む」
会場/BankART Station、ほか周辺各所(関内地区、みなとみらい21地区、ヨコハマポートサイド周辺地区)
住所/神奈川県横浜市西区みなとみらい5-1 新高島駅B1F(BankART Station)
開館時間/11:00~19:00(BankART Station)
料金/1000円 ※高校生以下無料、ほかセット券やフリーパスあり
定休日/木 ※4/4、5/2、6/6を除く
アクセス/新高島駅よりすぐ(BankART Station)
【15:30】「馬車道十番館」のコーヒーとケーキでひと息
明治の建築様式を再現し、1970年に建てられたビルにある喫茶室。家具や調度品、吹き抜けのアーチ状のステンドグラスは重厚感が漂う。喫茶室で人気のショートケーキ825円は、丸い形が創業時からのこだわり。ふわふわスポンジと軽やかなクリーム、新鮮なイチゴの王道の組み合わせにほっとする。オリジナルブレンドのコーヒー748円とも相性抜群。
DATA
馬車道十番館
ばしゃみちじゅうばんかん
TEL.045-651-2621
住所/神奈川県横浜市中区常盤5-67
営業時間/10:00~22:00
定休日/なし
アクセス/関内駅より徒歩5分
【16:30】「黄金町バザール2024– 世界のすべてがアートでできているわけではない –」を巡る
「アートもりもり!」のもうひとつの注目プログラムは、黄金町の高架下スタジオを中心に開かれる「黄金町バザール2024– 世界のすべてがアートでできているわけではない」。アートとコミュニティの関係、アジアとの交流がテーマのアートフェスティバルで、地元をはじめアジアや他都市からもアーティストを招いて開催される。「アーティスト・イン・レジデンスに暮らして制作する若手作家もいます。アートという“厄介なもの”に捕まって苦労しつつも、お金儲けだけの人生より楽しそうな彼らの姿はきっと印象に残るはず」と蔵屋さん。
DATA
黄金町バザール2024– 世界のすべてがアートでできているわけではない –
会場/京急線日ノ出町駅・黄金町駅間の高架下スタジオ、周辺のスタジオほか
開館時間/11:00~19:00
料金/1000円 ※高校生以下無料、ほかセット券やフリーパスあり
定休日/木 ※4/4、5/2、6/6を除く
アクセス/日ノ出町駅より徒歩5分、関内駅より徒歩15分
【19:00】元町・中華街でディナーと「横浜マリンタワー」からの夜景を楽しむ
ディナーはやっぱり、横浜といえばの中華街へ。おすすめは、シックな空間でアフタヌーンティ風天心が楽しめる「中華街 桂宮」。ヌーベルシノワを感じる洗練された料理は香港の最先端の食シーンを反映していて、器や盛り付けも斬新。
アートさんぽの締めには、2022年9月にリニューアルした「横浜マリンタワー」がぴったり。展望フロアは地上106mから横浜をぐるりと360度見渡せるので、1日巡った街を夜景を眺めつつ振り返ろう。
横浜トリエンナーレ開催と合わせて、横浜トリエンナーレ×横浜マリンタワー共通チケットに桂宮など本格中華料理店の食事がセットになったお得なプランも登場。アートさんぽへ出かける前にぜひチェックして。
DATA
中華街 桂宮
ちゅうかがい けいきゅう
TEL.045-226-5088
住所/横浜市中区山下町151
営業時間/11:00~22:00(ランチ14:30LO、ディナー21:00LO)
定休日/月(祝の場合営業)
アクセス/元町・中華街駅より徒歩4分
横浜マリンタワー
よこはまマリンタワー
TEL.045-664-1100
住所/神奈川県横浜市中区山下町14-1
営業時間/10:00~22:00(21:30最終入場)
料金/1000円 土・日・祝1200円、ナイトチケット1200円 土・日・祝1400円※18:00~(6~8月は19:00~)
定休日/なし
アクセス/元町・中華街駅より徒歩2分
第8回 横浜トリエンナーレ「野草:いま、ここで生きてる」
現代アートの国際展「横浜トリエンナーレ」が2024年は春開催&エリアを拡大して開催。今回は「野草:いま、ここで生きてる」の全体テーマのもと、世界中から93組のアーティストが参加する。
チケットは、オンラインでの購入が便利。横浜市民はさらに割引も。18歳以下は無料!「横浜美術館」限定で、期間中何度でも入場できるフリーパスも入手でき、鑑賞券やセット券からのアップグレードもできる。
問い合わせ/050-5541-8600(ハローダイヤル)※9:00~20:00
会期/2024/3/15(金)~6/9(日)の78日間
定休日/木(4/4、5/2、6/6を除く)
時間/10:00~18:00(最終入場は閉場30分前)※6/6~9は20:00まで開場
開催場所/横浜美術館(神奈川県横浜市西区みなとみらい3-4-1)、旧第一銀行横浜支店(神奈川県横浜市中区本町6-50-1)、BankART KAIKO(神奈川県横浜市中区北仲通5-57-2 KITANAKA BRICK & WHITE 1F)、クイーンズスクエア横浜(神奈川県横浜市西区みなとみらい2-3クイーンズスクエア横浜2F クイーンモール)、元町·中華街駅連絡通路(改札1番出口方面)
入場料/一般2300円、横浜市民2100円(「アートもりもり!」セット券、フリーパスあり)
PHOTO/YUKO CHIBA, RYUMON KAGIOKA WRITING/CHINAMI TATEBAYASHI